貿易(輸出や輸入)について調べていると、国際輸送(物流)の言葉を目にすることが多いです。また、これとあわせてフォワーダーなる言葉もあります。一体、これらは、どのような違いがあるのでしょうか?
実は、国際輸送(物流)と貿易は、貿易>>国際物流の関係があり、これを理解していないと、必要としている業務に対して、適切な依頼先を見つけることが難しくなります。
そこで、この記事では、貿易と物流の違いについて詳しくご紹介していきます。
貿易と物流の違いは?
いきなりですが、あなたは、街のパン屋さんだとしましょう。パンを作るためには、小麦粉などの原材料が必要です。そのため、あなたは、この原材料を専門業者から仕入れます。次に、パンを焼くためには、様々な厨房機器も必要ですね。やはり、これも別の専門業者から仕入れます。
- 原材料の業者から、小麦粉等を仕入れる。
- 厨房機器の業者から、調理機器を仕入れる。
上記2つの結果、あなたは、パンを作ることができ、販売ができます。当たり前ですか? でも、よく考えて下さい、別に小麦粉を自分で作ることもできます。畑で小麦を栽培すればいいですね! また、調理機器も頑張れば自分で製造できるかもしれません。
でも、それをせず、それぞれの専門業者から原材料や調理器具を仕入れていますね!
なぜですか? 餅は餅屋の言葉がある通り、専門の分野は専門にお任せした方が価格面や作業コスト面などから考えて、有利であるからですね!
実は、貿易や国際物流の分野にも、このような専門領域や職域があります。この専門領域を理解せず、貿易や国際物流などの言葉で一つにまとめて理解していると、余分な費用を支払ったり、相手側の企業に煙たがられる存在になったりします。

貿易や国際物流を細分化し、携わる業者の専門性や職域を理解する事。
貿易と国際物流の細分化
では、早速、貿易と国際物流/国際輸送の細分化していきましょう。まずは、貿易と国際物流の違いを確認していきます。
貿易を辞書で確認すると、外国と商業取引をすることと記載されています。他方、国際物流とは、輸出や輸入に伴って発生する貨物の輸送、保管、加工、通関等の流通の総称と記載されています。言葉だけの意味なら、貿易業務の中に国際物流があると考えればいいでしょう。
貿易業務と国際物流の業務内容と関連企業の職域を理解すること
では、なぜ、貿易業務と国際物流の違いを理解する必要があるのでしょうか? この答えは、第三者へ依頼するタイミングにあります。
例えば、貿易や国際輸送を依頼するときに、通関業者やフォワーダーを使う方も多いでしょう。では、彼らの職域や専門領域は、どこからどこにあるのですか? あなたは、それを正しく把握されていますか?
例えば、サプライヤーに対して商品価格の交渉を依頼したいときは、フォワーダーなど依頼をすれば良いのですか? それは、適切な依頼だと思いますか? もちろん、不適切ですね!
なぜか? その答えは、売買交渉は、国際物流業務ではなく、貿易業務。つまり、輸入者(輸出者)であるあなたが行うべき業務だからです。パン屋の店主がパンの製造を誰かに依頼しますか? 昨今は、ファブレスメーカー等も流行っていますが、基本は、パン屋さんであれば、ご自身でパンを作るはずです。
このように、本来は、ご自身でやるべき業務を第三者であるフォワーダー等に依頼する方が非常に多いです。
- ご自身でするべき貿易業務
- フォワーダー等の第三者が請け負う業務
を区別できていないため、少し頓珍漢なことをしてしまいます。このようなことを防ぐために、貿易業務と国際輸送業務の違いと、各業者の専門領域を正しく理解することが重要です。
下記にその違いをご紹介いたします!
貿易業務に該当すること(基本はあなたがやるべきこと)
実際の貿易業務を照らし合わせて考えると、貿易業務には、次の物があります。