タイに来たことがある人なら、屋台や市場で見かけたことがあるのではないでしょうか?今回はこれもタイの定番商品、グレー商品に迫ります。
タイのグレー商品は、パロディのTシャツものが多い。
タイには魅力的な商品以外にも偽物商品、さらにはグレー商品も氾濫しています。グレー商品とは有名ブランド品を模倣したもので、そのブランドや商品、人物などを想起させる、いわゆるパロディ化した商品であります。これはTシャツにもっとも多く、偽物商品と同じくかなり以前からタイでは売られていました。
単純にバカバカしく笑えるものもあれば、意味がわからないもの、強引にやりすぎて不発のものなどいろいろです。一方で売れるものはかなり売れています。チャトチャック市場の至る所で見かけるタイの定番商品で、B級のお土産としても人気があります。
有名スポーツブランド品が格好の餌食にされる。
グレー商品の中でも、特に多いのがスポーツブランドなどの模倣ではないでしょうか。特にNIKEやPUMAのパロディ化はよく目にします。
昔、パロディ商品を知らなくて屋台のおじさんに“このTUNAは何?”と尋ねたら、“ああ、それはPUMAだ”と笑われました。よく見るとPUMAのロゴを真似ており、それが魚のツナになっているのだとわかりました。TUNAの次には寝返っているKOMAが出て来て(これは失敗作?)、その次には何かよくわからないものに変わっていました。
他にも有名カフェのロゴを模倣した物や、カーネルが中指を立てながらお尻を掻いているFCKなどもあります。ネットで売られているパロディTシャツを見ると、だいたいがタイからのもので、それに手を加えてさらにパロディ化したものが売られています。
このダサさに笑えた。しかもなぜか売れた。
私が結構好きなものはこんな感じです。adidasのロゴをパロディ化したものだと思います。1つ目が3匹の鯵がロゴになった「ajides」。2つ目は、ロゴが手の形になっている
「adios」(スペイン語でさようならの意)。
これを見たときはあまりのバカバカしさに笑え、これは売れる!と踏んでお客さんにその場で画像を送りました。“最高!”という返事が来て買いました。こういう笑えるものはいいのですが、中には笑えない題材(自然災害など)をあえてパロディ化したりするので、タイ人にはもう少しその辺の感覚を磨いて欲しいと思います。
タイのバンドTシャツはライセンス契約しているの?
パロディではないけれど、これもグレー商品だと言われています。いわゆるバンドTシャツです。音楽関係はそれこそローリングストーンズをはじめ、ありとあらゆる有名バンドのTシャツが豊富に揃っています。これは偽物なのですが、日本では通関するのです。
なぜか?税関がライセンス契約している製作ブランドを知らない、もしくは契約しているブランドからの申告がないからです。タイには、はっきり言って正規にライセンス契約しているお店はないでしょう。それでも通関してしまうのは、本物かどうかの判断、そしてどこに問い合わせていいのかわからないからだと思います。
adidasの偽物商品ならadidasに問い合わせればわかりますが、海外の契約しているブランドに問い合わせは出来ませんから、結局はグレーのままで通関してしまうのです。しかしながら、同じ宛先で何度もタイからバンドTを送っていると没収されるケースが増えています。これはパロディTシャツも同様です。“疑わしきは罰する”ようになってきているのでしょう。
悪いという気持ちはあるけれど、売れるという気持ちが勝る。
著作権、肖像権、商標権に関してはタイ人もそれなりに知ってはいるでしょう。それなら、なぜこんなにも偽物やグレー商品が多いのか?一つは、売れるからです。二つ目は、タイ人の性格“マイペンライ”だからではないでしょうか。
売れるからと言って、偽物を作って売るのは犯罪だから普通の感覚ならしないはずです。しかし“気にしない”“売れるならいい”のようなスコーンと抜けたマイペンライに通じる心情なら、悪いことだと思う気持ちが少なくなっているのでしょう。
こんな感覚だから、警察に取り締まられて罰金を払っても再び製作するのです。そしてまた取り締まりにあう。この繰り返しです。“いけないとわかっていても売れるから作る”。この根っこの部分が変わらない限り、新しい偽物やグレー商品は登場し続けます。
出店条件が厳しくなっていて、撤退しているお店も増えている。
昔はそれこそやりたい放題だったグレー商品のお店ですが、完全撤退しているお店が多くなってきています。聞くと“罰金の額が増えたから”や“このビルのオーナーから禁止と言われた”からです。その逆に、オーナーの言うことを無視して偽物を製作販売し続けていたお店はいつしか消えていました。
また出店する際にどのような商品を販売するかの面接が厳しくなっているそうで、場所によっては偽物やグレー商品の出店が出来なくなっています。そう言われれば、チャトチャック市場のある一角にあった偽物店はある時からごっそりなくなって、マッサージ店になっていました。市場でも浄化が行われているのではないでしょうか。
サッカーユニにも、グレー商品は存在する。ユニは没収された。
なんとサッカーユニにもグレー商品があるのです。これはメーカーマークを取り除いて、クラブロゴや代表ロゴのみにしたグレードBと言われるユニフォーム。“ノーブランド品”です。これもネットで見ますので通関しているのでしょう。
このノーブランドユニの場合、メーカーマークがないので、メーカーに問い合わせることが出来ません。また海外のクラブチームにわざわざ尋ねることはないでしょう。そんなことで通関しています。
しかしながら、あるユニフォームが税関で没収されたと聞きました。そのときは胸のスポンサーが日本の企業に変わったユニでした。その企業に問い合わせたのでしょうか?こういう前例が出来ると、いくらノーブランド品と言えども没収される割合は高くなっていくかと思われます。
税関の判断が厳しくなっている。もはや、通関しないのが当たり前!?
グレー商品に関しては、本来は没収されても仕方ない商品です。それが税関の係官によって判断が違ってくるのではないでしょうか。今まではスムーズに通関していたのに、今回は税関で3日も止まっている。税関からまだ連絡はないけど、この場合かなり厳しくチェックされていると言えるでしょう。
その後も税関で止まるケースが増え、ついにはあるパロディものが没収された。試しに次も没収された同じものを送ると、税関から没収と警告の電話があった。さらには、別のパロディものも没収された。こんなケースが増えているようです。
グレー商品に対して税関の目が一段と厳しくなってきており、パロディものは昔のように通関するのではなく、通関しないのが当たり前になってしまうかもしれません。
まとめ
- 有名なものを模倣し、そのブランドを想起させるものはグレー商品と呼ばれている。
- グレー商品の中では、パロディTシャツが一番多い。ベストセラー作もある。
- タイのバンドTシャツやノーブランドのサッカーユニは、正しく言えば偽物。
- 売れるからつくる。しかし、タイでもグレー商品への規制が厳しくなっている。
- 税関でのグレー商品の取り締まりが厳しくなり、通関しないケースが増えている。