国際輸送コストには、基本運賃、港湾・空港費用、通関費用、追加費用などがあります。また、貨物の種類や目的地よって、最適な輸送方法は違います。
どの輸送方法を選べばよいのでしょうか?
この記事では、それぞれの輸送方法における費用構成を比較し、コスト削減のための具体的な方法を紹介していきます。
輸送方法別コスト感の比較
国際輸送コストの基本的な仕組み
国際輸送費には、次の費用があります。
- 基本運賃:海上輸送の場合はコンテナ単位またはCBM単位、航空輸送の場合は重量または容積重量で算出されます。
- 港湾・空港費用:ターミナルチャージ、ドレージ費(コンテナの陸送費)、空港の貨物取扱費用など、輸送の経由地で発生する費用です。
- 通関費用:輸出入の際に必要な税関手数料、書類作成費用、通関代行手数料などが発生します。
- 追加費用:重量超過料金、特別検査費、危険物取扱費、ピークシーズン料金(PSS)など、状況によって発生する費用があります。
輸出者又は輸入者は、これらの費用の合計額を「輸送費」として支払うことになります。輸送コスト削減には、手配方法、梱包方法、依頼時期の工夫が重要です。
それでは、輸送手段ごとの削減方法を確認していきましょう!
FCL(コンテナ貸切輸送)の費用と削減方法
FCLの料金は、コンテナ1本あたり○○円の定額制です。そのため、コンテナに積める量を増やすほど、貨物1個あたりの輸送費が下がるのが特徴です。
費用構成
- コンテナ運賃(燃料サーチャージ、ピークシーズン料金の影響あり)
- 港湾費用(荷役料、ターミナルチャージ、ドレージ費)
- 通関手数料(税関手続きにかかる費用)
コスト削減のポイント
- FCLはコンテナ1本単位の定額制のため、積めるだけ積んだほうがコストメリットが大きくなります。
- コンテナスペースを最大限活用し、積載率を向上させることで、1CBMあたりのコストを抑える。
- 最適なブッキングのタイミングを狙う。燃料サーチャージやピーク時の追加料金を考慮し、安い時期に予約する。
- 複数の仕向地を考慮し、一括手配を検討することで、全体のコストを削減
LCL(混載輸送)の費用と削減方法
LCL(Less than Container Load)は、コンテナスペースを他の荷主と共有するため、小口貨物向けの輸送方法です。CBM単位で料金が算出されるため、貨物量が多いとコストが割高になることがあります。
費用構成
- CBM単位の基本運賃(重量と体積で計算)
- コンテナデバン費用/CFSチャージ(仕分けや保管にかかるコスト)
- 港湾費用・通関費用(FCLと同様に発生)
コスト削減のポイント
- 一定以上の貨物量であれば、FCLを選択するほうがコストメリットが高い。
- 貨物の形状を最適化し、無駄なスペースを削減。CBM単価を抑える。
- 適切な混載フォワーダーを選ぶ。=自社混載を実現する業者に依頼
- フォワーダーごとに料金が異なるため、適切なサービスを選定する。
- 近い仕向地の貨物と統合することで、輸送コストを削減する。
- 到着時にコーロード費(アライバル)が請求される業者は避けるべき。
航空輸送の費用と削減方法
航空輸送はスピード重視の輸送方法であり、コストが最も高い。料金は重量(kg)または容積重量(縦×横×高さ÷6000または5000)の大きい方が適用されます。

一般的には、6000を採用します。
費用構成
- 航空運賃(重量料金または容積重量で計算)
- 空港ハンドリング費用(貨物の取り扱い・検査費)
- 危険物手数料(リチウム電池、化学物質などの場合に発生)
コスト削減のポイント
- 容積重量を抑える梱包設計を行い、無駄なスペースをなくす。
- Known Shipper制度を活用し、爆発物検査による追加コストを回避する。
- 定期便を利用し、スポット輸送を避けることで、価格変動の影響を受けにくくする。
貨物ごとの最適な輸送方法の選び方
- 大量輸送 → FCL(コンテナを満載し、1CBMあたりのコストを抑える)
- 小口輸送 → LCL(貨物量が少ない場合、FCLより割安)
- 高価な精密機器 → 航空輸送(破損リスクを回避し、安全かつ迅速に輸送)
- 納期に余裕がある場合 → 海上輸送を活用(コストを抑えながら輸送)
まとめ
- 輸送コストは基本運賃、港湾・空港費用、通関費用、追加費用の要素で構成
- FCLはコンテナを満載し、積載率を上げることでコスト削減ができる
- LCLでは、容積の増加を抑える工夫が重要
- LCLは、自社混載を実現できる集荷力の高いフォワーダーを選ぶ
- 航空輸送は容積重量を減らし、Known Shipper制度を活用する
- 貨物の種類や出荷頻度に応じた最適な輸送方法を選択する


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