×
貿易支援の申込・質問を希望する方はこちら
国際輸送の見積を希望する方はこちら
目次アイコン目次
×

目次

革製品の輸入ガイド:高関税の仕組みと安く輸入する方法

日本に輸入する際、製品の一部に革(革素材)が使われている場合、高い関税がかかります。革素材、革の完成品を輸入する方は、この高額な関税に留意が必要です。革製品は、以下2つの観点で考えます。

  1. 関税率は?
  2. 輸入規制されていない?

そこでこの記事では、革の輸入ビジネスを始めるにあたって、これだけは守っておきたいポイントについてご紹介していきます。

輸入手続き(輸入通関)の疑問と答えを徹底解説! 

>>記事の一覧はこちら

もっと見る

Generic selectors
Exact matches only
Search in title
Search in content
Post Type Selectors
"><font style="vertical-align: inherit

革の輸入

日常生活には、様々な革製品があります。

  • 革バッグ(ハンドバッグ、ショルダーバッグ、ポーチなど)
  • 革財布
  • 革靴
  • レザージャケット
  • 革ベルト
  • 革鞄(旅行鞄)
  • 革製品のアクセサリー(キーケース、カードケースなど)
  • 革製の仕事用靴

これらを輸入する際は、高い関税率と輸入規制に注意します。

  • 関税率=輸入時に支払うコストに関係
  • 輸入規制=そもそも輸入できるのか?に関係

こんなに高い関税率

同じ革製品でも商品、原産国などによって税率は異なります。消費税のように一律8%又は10%とは違います。その上で、一般的な革製品の関税率は、次の通りです。

  • 革バッグ関連、その他の革製品=10%~20%前後
  • 革靴=30%または一足4,300円のいずれか高い方

一般的な工業製品は数パーセントの関税率又は、関税がかからない物が多いです!

革製品の関税が高い理由? 輸入は、関税率との戦い。

革製品の関税率が高い理由は、こちらをご覧ください。

海外にて安い革製品を見つけても、日本に輸入する際の諸税(関税や消費税)を加えると、日本国内での販売価格と差がなくなることも多いです。革製品は、税制度を理解して適切に活用することで、価格競争力を確保できます。

なお、海外からは、様々な革製品が輸入されています。

海外から輸入される革製品の一例

牛革
  • アメリカ
  • 中国
  • イタリア
  • ドイツ
鹿革
  • タイ(シャム)
  • 台湾
パイソン革インドネシア
クロコダイル革
  • インドネシア
  • タイ
ブライドルレザーイギリス

ポイントは、商品の全てだけではなく、一部に革が使われているだけも関税率が高いです。

革製品の輸入 この3つを意識しよう。

革製品の輸入は、以下の4つを意識しましょう!

  1. 合成皮革であるのか、本革であるのか?
  2. どこの国から輸入する?
  3. 革の加工具合は?
  4. 養殖されている?

1.合成皮革と本革

合成皮革は、革に似せている物です。材質は、表面部分がポリウレタン、基布の部分がナイロンやポリウレタンなどで作られています。俗称的には「合皮」です。

一方、この合皮以外の革を「本革(本当の動物の革)」と言います。革製品にかかる高額な関税とは本革に関することです。

まず、本革?フェイク?を確認しましょう!

本革の場合は、何の革か?確認する

本革の場合は、何の革で作られているのか?を確認しましょう。可能なら、革として使っている動物の学名を調べると良いです。税関への輸入申告の際、確認される可能性が高く、後述の輸入規制と関係してきます。

動物の学名を調べるときは「動物名 学名」で検索しましょう!

2.原産国(どこの国で作られている?)

その革製品は、どこの国で生産されたか?

革製品の原産国は非常に重要です。理由は、原産国により、高い関税率がぐっと下がる可能性がある為です。

例えば、メキシコ製、タイ製、ベトナム製などEPA締約国の革製品であれば、本来よりも大幅に引き下げられた関税率が適用されます。また、著しく発展が遅れているLDCに指定されている国の革製品も関税の優遇制度があります。

詳細は、以下の記事を確認してください。

【特別特恵/LDC」無税で輸入できることが多い仕組みとは?

3.革の加工度合いは?

それは、製品、原皮?

革製品でもその加工具合は、様々です。


 

例えば、原皮なのか? すでに革のハンドバッグなどになっているのか?などです。この加工具合によっても関税率が変わります。

4.養殖物か?天然ものか?

