【輸入】保税蔵置場のメリット、消費税の恩恵とは!?

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    貿易ビジネス、特に輸入ビジネスをすると、在庫の保管方法に悩みます。ある一定以下の物量であれば、自社の倉庫保管でも十分でしょう。しかし、FCLやLCL単位で貨物を取り扱うようになると、いよいよ倉庫保管の問題に直面します。

    輸入品の貨物を保管する場合、一般的には、輸入許可後に、倉庫に入れることをイメージします。しかし、実は倉庫保管には、もう一つ別の方法があります。それが「保税蔵置場」です。輸入許可の貨物を保管できる倉庫です。

    そこで、この記事では、保税蔵置場の基本的な知識、保税蔵置場を活用するメリットやビジネスモデル等をご紹介していきます!

    保税蔵置場のメリットを理解しビジネスを加速

    そもそも保税とは?

    「保税」とは、”保” ”税” との文字通り、日本国内であっても、外国貨物の保管ができる特別な地域です。

    例えば、空港の出国ゲート後、サーキット、国際展示場などです。これらの地区内では、「税」に関して特別な仕組みがあります。今回、ご紹介する保税蔵置場(読み方:ほぜいぞうちじょう)もその一つです。

    関税法に規定する5つの特別地域

    関税法には、保税地域として、次の5つがあります。保税蔵置場と保税地域、保税工場との違いは次の通りです。今回は、上から二番目の「保税蔵置場」について詳しくご紹介していきます。なお、保税蔵置場の事を「保税倉庫」とも言います。=意味は同じです。

    エリア具体例保管
    指定保税地域コンテナヤード一カ月
    保税蔵置場一般倉庫2年
    保税工場造船所など2年
    保税展示場サーキット場税関長が認める期間
    総合保税地域国際空港2年

    保税蔵置場とは?

    保税蔵置場は、関税法43条に次のように規定されています。

    第四十二条 保税蔵置場とは、外国貨物の積卸し若しくは運搬をし、又はこれを置くことができる場所として、政令で定めるところにより、税関長が許可したものをいう。

    引用元:E-GOV

    上記の条文のポイントは、「外国貨物」を保管できる点です。一般的には、日本国内で外国貨物の保管はできません。外国貨物は「輸入許可をもって内国貨物に切り替わる」と決められているため、輸入許可を受けていない貨物(外国貨物)の保管は一切不可です。

    しかし、この原則に特例を与えるのが「保税地区」、今回でいうと「保税蔵置場」です。保税蔵置場は、輸入許可を受ける前の貨物=外国貨物を保管できる点が最大のメリットです。

    では、その他の外国貨物のまま保管できるメリットを確認していきましょう。

    保税蔵置場のメリットやできること

    ここで今一度、状況を確認しておきます。

    • あなたは、輸入者です。
    • 今、航空機や飛行機であなたの貨物を届きました。
    • 輸入許可を受ける前に保税蔵置場に保管しました。

    上記、状況下における、あなたのメリットは、次の通りです。

    1. 関税や消費税がかからない。
    2. 販売状況に応じて輸入数を調整できる。
    3. 保税転売が可能
    4. 外国貨物のままシール貼りやラベル貼り等、点検等ができる(届け出)
    5. 返品ができる。(積戻し)
    6. 倉庫代金を圧縮できる。

    1.関税や消費税がかからない。

    関税や消費税は、保税地域から貨物を引き取るときに支払います。そのため、許可前で蔵置している時点では、関税等がかからず、資金の流動性が高まります。

    2.販売状況に応じて輸入数を調整できる。

    例えば、ワイン等の輸入販売をしている場合、港近くの保税蔵置場で保管をし、日本国内の売れ行き状況に応じて輸入許可を取得することで過大な在庫をかかえないように調整ができます。

    販売数が芳しくない物に対して、無駄に輸入許可を取得すると、その分だけ税金がかかり、キャッシュフローが悪くなりますね!これを防止するために、保税蔵置場を「在庫の調整弁」として活用しています。もちろん、これは、ワイン以外でも適用可能です。

    3.保税転売が可能

    保税転売とは、保税状態の貨物を第三者に転売することです。

    例えば、Aさんが荷物を日本の保税地区まで輸送したとしましょう。まだ輸入許可を取得していないため「保税」状態です。この状態で、AさんはBさんに商品を売却しました。そして、Bさんは、保税蔵置場を管轄する税関に輸入申告をして貨物を引き取ります。

