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目次

  1. 日本の貿易港の特徴
        1. 令和二年、外国船の入港隻数 TOP5
        2. 令和二年、開港別貿易額 TOP5
        3. 2020年版・港湾別貿易額ランキング TOP5
    1. 主要な港と地方の港の違いをご紹介
      1. 1.多様な選択肢
      2. 2.許可、搬入までの迅速さ
      3. 3.ドレージ・国内輸送の手配
      4. 4.競争原理やしがらみ
      5. 5.BCP
      6. 6.細かな対応ができる
    2. 日本海側の国際コンテナターミナの補助金
      1. 1.下関港
        1. 下関港の特徴:航空輸送に匹敵する通関体制
        2. 関釜フェリー(かんぷ)/フェリー船
        3. 長錦商船 (SINOKOR)/コンテナ船
        4. パンスター/RORO船
        5. 蘇州下関フェリー RORO船
        6. 下関港の補助金
      2. 2.敦賀港・コンテナターミナル
        1. 敦賀港の主な特徴
        2. 2021年3月現在の敦賀港の定期航路一覧(roro船等)
        3. 敦賀港の助成金(輸出入促進)
      3. 3.金沢港の定期航路
        1. 韓国コンテナ(釜山行直行サービス)
        2. 韓国RORO船(週二便)
        3. 中国コンテナ航路(週1便)
        4. 韓国経由の中国行き路線
        5. 金沢港の補助金
      4. 4.富山港(新湊地区・伏木地区)コンテナターミナル
        1. 富山港の定期航路
        2. 富山港の助成金
          1. 1.富山港の活用助成金
          2. 2.シベリア鉄道を利用した輸出入
          3. 3.小口混載貨物のコンテナ利用補助金
      5. 5.京都・舞鶴港 コンテナターミナル
        1. 舞鶴・中国路線(大連、青島、上海)
        2. 舞鶴・韓国路線(釜山)
        3. 舞鶴・韓国路線2(釜山)
        4. 舞鶴・韓国/ロシア線
        5. 舞鶴・北海道フェリー
      6. 6.石狩港・コンテナターミナル
        1. 韓国航路(釜山行)
        2. 中国・韓国航路(釜山、光陽など)
    3. まとめ

【日本の貿易港の特徴】主要港と地方港 選ぶポイントと特徴、補助金等



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海外へ輸出入をするときは、日本のどこの港(空港)を使えば良いのか迷います。

例えば、東京、大阪、名古屋等の都市圏を所在地とする会社は、それぞれのメジャーポートを利用すすればいいでしょう。一方、上記の都市圏に含まない場合は、どこの港を使えばいいのか迷います。(例:長野など)

また、上記の都市圏内に含まれていても、その中に複数の港があると、これもまた迷います。

例:名古屋(主要港)、四日市、豊橋(三河)などの関係

そこで、この記事では、主要港と地方港の違い、日本海側の港の補助金、特徴をご紹介していきます。

  1. 日本の貿易港の特徴
        1. 令和二年、外国船の入港隻数 TOP5
        2. 令和二年、開港別貿易額 TOP5
        3. 2020年版・港湾別貿易額ランキング TOP5
    1. 主要な港と地方の港の違いをご紹介
      1. 1.多様な選択肢
      2. 2.許可、搬入までの迅速さ
      3. 3.ドレージ・国内輸送の手配
      4. 4.競争原理やしがらみ
      5. 5.BCP
      6. 6.細かな対応ができる
    2. 日本海側の国際コンテナターミナの補助金
      1. 1.下関港
        1. 下関港の特徴:航空輸送に匹敵する通関体制
        2. 関釜フェリー(かんぷ)/フェリー船
        3. 長錦商船 (SINOKOR)/コンテナ船
        4. パンスター/RORO船
        5. 蘇州下関フェリー RORO船
        6. 下関港の補助金
      2. 2.敦賀港・コンテナターミナル
        1. 敦賀港の主な特徴
        2. 2021年3月現在の敦賀港の定期航路一覧(roro船等)
        3. 敦賀港の助成金(輸出入促進)
      3. 3.金沢港の定期航路
        1. 韓国コンテナ(釜山行直行サービス)
        2. 韓国RORO船(週二便)
        3. 中国コンテナ航路(週1便)
        4. 韓国経由の中国行き路線
        5. 金沢港の補助金
      4. 4.富山港(新湊地区・伏木地区)コンテナターミナル
        1. 富山港の定期航路
        2. 富山港の助成金
          1. 1.富山港の活用助成金
          2. 2.シベリア鉄道を利用した輸出入
          3. 3.小口混載貨物のコンテナ利用補助金
      5. 5.京都・舞鶴港 コンテナターミナル
        1. 舞鶴・中国路線(大連、青島、上海)
        2. 舞鶴・韓国路線(釜山)
        3. 舞鶴・韓国路線2(釜山)
        4. 舞鶴・韓国/ロシア線
        5. 舞鶴・北海道フェリー
      6. 6.石狩港・コンテナターミナル
        1. 韓国航路(釜山行)
        2. 中国・韓国航路(釜山、光陽など)
    3. まとめ

