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リーファーコンテナの内部構造と各部の名称を解説

 



 

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リーファーコンテナの内部構造や各部の名称、材質等を調べたいですか?

この記事では、リーファーコンテナの内部構造、内外部の各部名称、役割等をイラストを付けて説明していきます。ぜひ、この記事をリーファーコンテナの説明書代わりにご使用ください。

*この記事は、リーファーの実務経験者のみがわかる情報を紹介しています。当サイトの情報を加筆、修正等をし、独自の記事として公開する行為をお断りいたします。*例:記載内容の前後を入れ替えて加筆等をする→ 編集著作物侵害行為に該当する可能性有り。

リーファーコンテナの内部・外部構造と各部名称を解説

■この記事で分かること

  • リーファーコンテナの内部構造と役割
  • リーファーコンテナの外部構造と役割

リーファー内部構造のピンポイント検索

もし、知りたい内容が決まっている場合は、次の中からお選びください。決まっていない方は、このまま上から順に読み進めてください。

リーファーコンテナの内部構造と役割

リーファーコンテナは、ドライコンテナと異なり庫内の温度を一定に保てます。この秘密が内部や外部の特殊な構造にあります。まずは内部構造と役割について紹介します。

内部構造で紹介するのは次の6つです。また参考にイラストも付けて解説します。

  1. ファンと蒸発器
  2. 計器(温度計・湿度計・センサ)
  3. 換気口(Ventilation)
  4. 壁(内壁、断熱材、レッドライン)
  5. 床(Tレール)
  6. ドレンホール

1.ファンと蒸発器

ファンと蒸発器はセットで説明した方が分かりやすいので、併せて解説します。まずは下の図でファンと蒸発器の場所のイメージを掴んでください。

リーファーコンテナ 内部構造

ファン

ファンは、リーファーコンテナ内の空気を循環させるための装置です。温度調整した風を貨物へ送り、温まった風を吸い込みます。

荷物を積む場所とは内壁で遮られています。そのため、荷物と接触はしません。また、吸い込み口は天井側にあり、吹き出し口は床側についています。

蒸発器

蒸発器は庫内の空気を冷やすための機器です。空気を冷やすだけでは庫内の温度が下がりにくいため、冷やした空気はファンで循環させます。

庫内の空気に湿気が混じっていると、蒸発器で冷えて固まり、冷やす力が著しく低下します。能力低下を防ぐために、時折ドレンヒーターで氷を溶かします。これをデフロストと呼びます。

2.計器(温度計・湿度計・センサ)

リーファーコンテナには庫内の温度を制御するための様々な計器やセンサーが付いています。計器、センサーには次のものがあります。

  • ファン入口温度計、および記録用のセンサー
  • ファン出口温度計、および記録用のセンサー
  • 蒸発器入口温度計
  • 蒸発器出口温度計
  • 湿度計

リーファーコンテナの中は、ファン(扇風機)で空気を循環させています。その出入口に温度計があります。入口側の温度計は積荷を冷やした後に温まった空気の温度を測り、出口温度計は実際に供給する空気の温度を表します。庫内の温度はファン出入口の温度計で管理されています。

また、空気を冷やすための装置である蒸発器の出入口にも温度計が付いています。これは蒸発器でちゃんと空気の温度が調整されているか調べるためにあります。

湿度計は蒸発器の入口側についています。蒸発器を通過した空気は温度が調整されているため、湿度が変化するためです。

リーファーコンテナ 内部構造

3.換気口(ベンチレーション)

リーファーコンテナ内の空気の入れ替えをするための換気口です。通風孔やベンチレーション(Ventilation)と言うこともあります。

青果物など呼吸を行う貨物を積載した場合、コンテナ内の酸素が使われてしまいます。酸素の量が減りすぎないように新鮮な空気を取り入れることが出来ます。

 
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換気口には手動で調整が必要なものもありますが、自動で換気口の開度を調整し、内部の酸素と二酸化炭素の濃度を調整してくれるタイプのリーファーコンテナもあります。

リーファーコンテナ 内部構造

注意:換気口に関するトラブル

換気口の開度は商品や温度により異なります。しかし、-3℃以下のような低い温度では基本的に全閉です。

たまに、換気口が開いたままの冷凍貨物が船に積まれますが、コンテナ内温度が下がらない原因となります。出荷前の換気口の確認は徹底しましょう。

4.壁(断熱材、レッドライン)

リーファーコンテナの外壁と内壁の間には断熱材が入っており、外部からの熱の侵入を防いでいます。外板にはアルミ合金(材質・素材)が使用され、内壁はステンレスが一般的です。また、断熱材には硬質ウレタンが使用されています。

内壁には赤色の線が引かれています。レッドラインと言います。レッドラインより高く荷物を積むと内部の空気循環が阻害されるので注意する必要があります。レッドラインについては次の記事で詳しく説明しているので参考にしてください。

参考記事:リーファーコンテナのサイズ(内寸)、積み付け時の注意点などを解説!