    これでAさんは、貨物を輸入するときの関税や消費税等を支払わずに、Bさんに売却ができます。Bさんは自らが「輸入者」となり、税関に申告をし関税等の納税を済ませて貨物を引き取ります。これが保税転売です。

    4.外国貨物のままシール貼りやラベル貼り等、点検等ができる

    保税蔵置場に保管されている貨物は、届け出をし、台帳に記帳することにより、貨物の内容点検(良品や不良品のチェック)、包装紙のリパック、シールやラベル等の貼り替えができます。簡単な加工をする場合は、税関長の許可が必要です。

    例えば、食品表示法に対応するために、保税蔵置上内で、日本語の成分表シールを貼り付ける作業、不良品を選別し、輸入許可前に滅却手続き(積戻し)をするときなどに活用ができます。

    5.返品ができる。(積戻し)

    保税蔵置場で不良品を発見した場合は、積戻しや滅却処理等ができるため、不良品などに対する関税や消費税の支払いを防止できます。

    例えば、10個を輸入したとしましょう。輸入許可を受けると、1個辺り100円の関税と消費税が発生します。このとき、仮に輸入した10個の中に3個の不良品が混じっていた場合は、この不良品に対しても100円の関税・消費税を支払っていることなりますね!これを防止する役割があります。

    6.倉庫代金を圧縮できる

    圧縮には、次の2つの意味があります。

    • 保税蔵置場の代金には消費税は課税されない。
    • 許可後の倉庫代金には、消費税が課税される。

    すでに説明した通り、外国貨物は、輸入許可により内国貨物に切り替わります。消費税は、内国貨物に対して課税されるため、保税に入れている限りは課税されません。逆にいうと、許可後に倉庫で保管する場合は、消費税が課税されます。

    以上6つが保税蔵置場を利用するメリットです。

    保税蔵置場の「許可と承認」を正しく理解

    では、実際に保税蔵置場を使うには、どうすればいいのか?を確認していきましょう。まず、保税蔵置場関連の情報を探すときに間違えやすいことがあります。それが次の2つです。

    1. 許可は保税蔵置場を取得すること
    2. 承認は、保税蔵置場に貨物を保管することを認めてもらうこと

    保税蔵置場の「許可」とは、保税蔵置場その物を作るときの手続きです。一方、許可を受けている保税蔵置場を使う人は「承認」と呼ばれる手続きが必要です(三か月以内は不要)

    保税蔵置場の許可を取得する場合は、専門の行政書士に相談をしましょう。許可を受けている保税蔵置場を「使いたい方」は、通関業者に「OLT(保税運送)」等の手続きをしてもらいましょう!

    保税蔵置場の保管期間(蔵置できる期間)

    保税蔵置場は、次の2つの使い分けがあります。

    1. 一時蔵置:3か月以内
    2. 長期蔵置:2年以内

    保税蔵置場の使用が3カ月以内の場合は、税関長への手続きは不要です。3カ月を超える場合は、税関長から「承認(関税法第43条の3第1項)」を受けます。この場合も通関業者に依頼します。

    以上が保税蔵置場の仕組みと基本的な知識、メリットです。最後までご覧いただきありがとうございました。

    よくある疑問

    保税蔵置場の一覧は?

    保税蔵置場の指定を受けている施設は、こちらのリストにあります。

    保税蔵置場の料金は?

    例えば、JALカーゴには、次の料金が提示されています。他は、ほとんど公開されていないようです。

    保管料に消費税はかかるの?

    保税蔵置場に保管している場合は、外国貨物につき消費税は不課税です。

    賃貸等への貸し出しは?

    関税法上、賃貸は可能です。検索サイトなどで「保税倉庫」等で検索すれば、すぐにヒットします。

    • 浜松委托托運送株式会社
    • 株式会社 メーワ
    • KOIKE

    違反事例は?

    保税蔵置場の違反事例の中に、保税蔵置場を「賃貸」していたにも関わらず「減坪」の届出をしていなかった事例があります。

    ボ税蔵置上の貨物が亡失した場合は?

    保税蔵置場で保管する貨物が滅失(亡失)した場合は、直ちに関税を徴収されます。(関税法45条)

    まとめ

    • 在庫を抱える輸入ビジネスは、保管方法にもポイントあり!
    • 輸入品=必ず輸入許可を受けるものとは考えないこと。
    • 輸入許可を受ける前の貨物も保管ができる=保税
    • 保税蔵置場をうまく使いキャッシュフローの改善等をしよう
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