日本の貿易港の特徴

まずは、用語を整理します。この記事の主要港と地方港は、次の通りです。

  • 主要港=東京、横浜、名古屋、大阪、神戸等
  • 地方港=上記以外の港×比較的、規模が小さな港

言い方を変えると、都会近郊の巨大な港と、田舎(中規模の地方都市)近郊の港です。当サイトは、神戸税関国土交通省が発表する外国船の入港隻数と貿易ランキングを基準にしています。

  • ランキングの上位=主要港
  • 上位以外=地方港
令和二年、外国船の入港隻数 TOP5
港名入港隻数
1.横浜7346
2.名古屋6994
3.神戸6175
4.東京4942
5.大阪4736

ランキングの続きは…

  • 博多は、8位の2924
  • 下関は、10位の2456
  • 門司は、11位の2305
  • 苫小牧は、22位の1015
  • 那覇は、32位の540
  • 金沢は、35位の513
  • 鹿児島は、47位の396
  • 最下位の港は、6

少その地方の最も大きな都市の港でも、全国ランキングでは、中又は下位です。もちろん、この差は、開港別の貿易額ランキング等にも顕著に表れています。

データ元:神戸税関

令和二年、開港別貿易額 TOP5
輸出(単位:億)輸入(単位:億)
名古屋104138成田127436
成田101589東京109859
横浜58200大阪45149
東京52332名古屋43160
関西空港49899横浜40559
2020年版・港湾別貿易額ランキング TOP5
港名貿易額(億円)
京浜/東京162190
名古屋147297
京浜./横浜98659
阪神/大阪83237
阪神/神戸79035
博多38057

主要港と地方港の差は、非常に大きいです。では、この差は、港の特徴としてどのように表れているのかをご紹介していきます。今、港選びに迷っている方は、ぜひ、参考にしてください!

主要な港と地方の港の違いをご紹介

  1. 多様な選択肢の有無
  2. 輸出入許可、搬入の迅速性
  3. ドレージなどの関連輸送の枠
  4. 田舎特有のしがらみ
  5. BCP
  6. 細かな対応の有無

1.多様な選択肢

主要な港は、いわゆるメガキャリアと呼ばれる大きな母船が寄港します。一方、地方港は、そのメガキャリアが極めて少ないです。この違いは、国際輸送の選択肢の広さとして表れます。

例えば、携帯電話の会社が3社だけの方が良いのか? それとも10社の方が良いのか? 当然、10社ですね!競争の原理が働くからです。寡占状態になるほど、価格やサービスは、固定化される可能性が高いです。まさにお山の大将のような商売がまかり通ります。これが地方港です。

他方、主要港は、いくつもの船社が入港するため、多様な輸送サービスから自社に最適な物を選べます。貨物量、航路数は、主要港と地方港は、圧倒的な格差があります。

2.許可、搬入までの迅速さ

地方港は、比較的、取り扱い件数が少ないため、税関やその他の関連機関(食品検疫所)などにも余裕があります。一方、主要港は、次から次に申告されるため、職員も多忙です。また、税関手続き等の違いの他、貨物の搬入速度も変わります。

  • 主要港=地方港と比べて、書類審査に時間がかかる。搬入も遅め。
  • 地方港=上記とは逆

例えば、超急ぎの貨物を東京に運びたいときは、あえて門司等で陸揚げし、輸入申告。許可後、デバンオントラックで東京に直送することもあります。

3.ドレージ・国内輸送の手配

上記と同じく主要港は、貨物量が多いため、国内輸送手段の枠も一杯になりやすいです。他方、地方港は、輸入許可後の輸送手段の確保もしやすいです。

某通関士の情報によると、東京五輪が始まる前の東京港周辺では、日本側のドレーの予約をした後、中国側の工場に製造を発注する状況だったとも聞いています。笑ってしまいますが、事実です。

