少子高齢化と共に多死社会の言葉も聞きます。多死社会とは、人がなくなることに伴う各種の問題を示します。
今回は、人がなくなることに伴う需要の一つ「骨壺」をご紹介していきます。
骨つぼの需要
今回、ご紹介する商品は「骨壺」です。人を火葬した後、いれる壺です。この輸入を検討していきます。まずは、骨つぼの需要を考えてみましょう。以下は、厚生労働省の資料からの引用です。
出生数と死亡数の推移
- 出生数の推移
- 死亡数の推移
1.出走数の推移
2.死亡数の推移
上記2つの資料から、死亡数が大幅に増える一方、出生数が急激に減少していることがわかります。
人がなくなることによる需要
上記の現状を考えると、次の需要が高まると推察できます。
- 葬儀業界
- ギフト(供え物業界)
- 棺桶
- 骨つぼ
上記の内、骨壺は、日本側の輸入規制は非該当です。また、商材的にも中国等や東南アジア方面で見つけられそうです。もしかすると、骨壺には輸入市場があるかもしれません。
骨つぼの輸入状況
そこで、実際に骨つぼの輸入状況を貿易統計で調べます。骨つぼのHSコードは6914.90.000です。(材質により異なる)この結果、2023年度、中国、スペイン、ベトナム、イタリアの4カ国から輸入されています。
国名 | 数量(kg) | 累計金額(円) |
中国 | 997254 | 415593000 |
スペイン | 162622 | 74571000 |
ベトナム | 115571 | 21217000 |
イタリア | 109563 | 36438000 |
タイ | 72225 | 24452000 |
大韓民国 | 39740 | 65412000 |
パキスタン | 35000 | 2586000 |
台湾 | 30839 | 41450000 |
マレーシア | 24505 | 2246000 |
ドイツ | 11244 | 1933000 |
フィリピン | 8845 | 1478000 |
英国 | 1237 | 19641000 |
アメリカ合衆国 | 1092 | 26389000 |
フランス | 925 | 4198000 |
モロッコ | 584 | 2174000 |
スイス | 502 | 887000 |
ポーランド | 166 | 619000 |
ハンガリー | 4 | 235000 |
カナダ | 3 | 388000 |
チェコ | 0 | 230000 |
骨つぼの特徴
- 原産国:中国産、ベトナム産:コストパフォーマンスが高い。
- デザイン:シンプルな無地の物からデザイン骨つぼ等もある。
- 輸入量の推移:過去数年間で骨つぼの輸入量は増加傾向
骨つぼの関税率や他法令等
骨つぼは、原産国を問わず関税率無税。他法令も非該当です。極めて簡単に輸入ができる商品です。輸入時に掛かる税金は、輸入消費税の10%のみです。
- HSコード:6914.90.000
- 他法令:該当なし
- 関税率:原産国問わず無税
- 消費税率:10%
骨つぼの種類、販売量の目安
骨つぼには、意外にいくつかのサイズがあります。使用用途等も様々です。
- 家庭用骨つぼ: 大型・中型の骨つぼ。仏壇や自宅の専用スペース用
- 納骨堂用骨つぼ: 大型の骨つぼが使われる
- 散骨用骨つぼ: 小型・ミニサイズ多い。
- 分骨用骨つぼ: 分骨する場合、小型・ミニサイズが多い。
- ペンダント型骨つぼ: 故人の遺骨の一部を身に着けるためのもの。
また、西日本向けと東日本向けに仕様が違います。さらに詳細なリサーチが必要です。
骨つぼの販売先候補
骨つぼの販売先として有力なのは、次の会社です。
- 葬儀屋
- 墓石業者
- 仏具店
- オンライン販売
- 寺院
参考情報:骨壺の販売量は?
例えば、40フィートコンテナで1本満載に輸入した場合は、在庫は2週間から3週間でなくなるイメージです。もちろん、販売先や地域等によっても変わります。
骨つぼ輸入の注意点や動向
骨つぼは、比較的、取り扱いがしやすい商品です。但し、一定の割合で割れています。在庫は、この不良率を計算に入れます。デバン時は、パッキングリストと照合しながら保管していきます。また、骨つぼは、体積が大きいため、おのずと倉庫スペースが必要です。
骨つぼは、人間用だけではない!
骨壺と聞くと人間用をイメージします。しかし、実は、ペット用の骨壺の需要もあります。生涯未婚、生涯独身、熟年離婚などのおひとり様ライフが広がることを考えると、今後もペット需要は大きくなると思います。当然、ペットを入れる骨つぼも必要です。
ペット用の骨つぼ需要はどう?
他の潮流をからめて考える
昨今、墓じまいなる需要が増えています。様々な動機はありますが、一つ言えることは、昔からの価値観や常識、信仰心等の変化が関係していると推察しています。見えない物に対する価値、いわゆる「コスパ」という概念で判断する方が増えている気がします。
例えば、お寺の檀家制度などです。実際、若者の中で檀家制度を知らない方も多いです。また、檀家制度を知っても入る理由がないと考える人が多いと予想できます。
このような価値観の変化から、次から次への檀家をやめる人、なくなる人が増えてきて、結果、お寺の経営が成り立たなくなっていると聞きます。昔は、「坊主丸儲け」などの言葉を聞きました。ですが、2024年現在は、一部のお寺を除き、苦しい経営状態の所が多いのではないでしょうか?
現状は、このような流れが強くなっています。よって、骨壺も墓じまいと同じく本質的に求めていることを理解した上で考える必要がありそうです。
例えば、あえてお墓を持たない樹木葬を希望する人が増えていると考えるなら、それに対応する骨つぼを用意するなどです。骨つぼを地球環境にも優しい素材で作ることも一つのアイディアです。
他、ペット好きならは、いつまでも一緒にいたいと考える人もいるでしょう。となると、お部屋の片隅に飾っておきたいなどのニーズもあるでしょう。よって、個性あふれる骨つぼ、かわいらしさを追求した骨つぼなどもおもしろいです。
パッと見えない部分に市場あり!
円安の状況下を考えると、今からコツ壺市場に新規参入は厳しいと思います。
骨壺の輸入を真似るではなく、自らの生活の中から新しいチャンスを見つけて頂きたいと思います。もしかすると、ライバルは一切不在の市場があるかもしれません!
もし、そのチャンスが日本の社会問題と繋がれば、より一層のやりがいがあるはずです。ぜひ、皆様も自らの生活を振り返っていただき、需要を見つけて頂けたらと思います。
まとめ
- 多死社会を前提にすると骨つぼを必要とする人が増えそう。
- 社会的な背景や潮流も含めて検討することが重要
- 骨つぼにも様々な需要がある。
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