その革製品は、養殖物なのか? 天然物なのか?

上記は、ワシントン条約と関係します。ワシントン条約の規制の対象は、天然ものの革製品です。養殖(繁殖)させた物は、規制の対象外です。(条件付き)

例:タイのクロコダイルの革など

まずは、以上4つを確認しましょう!

革製品の規制

革製品の主な輸入規制は、次の2つです。

  1. 家畜伝染病予防法
  2. ワシントン条約

1.家畜伝染病予防法

家畜伝染病予防法は、家畜の伝染性疾病の発生予防とまん延防止を通じて畜産業の振興を図ることを目的とする法律です。肉類、肉の加工品の他、牛革の原皮なども規制の対象です。

規制の対象例
  • 4101: 牛または馬類の原皮 家畜伝染病予防法
  • 4104: 牛または馬類のなめした革または クラスト革 規制なし

規制対象は原皮です。定義をしっかりと確認しましょう!

2.ワシントン条約

ワシントン条約とは、野生動植物の絶滅を防ぐ目的で制定されている国際的なルールです。ワシントン条約のことを別名「サイテス」とも言います。このサイテスには、絶滅危惧種に指定されている動物が具体的なリストで表示されています。このリストに表示されている動物は、商業目的での輸入は禁止されています。もちろん、この規制は動物そのものだけではなく、禁止されている動物の一部を使った商品も対象です。

ワシントン条約の詳細はこちら!

規制の対象例
  • 4202.21: 牛革製のハンドバッグ
  • 4202.31: 牛革製の財布、キーケース、カードケース、コインパースなど
  • クロコダイル Crocodylinae
  • ニシキヘビ Pythonida

規制対象の動物の皮を少しだけ使った製品も規制対象です。

革の輸入規制の調べ方

革製品の輸入規制は、実行関税率表で調べます。革製品のHSコード41類や42類前後をクリックした後、画面右端にある他法令を確認します。

  • WA=ワシントン条約
  • AN=家畜伝染病予防法

これ以外のコードは、他法令コード一覧に記載されています。

革製品の代表例と関税率(税金)

革製品の関税率は「ウェブタリフ」で調べます。

  • 41類
  • 42類
  • 64類

代表的な品目例と関税率、HSコード

製品タイプHSコード関税率
皮革製のハンドバッグ4202.21無税~8%
その他の皮革製の鞄4202.29無税~8%
革財布4202.31.200無税~10%
革ベルト4203.30-20012.5%

*調査日時点(2025年3月26日現在)の情報

アリババから輸入する場合の関税率例

中国製品は、RCEP(中国)の関税率が適用されます。品目によっては、引き下げの対象外になっている物があります。

RCEPを中国輸入やベトナム輸入で活用 メリットやデメリットも紹介!

製品タイプ関税率
革財布8.1%
革バッグ6.5%
革製の仕事用靴30%または
一足4,300円のいずれか高い方
革製のポーチ6%
革製のショルダーバッグ6.5%
革製の旅行鞄10%

*調査日時点(2025年3月26日現在)の情報

関税額の計算方法はこちら!

 

革製品を安く輸入するための方法

革製品の関税を安くする方法は、次の3つです。

  1. 関税割当制度(かんぜいわりあてせいど)
  2. EPA(経済連会協定)
  3. 特別特恵制度

1.関税割当制度とは?

関税割当とは、日本全体として一定の数量のみを低率の関税を適用して、一定以上の物は高率の関税を適用する仕組みです。なお、関税割当は、どの国の貨物でも減税される税です。もし、どの減税措置も適用されない国から革製品を輸入するときは、必ず関税割当を利用できないかを考えましょう!ちなみに、ウェブタリフ内の「共通の限度数量内の物」が関税割り当て品目です。

関税割り当てに関する説明はこちら!