4.競争原理やしがらみ

これは、田舎、都会、業種等に関わらず、どこにでもあります。しかし、港のしがらみは、一般の物より少し強烈です。

例えば、東京周辺のある港は、未だ「あっち系」の会社が幅を利かせていると聞きます。少しでも逆らえば、ドレー等を全て抑えられてしまい、全く商売ができなくなるようです。独占禁止法に定める優越的地位の乱用等が平気で行われています。それが今もなお、進行形なのです。

東京周辺でもこのようなしがらみがあるため、田舎の港は、さらに「濃いしがらみ」があると考えた方がいいでしょう。それが何かはわかりません。でも確実にあります。その港を仕切る「ボス的な会社」から嫌われれば、その地で商売をするのは難しいです。

田舎の場合は、横のつながりが強いです。よく言えば、調和や連携体制が取れている。悪く言えば、旧態依然の鎖国社会です。目の前にあるボールが黒でも、誰かが「白」といえば、白になる、そんな世界です。

既述の通り、地方の港は、出入りする船が限られているため、輸送の選択肢が狭くなりがちです。かつ、この不利な状況に加えて、何らかの「しがらみ社会」があると考えた方が良いです。

5.BCP

災害と事業の継続性の観点でも比較ができます。いわゆる主要港は、すべて太平洋側に面しています。仮に太平洋側で巨大な地震等が発生し、港等を襲えば、壊滅的な被害をもたらします。

災害で港が機能不全に陥り、貿易ビジネスが滞る

これは、会社として考えておくべきリスクです。そして、貿易をしている会社は、この災害対策の観点から、日本海側にバックアップ的な物流網を確保していることが多いです。

特に、日本海側の金沢や富山港は、自治体主導で、メジャー港からの代替港としての活用を呼び掛けています。港を使う事業者には、様々な補助金も提供されているため、ぜひ、検討してみましょう!

東京、大阪、名古屋の三大都市圏に比較的近く。かつ、災害対策が出来そうな港は、どこになるのでしょうか? そのように検討すると良いと思います。

日本海側(下関/敦賀/金沢/富山/舞鶴/石狩)の国際ターミナルと助成金

6.細かな対応ができる

これまでの説明ぶりだと….

  • 主要港=良い。
  • 地方港=NG

と受け止められてしまいそうです。しかし、それは、私の本意ではないです。主要港にも地方港にも、それぞれ一長一短があります。

「地方港のメリットは、主要港ではできない様々な細かい作業への対応、自社専用の輸送ネットワーク網を構築できる点です」と、語るのは、中国輸送のフォワーダーです。

中国フォワーダーによると、地方港には、次のような魅力や可能性があるようです。

主要港は、キャパがオーバー気味です。一方、地方港は、余裕があります。この利点をうまく活用することで、多様な国際輸送網を構築できる可能性が高いです。

例えば、FBA納品があります。このサービスを利用する前提で、コンテナ単位で輸入する場合は、次の方法で地方港を活用しつつ、FBA納品までの費用を削減できる可能性があります。

具体的には、次の通りです。

  1. 海外の工場から日本の主要港向けにFCLで輸送する。
  2. 保税地域に搬入後、FCLのまま保税運送(OLT)をする。
  3. 地方の港の保税倉庫に搬入
  4. 許可後、デバンをしてFBAへ発送

これを実行することで、次のメリットがあります。

 
国際輸送の見積依頼 国際輸送の見積依頼
 
  • 2番のOLTをする場合のドレー代金には、消費税はかかりません。(外国貨物のため)
  • 地方のゆとりがある物流を活用できる。
  • FBA納品をするために必要な細かい作業にも対応してくれる。

日本海側の国際コンテナターミナの補助金

日本側に位置する下関、敦賀、金沢、富山、舞鶴、石狩の特徴と定期航路、補助金等の一覧をご紹介します。

  1. 下関
  2. 敦賀
  3. 金沢
  4. 富山
  5. 舞鶴
  6. 石狩

1.下関港

下関は、釜山から220キロ、蘇州から1000キロに位置します。蘇州下関フェリー、関釜フェリーなどがあり、これらを活用すれば、航空機輸送の並みのリードタイムで、中国や韓国との間を輸送できます。

例えば、下関港から韓国向けには、機械材料や工作機械の輸出をし、他方、パプリカ等を輸入するなどです。また、中国商品を緊急輸入するときにも利用します。下関で陸揚げした後、陸路にて大阪や東京方面へ輸送します。

関連記事:フェリー輸送の優位性とは?

