海外から届く商品には、輸入目的、国、物などによって、関税が課税されます。しかし、ある一定の条件をクリアすると、関税などが免除されます。その条件の一つが「寄贈物品(プレゼント)」です。海外から届く商品が寄贈物品の定義を満たぜば、関税と消費税は、免除されます。逆に言うと、条件を少しでも満たさないと、プレゼントであっても課税されてしまいます。
そこで、この記事では、関税が免除になる「寄贈物品」の定義を詳しくご紹介していきます。
■この記事の結論
関税定率法基本通達14-21に定義されている「ギフト」の条件を満たせば、関税は免除される。しかし、条件を満たさない(例:課税価格の合計が一万円を超える→その全部に対して課税)場合は、関税は課される。
輸入と寄贈物品とは?
基本的に、どんな商品であっても関税や消費税はかかります。ただし、いくつかの条件を満たすと、本来、かかかるはずの関税がなくなります。代表的な免税例としては、次の物です。
- 特定の国の産物に対して免税や減税をする→EPA税率、特別特恵関税
- 特定の品に対して免税にする→身体障がい者用の物品
- 特定の用途に対して免税にする→外交官用物品など
- 特定の条件をクリアするときに免税にする→課税価格の合計が一万円以下のとき
そして、今回、ご紹介するギフト品扱いも関税が免除されます。
ギフト品扱いの条件
海外通販(輸入)は個人使用目的と商売目的の2つに大別されます。また、個人使用目的の中でも、一般の購入品とギフトの2つに分かれます。一見、同じように見える「海外通販(輸入)であっても、税区分がどこになるのか?によって、かけられる関税率が変わります。
では、ギフト品(寄贈物品)として、認めてもらには、どのような条件を満たせばいいのでしょうか? 寄贈物品は「関税法基本通達 第2章 関税の確定、納付、徴収及び還付 の4-6」の中に、次のように定義されています。
(1)「寄贈物品」とは、有形、無形の対価を伴わずに無償で譲渡される物品をいい、寄贈者及び受贈者が個人であるか法人であるかを問わない。なお、以下のいずれかに該当する郵便物は、原則として寄贈物品には該当しないものとする。イ 郵便物の税関告知書に寄贈物品(Gift)の表示がなく、かつ、仕入書等の取引に伴う書類が貼付又は内包されているものロ 郵便物の税関告知書に商業用である旨(Merchandise)の表示があるもの(仕入書等の取引に伴う書類が当該郵便物に貼付又は内包されているか否かを問わない。)
寄贈物品の定義
- 有形・無形を問わず無償で譲渡されるもの
- 寄贈者や受贈者が個人や法人でもOK
有形・無形の物とは、一般的な物とコンピュータのソフトなどを言います。それらを「無償で譲渡している?」が問われています。また、プレゼントを送る方、受け取る方は、個人や法人であっても問わないとされています。
例えば、会社→個人というケースもあれば、個人→会社もあります。ただし、大前提として、何の対価もなく、譲渡していることが条件です。したがって、海外通販などで購入した商品などは、すべて除外されるため注意しましょう。また、文章中では、寄贈物品とはみなさない物として、次の2つの但し書きがあります。
- 税関告知書に「ギフト」の表示をしていない かつ、仕入れ書(レシート)などが箱の中に入っている。または貼り付けていること。
- 税関告知書に商業用である旨の記載があること
以上の2つです。ここまでをまとめると、プレゼントとして認めてもらうためには、次のすべての条件を満たす必要があります。
- 課税価格の合計額が一万円以下であること
- 個人から個人であること(法人であれば、法人の中にいる個人宛であること)
- 無償で譲渡していること
- 税関告知書に「ギフト」チェックがあること
- 箱の中、または外にレシートなど、何らかの取引をしている形跡がないこと
- 税関告知書に「ギフト」の記載があること
もし、何らかのプレゼントを送る予定があるときは、上記、4つのことを寄贈者(プレゼントを送る人)に伝えます。なお、税関告知書の金額欄は、貨物がもつ「本来の価値」を記載してもらいます=N.C.Vなどとは書かない。(相手にお願いする)無料でプレゼントをする行為と、その貨物自体の価値は別です。
詳しくは「インボイスには、N.C.Vと書いてはいけない理由」をご覧ください。
まとめ
- ギフト扱い(寄贈物品)をしてもらうためには定義に合うことが重要
- 決められた定義に当てはまらない物は、すべて一般の輸入の扱いを受けます。
- 一般輸入としての扱いを受けたとしても一万円免税ルールや免税ルールの除外品目等の規定により、関税が免除される可能性はあります。
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