【特別特恵/LDC」ほぼ無税で輸入ができる仕組みとは?

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日本へ商品を輸入するときは、商品に応じた関税(税金)を支払います。関税は、「関税率表」に従って細かく決められており、商品によっては高い税率が設定されています。そのため、輸入者は、この関税をできるだけ少なくする方法を学ぶ必要があります。

とはいえ、本来よりも低い金額をインボイスに記載して、支払う税額を少なくする「アンダーバリュー」ではありません。すべて関税法に基づく合法的な方法です。その方法が次の2つです。

  1. EPA(経済連携協定)
  2. 特別特恵国関税制度

今回は、2番の特別特恵国を適用した関税の削減方法についてご紹介していきます。

特別特恵からの無税輸入

日本へ商品を輸入するときは、商品ごとに決められている関税を支払います。一般的に農産品に近い物であればあるほど、高い関税率になっている場合が多いです。逆に、工業製品など、加工度合が高くなるにつれて関税は、低率または無税が設定されています。これを別の面からとらえると、関税が高い物=競争力がない、関税が低い物=競争力があるとも言えます。

このような基本的なルールの中でも、いくつかの商品については、特別な「思惑」によって、きわめて高い関税が設定されている物があります。その代表的な物が「革製品」です。なぜ、これが高いのかという理由については諸説あります。しかし、この部分には、当サイトではあえて触れないようにしています。もし、気になる方は「グーグル検索」などで調べるようにしてください。では、この革の関税は、どれほどかかるものなのでしょうか。

30% または 4300円/足のうちいずれか高い税率(WTOに加盟している国で作られた物)

おそらく、この表記を見られてもよくわからない方が多いと思いますので、簡単に説明をします。まず、これには2つの条件が書かれていることがわかります。「1.30%か4300円/足」、「2.いずれか高い税率」です。これは具体例で考えると理解しやすいです。

革靴(左右=2足)の価格が20,000円だとします。この場合、30%の関税であれば、6000円です。もう一方の4300円/足を考えると、4300円ですね。つまり、30%のときの関税額(6000円)と4300円/足の関税額を比べて、高い方の関税を適用するとのことですから、今回の革靴に関しては、6000円の関税を支払います。

革靴の関税は、何が決め手になる!? 安く輸入するには?

高額な関税がかかるのを合法的に回避する方法

先ほどの説明によって、革に関する製品は特に高い関税がかかることがお分かりいただけたはずです。そのほか、落花生、こんにゃくなども同じように高い関税が設定されています。このような高額な関税がかけられている物には、政治的な背景がたくさんあります。気になる方は、グーグル検索で調べてください。

日本の農産物の価格は、本当に高いの? 撤廃するべき? 各国が設定している農産物の関税との比較

私たち輸入者は、国によって決められている関税を「どのようにしたら回避できるのか」をもう少し真剣に考えなければなりません。なぜなら、できる人や成功している人ほど、このような制度を熟知しているため、あなたが30%の税金を払う傍ら、無税で輸入していることが多いです。

つまり、日本の港時点での価格で30%もの差があることになります。これでは、どのような工夫をしたとしても、価格競争上、不利になることは間違いないです。「知識の差」が商売上の差となって現れてしまうのです。では、どのようにすれば、このような高額な関税を回避できるのでしょうか。いくつかの方法がありますが、今回は「特別特恵国」からの輸入をご紹介します。

特別特恵国からの関税無税輸入

皆さんは、特恵国(とっけいこく)や特別特恵国(とくべつとっけいこく)という言葉を聞かれたことはありますか? これらの国は、日本よりも経済発展が遅れています。そのため、日本は、この発展を手助けするために、これらの国で生産された商品について本来の関税率よりも低い率を適用するようにしています。一般的に特恵国の商品には、通常よりも低率の関税、特別特恵国の商品は、それよりもさらに低い無税の場合が多いです。

例:商品の関税率が10%の場合

一般の国 特恵国 特別特恵国
10% 5%(本来の関税率よりも減額) 0%(無税)

特恵国と特別特恵国の違いは、特恵国は「経済発展が遅れている国」、特別特恵は「経済発展が著しく遅れている国」となります。ようは、特別特恵国の経済発展が最も優先されるべきことであるため、原則的に関税無税で輸入ができるようにしているのです。ちなみに、特別特恵国のことを別名「LDC」とも言います。では、この国は、具体的にはどこになるのでしょうか。LDCに該当する定義と国をご紹介します。

後発開発途上国=特別特恵受益国=LDCとは?