韓国と日本との相互条約により、RORO船で運ばれた自動車(日本のナンバー)は、韓国国内へそのまま陸送できます。(この逆は不可)

下関港の特徴:航空輸送に匹敵する通関体制

下関港は、年中無休×即日通関により、スピーディーに輸送できます。

  • 年中無休の通関
  • 年中無休の植物検疫
  • 週6日の食品、動物検疫体制
  • 隣接する鉄道貨物ターミナルを活用すれば、日本全国に鉄道輸送も可能。

例えば、釜山・馬山からの輸送貨物は…

  • 24時間後に大阪着
  • 36時間後に東京着

例えば、蘇州(太倉)からの荷物は….

  • 48時間後に大阪着
  • 60時間後に東京着

通関や搬入が非常に速いため、航空輸送並みの速度で貨物を輸送できます。韓国向けの半導体製造装置の輸出は、約40%が下関港発。韓国産のパプリカの輸入量も下関港がナンバーワンです。

関釜フェリー(かんぷ)/フェリー船
  • 運航会社:関釜フェリー
  • 運航日:毎日
  • スケジュール:下関19:45→釜山8:00着
  • スケジュール:釜山21:00発→下関7:45着
長錦商船 (SINOKOR)/コンテナ船
  • 運航会社(代理店):下関海陸運送
  • 運航日:月・木
  • スケジュール:下関入港・月木 8:00
  • スケジュール:下関出港・月木 12:00
パンスター/RORO船
  • 運航会社(代理店):サンスターライン
  • 運航日:水曜日(入港・出港)
下関港入港下関港出港
釜山・石島水曜日水曜日
釜山・馬山土曜日土曜日
蘇州下関フェリー RORO船
  • 運航会社(代理店):蘇州下関フェリー
  • 運航日:日・水曜日
  • スケジュール:下関(日曜)11:00→太倉入港(月曜)19:00
  • スケジュール:下関(水曜)17:00→太倉入港(金曜)10:00
  • スケジュール:太倉出港(火曜)0:00→下関入港(水曜)10:00
  • スケジュール:太倉出港(金曜)21:00→下関入港(日曜)7:00
下関港の補助金

下関港には、各種の補助金があります。主な物は、次の3つです。特に3番の越境ECに関する補助金は、小規模事業者にとって魅力的だと感じます。

  1. 新たな輸送ルート構築事業
  2. 山口県産品輸出拡大事業
  3. 越境EC小口貨物輸送事業
  4. 長州出島利用促進補助制度
  5. モーダルシフト利用促進

2.敦賀港・コンテナターミナル

敦賀港は、国道8号線バイパス、北陸自動車道から5分ほどの位置にあります。コンテナターミナルとインター間は、市街を通らず走れるため、BCP対策、SDGSの観点からも都合がいいです。また、最寄りの北陸自動車道から、近畿圏、中京圏へ荷物を輸送できる点も魅力的です。

敦賀港の主な特徴

敦賀港は、鞠山(まりやま)地区が大水深岸壁(14m)になっており、5万トン級の大型貨物船が入港できます。また、国内定期船では、九州方面と北海道方面のどちらにも定期航路(国内RORO船)があります。これは、日本海側では唯一です。

また、外航コンテナ船は、中国及びプサン方面との定期航路があり、メガキャリアが寄港する釜山(ハブポート)を通して全世界に輸送できます。他、敦賀港を利用するメリットは、次の通りです。

  1. LCLサービスにより段ボール一個からでも輸送可能
  2. 入港から貨物のリリースまでがHDS級に早い。
  3. 関西圏・中京圏に近接、幹線道路からも近い。
  4. 助成金制度によるコスト削減効果
  5. 地震など天災に強い。
  6. ロシア方面、中国吉林省方面に便利
2021年3月現在の敦賀港の定期航路一覧(roro船等)
国内/海外行先運行種別
日本国内路線(内航)苫小牧、博多RORO船
苫小牧、秋田、新潟フェリー航
大竹コンテナ定期航路
海外路線(外航)釜山、蔚山、光陽、上海、寧波コンテナ定期航路
青島、新港、大連、香港、東南アジア及び北米方面釜山経由のトランシップ船
敦賀港の助成金(輸出入促進)

2021年3月現在、敦賀港では、利用者の増加を目的に「補助金事業」を展開しています。輸出入をされている方は、この機会に敦賀港を利用してみてはいかがでしょうか?

