この記事は、貿易で使うコンテナの20フィートと40フィートを比較しています。
外国に貨物を輸送する一般的な方法は、20フィートや40フィートのコンテナを使った輸送です。(1フィートは約30cm。÷3をすると、6mや12mのコンテナに該当)荷主は、物量などや料金などを考えて、これらのコンテナの内、より適切な方を選びます。
しかし、実際にコンテナを選ぼうとすると、どちらのコンテナが選べばいいのかわからないことも多いです。そこで、この記事では、20フィートと40フィートコンテナを選ぶときに考えるべきポイントをご紹介していきます。
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20フィートと40フィート
輸出時に適切なコンテナを選ぶことは、受け手側(輸入者)に好印象を与えます。
例えば、すでに20フィートの物量に達しているにも関わらず、無理にLCL(混載)で運ぶと、輸入国側で大きなCFSチャージが発生するため、輸入者からのクレームにつながりやすいです。やはり、物量を考えた上で適切な輸送形態を選ぶことが重要です。
検討するべき2つのポイント
実は、この混載と20フィートとの関係のように、20フィートと40フィートにも、選ぶべきポイントがあります。それが次の2つです。
- 容積と最大重量
- 輸入国側のドレージ代金
1.容積と最大重量
20フィートと40フィートのコンテナ容積や最大積載量を比べると、次の3つの特徴があります。
- 最大重量は同じ。
- 自重(コンテナ自体の重さ)は、40フィートが二倍
- 容積は、40フィートが二倍
20フィートと40フィートを比べた場合、長さが倍になるため、すべての数値が倍違うと考えがちです。しかし、実は、最大重量はどちらも30000キロで同じであり、容積のみが二倍違うだけです。最大重量は同じであるため、40フィートコンテナは「容積勝ち」をする貨物に向いています。
基本的に、容積勝ちをする貨物を輸送する場合は、40フィートを使った方がお得です!ただし、だからといって20フィートが劣っているわけでもなく、下で説明する輸入国側の配送料とも合わせて考えます。
2.輸入国側の配送料
港からコンテナ単位で配送する場合は、ドレーという専用トラックを使います。もちろん、日本以外でも同様にドレーによる配送が一般的です。日本国内場合は、タリフに荷主ごとに設定する料率をかけることで料金が決まります。
例えば、港から片道20キロの場所までコンテナを輸送する場合は、ラウンド40という料金表に基づきドレーの輸送料金が決まります。
では、仮にこの輸送距離が同じ場合で20フィートと40フィートを輸送する場合、料金はどのようになると思いますか? やはり長さが倍ですから料金も倍になるのでしょうか?
実は、そうとはならないのです。地方によっても変わりますが、20フィートと40フィートの輸送料金は、約1.5倍ほどの価格差があるだけです。
例えば、ラウンド20、20フィートの輸送料金が10000円だとしましょう。この場合は、40フィートの輸送であっても15000円前後になることが多いです。したがって、40フィートは、20フィートよりも割安な価格で輸送ができると考えられます。
ただし、全く40フィートの物量に満たない物を入れるのも「ミニマムルール」などの観点から問題があります。やはり、物量に対する適切なコンテナを選ぶことが重要です。
まとめ
- 20フィートは6m、40フィートは12m
- どちらも最大重量は同じ。
- 40フィートは、20フィートの2倍の積載量がある。
- 最大積載量と輸入国側のドレージ代金を含めて検討する。
- 日本側のドレージ代金は、20フィートと40フィートで1.5倍ほどの差のみ
- 基本的には、40フィート単位で輸送した方がコストパフォーマンスは良い。
- ただし、だからといって20フィートが劣っているわけではない。
- 物量と積載量、国内ドレージ代金の三つを考えて適切な方を選ぶことが重要