日本に輸入できる肉の原産国は、一部の国に限られています。この国を「洗浄国」と言い、アメリカやヨーロッパ、オーストラリアなど、世界の中でも限られた国を指します。中国をはじめとした、その他の大部分は、この洗浄国から除外されています。
したがって、肉類を輸入するときは「禁止対象国に含まれていないか?」を確認することが大切です。どれだけ良い仕入れ先を見つけても、輸入禁止国であれば、全く意味がないからです。
この記事では、生肉の原産国として認めらている国かどうかを早見表でご紹介していきます。また、牛や豚、鶏以外のマニアックなお肉(ワニなど)の相場、原産国などを合わせて説明していきます。なお、ここで紹介する輸入禁止国は、ごく一部です。さらに詳しく知りたい場合は「農水省:輸入禁止国一覧」をご覧ください。
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ほとんどの国のお肉は輸入禁止
お肉の輸入を検討するときは、輸入禁止対象国に含まれていないかを確認する必要があります。いえ、むしろ「どこの国から輸入できるのか?」を考える方が早いです。それくらい、世界中の多くの国が、生肉の輸入禁止国に指定されています。仮に輸入が認められている国でも肉の種類によって、輸入禁止になっている物もあります。
下の図をご覧ください。左側にあるタイの行を見つけて、表の右側に視線を移動します。
「牛肉×、豚×、鶏肉〇」となっていますね? つまり、タイでも肉の種類によって、輸入禁止地域に指定されていないことがわかります。 【注:〇=輸入OK ×=輸入禁止 △=条件付き輸入】
対象国 | 牛肉 | 豚・いのしし | 鶏肉(鶏・あひる・七面鳥) |
ニュージーランド | 〇 | 〇 | 〇 |
アメリカ | 〇 | 〇 | 〇 |
シンガポール | △ | × | 〇 |
スペイン | 〇 | 〇 | 〇 |
台湾 | × | × | × |
タイ | × | × | 〇 |
フランス | 〇 | 〇 | × |
フィリピン | × | × | 〇 |
香港 | × | × | × |
モンゴル | × | × | × |
ロシア | × | × | × |
ドイツ | 〇 | 〇 | 〇 |
ブラジル | 〇 | △ | 〇 |
ベトナム | × | × | × |
中国 | × | × | × |
韓国 | × | × | × |
生肉禁止国の特徴からわかること
肉の輸入が認められている国を見ると、主にヨーロッパ、オセアニア、北米、南米の四地域であることがわかります。特にヨーロッパにおいては、ホルモン剤の投与禁止など、食品安全レベルが高い国が多いため、広く輸入が認められています。また、アメリカ、ブラジル、カナダなども「ホワイト国」に指定されているため、多くの肉が輸入されています。
なぜ、禁止肉が入っているの?
これは、法律上の定義によるものです。実は、洗浄国の指定を受けている物は「生肉」についてです。つまり、それ以外の「加工肉」等は規制から除外されるのです。