  1. 外貿トライアル事業補助制度
  2. 輸出入コンテナ貨物助成制度
  3. 内航利用者拡大事業補助制度

3.金沢港の定期航路

韓国コンテナ(釜山行直行サービス)
  • 行先:釜山
  • 週5便
  • 運航会社:高麗海運、興亜LINE、長錦商船、エクスプレスフィーダーズ
  • その他、釜山経由で世界各国への輸送も可能
韓国RORO船(週二便)
  • 行先:馬山、釜山
  • 週2便
  • 運航会社:サンスターライン
中国コンテナ航路(週1便)
  • 行先:上海
  • 運航会社:神原汽船株式会社
  • 週1便
  • その他、上海経由で全世界へ
韓国経由の中国行き路線
  • 行先:中国/大連、天津、寧波、上海
  • 経由地:蔚山、釜山、光陽経由
  • 運航会社:高麗海運、汎洲海運株式会社
  • 週2便
金沢港の補助金

金沢港で実施されている補助金は、次の2つです。

  1. 金沢港物流ルート転換支援事業補助金
  2. 金沢港利用拡大支援事業補助金

4.富山港(新湊地区・伏木地区)コンテナターミナル

富山・伏木港は「環日本海地域へのゲートウェイ」と称し、中国、韓国、ロシア(極東経由)に力をいれています。特にロシア航路は、シベリアランドブリッジで、ウラジオストックへ海上輸送した後、シベリア鉄道を使いヨーロッパ方面へ輸送できます。

課題:通常のスエズ運河経由の海上輸送は、モスクワまで50日前後かかる!

→シベリアランドブリッジであれば、モスクワ迄12日、ドイツ迄18日で可能です。

富山港の定期航路
船社/代理店便数(月)仕向け地
ロシア極東航路FESCO(極東船舶)2ウラジオストック、ポストーチヌイ
伏木海陸運送
ロシア極東RORO船NAVIS SHIPPING5ウラジオストック
富山港湾運送
INDERTON5
伏木海陸運送
INDERTON3
伏木海陸運送
韓国航路興亜LINE1釜山
伏木海陸運送
長錦商船
富山港湾運送
Xプレス・フィーターズ1
伏木海陸運送
中国航路神原汽船1大連、青島、上海
伏木海陸運送
中国&韓国経由高麗海運1釜山、光陽、天津
日本通運
天啓海運
丸共シーランド
PAN CONTAINER SHIPPING1釜山、光陽、寧波、上海
伏木海陸運送
高麗海運
日本通運
南星海運
伏木海陸運送
富山港の助成金

助成金は、荷主向け、船社向け、その他、物流企業向けと様々なタイプがあります。

例えば、貿易を始めたばかりの方は物量が少ないですね。このときに利用することが多い「混載輸送(LCL)」も補助の対象です。

1.富山港の活用助成金
  • 伏木富山港を使うこと
  • 年間50TEU以上の取り扱いが見込まれる。
  • 対象経費の2分の1
  • 限度額100万円
  • 対象経費:陸上、梱包、国内荷役、輸出入諸経費、海上輸送費
2.シベリア鉄道を利用した輸出入

上記の条件に加えて、シベリア鉄道輸送費が対象。さらにモスクワ方面と輸出入をしていること。対象経費の2分の1、限度額150万円。

3.小口混載貨物のコンテナ利用補助金

昨今の農林水産品の小口貨物の輸送ニースの高まりを受けて、小口混載貨物に対する助成制度を実施。(小口定温輸送サービスもあり)

  • 条件:荷主企業が伏木富山港の小口混載貨物(LCL)を使い輸出入りをすること。
  • 交付額:1トン又は1m3あたり5000円
  • 限度額:1事業者につき20万円