関税割当 HUNADE

2.EPA(経済連携協定)を使う

革製品を輸入するきは「日本と自由貿易協定を結んでいる国」から仕入れられないかを考えます。

2025年2月現在
発効済(利用できる国)シンガポール、メキシコ、マレーシア、チリ、タイ、インドネシア、ブルネイ、ASEAN、フィリピン、スイス、ベトナム、インド、ペルー、オーストラリア、モンゴル、TPP12、TPP11日EU・EPA米国、英国、RCEP(韓国+中国+アセアン+オーストラリアなど)
交渉中トルコ、コロンビア、GCC、日中韓
その他(交渉中断等)カナダ、韓国

この協定が結ばれている国同士は、お互いが設定している関税を他国よりも特別に優遇して適用しています。この優遇する物の中には「革製品」も含まれます。

3.特別特恵制度を使う

最後にご紹介するのは「特別特恵制度」です。いわゆるLDC(後発発展途上国)といわれる国で生産された商品に対して適用される優遇制のことです。一般的によく聞く特恵税率とは異なるため混同しないようにします。

基本的に特別特恵制度を使うと、すべての産品の輸入が一定の条件をみたすことで、無税になります。この制度は、2番のEPAよりも優遇されているため、実は仕入れ先さえ確保ができれば、最も利用価値がある税制度となります。

特別特恵関税とは?

革靴の関税は安い!? 個人輸入の税率とEPAの関係

特恵制度による輸入実績例

革製品の輸入の内、特恵を適用した物の実績は、貿易統計で確認できます。

例えば、2020年1月における64類(革製品)の特恵を適用して輸入された実績は、次の通りです。この数値から、バングラデッシュ産とカンボジア産が非常に多く輸入されていることがわかります。よって、両国に革製品の有力なサプライヤーがいると考えられます。

HSコード輸入数量kg/月間輸入金額kg単価国名
6403.99-0164001504¥3,760エチオピア
6403.91-01136098789¥2,435カンボジア
6403.91-019134110062¥7,503
6403.91-0298686590¥7,592
6403.99-011598530192¥5,045
6403.99-01527471117957¥4,294
6403.99-0161190053820¥4,523
6403.99-021564829633¥5,247
6403.99-029151234579513¥3,832
6404.11-000753320346¥2,701
6404.19-29070337179920¥2,558
6405.20-00056006136¥1,096
6405.90-2009631756¥1,823
6404.19-29045234¥5,200ネパール
6403.59-1053711705¥4,596バングラデシュ
6403.91-01113994111¥2,939
6403.91-01911072533¥2,288
6403.99-01186216¥2,512
6403.99-01576659219559¥2,864
6403.99-0162609577383¥2,965
6403.99-0293570796635¥2,706
6404.19-29014084296¥3,051
6403.99-01122147984¥3,606ミャンマー
6403.99-0151353228834¥2,131
6403.99-016882033839¥3,837
6403.99-0299733515¥3,613
6404.19-29099782186376¥1,868
6405.20-0001606318297¥1,139
6403.91-0291331128215¥2,120ラオス
6403.99-02960349111851¥1,853

まとめ

革製品を輸入するビジネスを始めるときは「どのようにしたら関税を低くできるのか?」をしっかりと考える必要があります。まともに輸入していると、関税だけで競合ライバルに価格面で勝てなくなってしまうからです。ようは、税の仕組みをどれだけ活用して、競争相手より有利な立場に立てるのかがポイントなります。

革製品の関税率を低くする方法は、主に3つあります。関税割当制度を利用する。EPAを利用する。特別特恵を利用するです。これらのうち、いずれかの税制度を活用すれば、少なくても価格の部分で競合他社に引き離される可能性は小さくなります。

FavoriteLoadingこの記事をお気に入りに登録

転送サービス
輸入代行

 

 

輸出入と国際輸送の手引き

 

カテゴリ一覧
新着記事
日本のシリコンウエハーの輸出状況(HSコード、関税率含む)
輸出先を探すならココ!ITA(米国商務省)サイト活用ガイド
【中小企業向け】輸出管理の内部規定(CP)の基礎知識と重要性
日本から海外への輸送ルールと各国の輸入規制を確認する方法
輸出先国ごとの輸送規制一覧|発送NGの物品や注意点まとめ
記事を検索

>>記事の一覧はこちら

もっと見る

Generic selectors
Exact matches only
Search in title
Search in content
Post Type Selectors
"><font style="vertical-align: inherit
最新の見積もり状況
種別積み地揚げ地品目輸送モード
法人ルアンパバーン空港成田コーヒー生豆航空輸送
法人神戸アムステルダム調味料相談希望
個人上海アマゾン倉庫生活雑貨相談希望
法人ルアンパバーン空港成田コーヒー生豆航空輸送
法人神戸アムステルダム調味料相談希望
個人上海アマゾン倉庫生活雑貨相談希望

タイトルとURLをコピーしました
 
国際輸送の
お見積依頼受付中
相談・問い合わせ
はこちら!