5.床(Tレール)

リーファーコンテナは冷やした空気を内部で循環させることで、庫内の温度を一定に保ちます。そのため、床は空気が流れるように凹凸になっています。

この凹凸のことをTレールと言います。次の図を参考にしてください。

リーファーコンテナ バンニング

6.ドレンホール

ドレンホールはTレールの底、つまりリーファーコンテナの底面についています。一般的には4隅に1つずつ計4つ付いています。

ドレンプラグは内部の水洗い後、水をきれいに抜く等の用途に使われます。輸送中、通常はお風呂のようにプラグ(栓)をし、コンテナ内を密封します。

リーファーコンテナ 内部構造

リーファーコンテナの外部構造と役割

ここからは、リーファーコンテナの外部構造と役割について紹介します。リーファーコンテナはドライコンテナと違い、ただの箱ではありません。

例えば、庫内の温度調整用の空調機などはメンテナンス性を考え外部に取り付けてあります。その他にも次のものがあります。

  1. 操作パネル
  2. 冷凍機ユニット(空調機)
  3. 電源プラグ・レセプタクル
  4. 点検孔

リーファーコンテナの外観

参考としてリーファーコンテナメーカーの最大手であるCarrierの外観(機械側)を紹介します。機械などは扉と反対側の面についています。扉側はドライコンテナと変わりません。

出典:Carrier HP

写真左上が通気口です。右上の四角のカバーは取り外し可能で、ふたを開けると内部のファンを修理できます。また、青い部分の右側が操作パネルです。写真左下の黄色いケーブルるが電源ケーブルです。右下の機械が圧縮機等の冷凍機ユニットです。

1.操作パネル

操作パネルは荷主が求める温度設定や、故障を予防するための保守・管理に使われます。具体的には次のことが出来ます。

  • 温度の設定
  • 摂氏(℃)/華氏(℉)の切り替え
  • ファン入口温度の確認
  • ファン出口温度の確認
  • 湿度の確認
  • 機器異常(アラーム)の確認
  • デフロストの実施
  • PTI試験の実施

温度の設定以外の機能はほぼ全て保守・管理で使用します。自分で温度設定する場合は摂氏(℃)/華氏(℉)の違いに気を付けましょう。

2.冷凍機ユニット(コンプレッサー、冷却ファン等)

冷凍機ユニットとはリーファーコンテナの温度を管理する空調機です。冷凍機ユニットはコンプレッサー(圧縮機)、コンデンサー(凝縮器)、エヴァポレーター(蒸発器)から成ります。

参考:冷凍機ユニットで空気が冷える仕組みと騒音問題

冷凍機ユニットの仕組みは家庭用の冷蔵庫と同じです。冷蔵庫を巨大化したのがリーファーコンテ用空調機です。

家庭用の冷蔵庫でもモーター音が鳴っていると思いますが、リーファーコンテナの冷凍機ユニットは騒音が発生するので陸置きの場合設置場所をよく検討する必要があります。

内部には冷媒と呼ばれる特殊なガスが入っています。冷媒ガスを液化し、蒸発させることで気化熱を奪い空気が冷える仕組みになっています。肌にアルコールを付けるとヒヤッとするのと同じ仕組みです。機械を使いその現象を繰り返し発生させるのが冷凍機です。

3.電源プラグ・レセプタクル

リーファーコンテナには機械が付いているので、動かすために400Vの電力が必要です。電力を供給するためのプラグを電源プラグと言います。

また、プラグが挿される側をレセプタクルと言います。用途は家庭用のコンセントと同じで、呼び方が違うだけです。リーファーコンテナの電源については次の記事でも詳しく説明しているので参考にしてください。

参考記事:リーファーコンテナの電顕プラグの形状は?電気のこと全て解決

4.点検孔

内部構造の説明でリーファーコンテナの内部は空気を循環させるためのファンが付いているとお伝えしました。ファンも機械なので壊れる可能性があります。

そこで、外部から内部のファンを取り出すために設けてあるのが点検孔です。

 

>>CAコンテナとリーファーコンテナ入門

 

まとめ

  • リーファーコンテナは庫内を定温維持するために内部・外部ともに特殊な仕様になっている。
  • 内部には温度を管理するための様々な機器や工夫が施されている
  • 外部には温度を冷やすための冷凍機が設置されている
  • 主要な機械類は点検・修理を可能にするため設置位置が工夫してある
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