その他、荷主企業が富山港を拠点にコンテナで輸出入をするときの費用の助成や、国内輸送費を補助する仕組みもあります。詳細は、富山県商工労働部へご相談ください。

富山港は、特にロシア極東方面への輸送に力を入れている

5.京都・舞鶴港 コンテナターミナル

京都府舞鶴市に位置し、北近畿圏の物流を支える港の一つです。半径50km圏内には、約11の工業団地があり、舞鶴港を通して部材の供給、商品の出荷がされています。

京都舞鶴は、湾の入り口が狭く(高波が発生しにくい)、かつ高い山で囲まれているため、悪天候による荷役作業が少ないです。昨今、問題になりやすい自然災害の脅威への備える意味で利用価値は高いです。

舞鶴港の主な航路は、中国方面、韓国方面、ロシア方面です。また、舞鶴最大の特徴は「北海道物資」の調達ができる点です。元々、舞鶴は、関西圏に北海道の物質を運ぶための港として活用されていました。これが今でもある「北海道フェリー」です。

北海道フェリーは、1970に開設。現在、国内最速の時速56kmで北海道の小樽を約20時間で結びます。北海道の物質を調達し、西日本に供給したい方には、都合がいいです。

舞鶴・中国路線(大連、青島、上海)
  • 運航会社:神原汽船株式会社
  • スケジュール:舞鶴→大連→青島→上海→新潟→富山→小樽→舞鶴
  • 週一便(舞鶴・土曜日発)
  • 舞鶴→大連 3日 逆:11日
  • 舞鶴→青島 4日 逆:10日
  • 舞鶴→上海 6日 逆:8日

中国向け輸出日数は短いです!

舞鶴・韓国路線(釜山)
  • 運航会社:東亜LINE、長錦商船
  • スケジュール1:舞鶴(水)→境港→釜山→金沢→富山→舞鶴
  • スケジュール2:舞鶴(木)→金沢→釜山→浜田・境港→敦賀→舞鶴
  • 週2便(水・木)
舞鶴・韓国路線2(釜山)
  • 運行会社:高麗海運ジャパン
  • スケジュール:舞鶴(金)→境港→伊万里→釜山→伊万里→広島→高松→今治→釜山→広島→伊万里→松山→舞鶴
  • 週1便
  • 釜山→舞鶴 4日
  • 舞鶴→釜山 3日
  • 釜山新港→舞鶴 3~4日
  • 舞鶴→釜山新港 3~4日

週2便体制。釜山積み替えで全世界へ輸出可能です!

舞鶴・韓国/ロシア線
  • 運航会社:DUWON商船
  • スケジュール:舞鶴(金~土)→東海→ウラジオストック→東海→舞鶴
  • 週一便(金曜日発)
  • 関連サービス:日通トランスシベリアンレールウェイ(シベリア鉄道経由)
  • 東海→舞鶴 1日
  • ウラジオストック→舞鶴 2日
  • 舞鶴→ウラジオストック 3日
舞鶴・北海道フェリー
  • 運航会社:新日本海フェリー
  • スケジュール:毎日
  • 着港:小樽

昨今、問題になっているドライバー不足やSDGSの流れでも重要!

6.石狩港・コンテナターミナル

石狩港は、札幌市の中心部から15km、車で30分の所にあります。港周辺に整備された石狩湾新港地域は、3000ヘクタールを超える敷地内に、総数700社を超える企業が立地しています。札幌市内へ最も近い港であるため、ほぼ札幌港といってもいいほどです。

韓国航路(釜山行)
  • 運航会社:興亜LINE、長錦商船
  • 代理店:日本通運、栗林商会
  • 便数:週1便
中国・韓国航路(釜山、光陽など)
  • 運航会社:高麗海運、南海海運
  • 代理店:ナラサキスタックス、栗林商会
  • 便数:週1便

まとめ

  • 主要港と地方港には、大きな差がある。
  • この差は、船舶の多様性、ヤードの混雑具合等に現れる。
  • 主要だからいい。地方だけからダメだとは思わない。
  • 主要と地方の特徴を理解し、自社の物流に活かすことが大切
  • 日本海側にあるコンテナターミナルは、韓国や中国とのつながりが強い。
  • 韓国・中国との間にフェリーがあり、リードタイムをぐっと削減できる。
  • 様々な補助金の仕組みがある。
  • BCP対策としても利用価値は大きい。
  • 航空機とフェリー輸送の違いと優位性を確認した方が良い。
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