海外からの輸入や輸出を行うとき、「FCL(コンテナ輸送)とLCL(混載輸送)のどちらを選ぶべきか?」と悩む方は少なくありません。この記事では、FCLとLCLの損益分岐点、貨物量や費用面、その他の要素をもとに、どちらの輸送方法が適しているのかを判断するための考え方とツールを紹介します。
FCLとLCLのどちらが得?損益分岐点と判断基準を徹底解説!
FCLとLCLの違いとは?
FCLとは、1本のコンテナを1荷主が丸ごと使う輸送方法です。一方で、LCLは複数の荷主が1つのコンテナを共有して輸送する方法です。
- FCL:一定以上の貨物量がある場合に適しており、貨物の安全性やスピードに優れる
- LCL:貨物が少ないときや、まずは少量だけ輸送したいときに便利です。
FCLとLCLの分岐点とは?
FCLとLCLの損益分岐点として、よく目安とされるのが「12立方メートル(m³)」です。この数値を超えるとFCLの方が有利になるケースが多いとされています。
ただし、これはあくまで目安であり、実際には以下を総合的に判断する必要があります。
FCLとLCLを判断するときのポイント
貨物の物量
貨物の容積を正確に把握することが第一歩です。
- 縦×横×高さ×個数で求められる容積を合計
- パレットに載せる場合はその分の容積も加味
輸送コストを抑えるには、パッキング効率も重要です。
ダメージリスク
FCLでは、1社分の貨物しか入らないため、他社の貨物による損傷や汚損リスクが少なく、輸送中のダメージが減ります。一方、LCLは混載である以上、貨物の積み替えや荷崩れのリスクが高くなります。

ダメージを防止するため、物量に関わらずLCLを選択する方は多いです。
引き取りの迅速性
FCLはコンテナ単位での引き渡しとなるため、通関後の引き取りもスムーズに行えます。混載の場合はコンテナからの仕分け作業(デバンニング)に時間がかかるため、早急な受け取りには不向きです。
現地でのCFSチャージとTHCの違い
LCL輸送では、現地側でのCFSチャージがm³単位で課金され、貨物量が多いとコストがかさみます。一方FCLではコンテナ単位でのTHC(荷役料)がかかります。
項目 | FCL | LCL |
---|---|---|
課金単位 | コンテナ1本 | 容積(m³)または重量単位 |
THC/CFS費用 | THC(固定) | CFS(物量に比例) |
リスク | 荷崩れリスクが低い | 混載によるダメージリスク有 |
12m³を基準に判断してしまうと、現地でのCFSチャージの増加によって、結果的にLCLの方が高くつくこともあります。そのため、物量だけでなく、現地費用まで考慮した上で判断することが重要です。

CFSチャージは非常に高いです。見極めを誤りLCLで運ぶとクレームにつながります。(輸入者からのクレーム)
判断を簡単にする無料ツール
hunade.comでは、FCLとLCLのどちらが適しているかを簡単に判断できるツールを公開しています。必要な情報は、以下の4点です。
- ダンボール1個の大きさ(縦×横×高さ)
- その貨物の個数
- パレット使用の有無
- 出荷予定地と到着地
計算結果として、FCLとLCLそれぞれの容積を比較でき、コスト比較の第一歩となります。
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まとめ
- FCLとLCLの分岐点は12m³が目安だが、それだけで判断しない
- ダメージ・引き取りスピード・現地費用も重要な判断材料
- LCLは物量に応じてCFS費用が加算されるため注意が必要
- 貨物の容積を正確に把握し、無料ツールを活用して判断しよう
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