経済発展が著しく遅れているため、その発展を促すために、これらの国の製品には、原則、無税で輸入できるようにしています。もちろん、原則的にですから、無税とならない貨物もあります。しかし、かなり広い分野で関税無税の恩恵が受けられることは間違いないです。しかも、EPA(経済連携協定)を利用するときに必要になる「特定原産地証明書等」も不要です。特別特恵の産品であることを確認できるだけで無条件に無税になります。

後発開発途上国(LDC)に指定されている条件

LDCの条件は、外務省のホームページに以下のように記載されています。

 以下3つの基準を満たした国がLDCと認定される。ただし、当該国の同意が前提となる。

(1)一人あたりGNI(2008-2010年平均):992米ドル以下

(2)HAI(Human Assets Index):人的資源開発の程度を表すためにCDPが設定した指標で、栄養不足人口の割合、5歳以下乳幼児死亡率、中等教育就学率、成人識字率を指標化したもの。

(3)EVI(Economic Vulnerability Index):外的ショックからの経済的脆弱性を表すためにCDPが設定した指標。

引用元:外務省

該当する国は、2017年現在、以下の49か国です。

  • アフリカ(34):   アンゴラ、ベナン、ブルキナファソ、ブルンジ、中央アフリカ、
    チャド、コモロ、コンゴ民主共和国、ジブチ、赤道ギニア、
    エリトリア、エチオピア、ガンビア、ギニア、ギニアビサウ、レソト、
    リベリア、マダガスカル、マラウイ、マリ、モーリタニア、
    モザンビーク、ニジェール、ルワンダ、サントメ・プリンシペ、
    セネガル、シエラレオネ、ソマリア、南スーダン、スーダン、トーゴ、ウガンダ、
    タンザニア、ザンビア
  • アジア(9) :   アフガニスタン、バングラデシュ、ブータン、カンボジア、ラオス、
    ミャンマー、ネパール、イエメン、東ティモール
  • 大洋州(5) :   キリバス、サモア、ソロモン諸島、ツバル、バヌアツ
  • 中南米(1) :   ハイチ

引用元:外務省

国名を見ても位置関係がよくわからないと思いましたので、地図上に表示をしてみました。アジアでは人口が爆発的に増えているバングラデッシュなどが入っていますので要注目です。そういえば、アパレルメーカーがバングラデッシュに縫製工場を移動している理由もよくわかりますよね。

輸入したい商品を特別特恵国から探してみましょう!

日本には、さまざまな理由から他の商品よりも異常に高い関税率を設定している物があります。それらの商品は、特別特恵国の産品であると、関税無税で輸入できる場合が多いです。そのため、もし、関税が高い商品を扱っている場合は、それが特別特恵国から調達できないのかを調べてみましょう。もし、特別特恵国で作られた商品を手に入れることができれば、日本での関税制度上、大きなメリットを受けられます。

では、最後に特別特恵が適用される商品かどうかを調べる方法をご紹介します。ウェブタリフか税関の実行関税率表のページに移動します。ここでは、ウェブタリフの説明をします。

左側に商品が並んでいますね。右側に視線を移動すると「特別特恵の欄」があります。ここに無税と書かれている物が対象になります。ただし、無税と書かれていない場合も、無税になることがあります。それは「階層」が関係します。しかし、話がややこしくなるため、ここでは、無税と書かれている=無税で輸入ができると覚えておきましょう。

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関連記事:輸出と輸入でEPA(自由貿易)を活用するときの流れ

特別特恵関税の除外品目は?

特別特恵を使うと、基本的にほとんどの貨物は無税扱いです。しかし、一部の産品については、特別特恵ですら除外されています。

特別特恵の除外品目:関税暫定措置法(第八条の二及び三)

まとめ

昔からの慣習によって、理解できないほど高い関税率が設定されている物があります。これは、さまざまな政治的背景や利権が関係するため、仕方がないことです。しかし、この高関税を合法的に免れるように輸入する方法はいくつか存在します。今回お伝えした特別特恵国からの輸入は、その中の一つです。あなたの輸入ビジネスでも、LDCからの関税無税輸入を検討してみてください。

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