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通関士・貿易事務の仕事はなくなる?

「現在、通関士や貿易事務をしている。日々、忙しさに追われて、自分を振り返ることはなかなかできない。この先、この仕事をしていても大丈夫なのか…世間では、AIが普及して、将来なくなる仕事なんかもあるみたい。私の仕事は大丈夫なのか….」

最近、AI(人工知能)を絡めた様々なサービスが登場しています。カスタマーサービス、分析、製造、管理など、様々な分野に組み込まれつつあります。そんなイケイケなAIが貿易業界にもこないかと、不安に感じている方も多いかと思います。今日は、そんな方々に対して、いくつかの事例をご紹介していきます。



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通関士/貿易実務の将来性

通関士/貿易実務の仕事は、AIの普及により、どのような影響を受けるのでしょうか? この点は、将来的な税関システム、通関業の許可制度の改正、AIの進化などに影響されるため、現時点では、どのような影響が出るのかはわからないです。ただ、全体的な傾向を考えると、人を減らす「省力化」の方向に進むと考えます。

*AIなどのインターネット用語を出すと、目の色を変えて反論する方がいますが、そういうのは不要です。AIの言葉が持つ意味などはどうでもいいことです。AIだろうが、BIだろが、CIだろうが何でもいいです。伝えたいことは、インターネット技術の普及による省力化です。それを総称して「AI」と伝えているだけです。

今日は、そんな省力化の流れがわかる2つの事例をご紹介していきます。

  1. 書類の電子スキャン
  2. 某大手会社は通関書類の作成を世界へ発注

1.貿易書類の電子スキャン

貿易書類の作成といえば、人の手による細かいチェックが必要です。実際、通関業者などが税関に申告をするときは、依頼者の書類に不備がないことを確認します。税関に不備を指摘されない完璧な書類に仕上げます。いえ、仕上げなければならないのです。通関業者は、税関長の許可により営業ができるため、このあたりの圧力を強く感じている方は、多いのではないでしょうか? そんな書類作成にも大きな変化が訪れようとしています。

「貿易書類のスキャンと申告書類の作成まで全自動で完了」

2019年現在、貿易書類に書かれている文字情報を電子的な数字として認識、それらの電子情報を基にして、課税価格の計算、申告書の作成までを行う仕組みが出来上がっているそうです。近い将来は、ナックスなどに取り込めるようにして、最終的なチェックのみを通関士が行い、申告を済ませる。そんな世の中がすぐそこに来ていると予想します。もちろん、申告される側の税関も電子的な判断が活躍するはずです。

「ナックスで送信されてきた情報をビックデーターと紐づけて、自動判定。輸出入申告業者の過去の履歴、品目別、外国別など、輸送形態別による違反率の統計なども取り、機械的に「申告データーの信ぴょう性」を判断します。この判断の結果、調査が必要だと表示されたら、実際に税関職員が目視などにより書類などをチェックする」

機械が得意な部分は機械が行い。機械が苦手な部分は人間がカバーする。税関の中でも、そのような形に落ち着くはずです。そして、省力化による職員の余剰分を「事後調査」などの強化に充てて、税収を確保するような流れになるのではないか?と予想しています。

2.某通関業者は、申告書類を世界へ外注している。

ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、実は、ある通関業者は、すでに申告書類の作成(申告するための準備)を海外に外注しています。人件費が安く、ある一定のことを教えるだけで、日本と同じように作業をしてくれます。また、直接、貿易業界とは関係ありませんが、このような事例もあります。

私は、東南アジア各地を周ることが多いです。とある企業のお話です。この企業は、設計図をかく会社です。設計図とは、実際に建築をする人の指示書にあたるものです。この会社は、この設計図を現地の方にかいてもらい、日本のクライアントに納品しています。

つまり、日本で建築される建築物の設計図が東南アジアの人件費が安い所で作成される。その設計図を基に、日本の会社が建物を建てているのです。(日本の建築物)グローバル化と叫ばれている世の中ですが、このような部分まで「国際分業化」の流れが来ています。

今、1と2の2つの説明を読んでいただきましたが、IT化と国際分業化の影響により、貿易業界も影響を受けると予想できます。現時点では、その影響は、どこまでの者なのか?はわかりません。ただ、高い確率で分業化の流れは加速し、日本税関に対する申告書の準備を海外の人件費が安い国で一括で行う。日本側には、必要最低限の人員にして、業務効率と人勧費を削減する。このような形に流れる可能性が高いです。

特に「貿易業界の閉鎖性にはうんざりする」で酷評しているように、現在の貿易業には、問題が多いです。非効率的なことを「常識」ととらえて、いつまでも昔ながらのやり方を続けます。合理性がない基準により新規参入者を拒む姿勢は愚の骨頂です。まさに「ゆで蛙くん」です。そんな会社が大半です。

現在、あなたは通関士や貿易実務で働いているのであれば、貿易業界全体が超遅れていること。もし、巨大なIT企業が参入してきたら、一瞬にして、あなたの仕事を全部奪い、薄給の「下請け社員」に成り下がる可能性が高いことを強く意識するべきです。もし、それが嫌であれば、職場にいる周りの人を見て安心するのではなく、危機感を持ち、いつでも「飛び出せる用意」をしておくことが重要です。

通関士にお勧めな副業 将来を見据えて行動しよう!

まとめ

    • 貿易業界にもAIの波が押し寄せる。
    • 政府からの働き方改革の圧力は業界全体で変われのメッセージ
    • すでに貿易書類のデジタル化は進んでいる。
    • 国際分業化の勢いもすごい。
    • 「俺は大丈夫」と考えいるほど「ゆでガエル状態」にある可能性が高い。
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