自社通関の始め方 自分でやるメリットと方法は?

自社通関 輸入ビジネス
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「個人事業主で通関業者に依頼をしたら断られた」

「一応、法人だけど断られた」

「誰も通関手続きをしてくれない」

このような状況に置かれている方は「自分で通関する方法=自社通関」を検討します。自社通関により実績を上げた後、通関業者等へ依頼する流れが現実的です。そこで、この記事では、自社通関の概要とメリット、デメリットをご紹介していきます。特に、どこの通関業者にも相手にされない方には、必見の情報です。

関連記事:貿易をするときは個人事業が良いの?それとも法人?

自社通関

自社通関は、自身の商品に関する通関を「自社」ですることです。実は、輸出や輸入をする会社でも税関への輸出入申告は「通関業者」に任せることが一般的です。○○商事と名の知れた大企業であっても、通関業者に依頼しています。しかし、通関業者を含めた貿易関係業界は、非常に閉鎖的であることで有名です。特に立ち上げて間もない法人や個人事業主は、お金の問題や「不審な荷物」を積み込むリスクなどからほとんど断られます。10社頼んで2社ほどが応じるかだと考えて下さい。

信用ができない。危ない荷主の貨物は、扱わない。ということです。

もし、現在、このような状況に置かれているときは、あなた自身の問題というより、貿易業界全体の構造的な問題に由来するものだと考えます。したがって、断られたからといって、過度に凹む必要もなく「自社通関」で輸入実績を積み上げれば良いだけです。

輸入実績は輸入者符号に記録されていくため、まずは自社通関で一定の実績を積み上げた後、軌道に乗ったら通関業者に頼む流れでいいと思います。その方が最初の時点では、ビジネス上で学べることも多いですし、通関ノウハウの蓄積にもつながります。

通関業者に代行する場合との違い

日本税関に輸出入の申告代行をするのが「通関業者」です。では、この代行と自社通関の場合では、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか?それぞれは、次の通りです。

通関業者による代行に対して自社通関のメリット、デメリットは……………………….

メリット

  • 費用を節約できる。
  • 輸入ノウハウがたまる。

通関業者に依頼するときは、通関手数料(11800円)や取り扱い手数料(10000円など)の諸経費がかかります。自社で通関をすれば、この費用を節約できます。ただし、自社で通関をする場合でも、通関手続きに伴う自社の人件費がかかることに留意します。また、自身で通関をすることで、通関全体の流れや仕組みなどを理解できます。必要書類、HSコード、貨物の流れなどを全体的に把握ができるのが大きなメリットです。

デメリット

  • 処理が面倒
  • 関係諸機関との調整が必要(配送業者、輸入検査機関など)
  • 通関業者による関税立て替えのメリットを受けられない。
  • 申告ミスをする可能性がある。

一方、デメリットは、通関に関わる煩雑な仕組みを理解する必要があります。自社の商品がどのHSコードに該当するのか?それに伴う適切な関税や消費税の納付が求められます。輸入貨物を引き取るための面倒な手続き(D/O処理)も自身でする必要があります。また、輸出入するときの国内関係諸機関との調整も大変です。主な機関は、配送手段(混載便やドレー会社)、輸入検査機関(食品を輸入したときに関係する)などがあります。それらをうまく調整して滞りなく貨物が流れるようにします。

輸入申告における誤った分類ミスも悲惨です。

例えば、本来、関税率が10%の物を「5%」の所で申告していたなどです。この場合、事後的な調査で判明したときは「過少申告加算税」や「重加算税」などが課される可能性があります。

最後のデメリットは、関税や消費税の立て替えメリットが使えないことです。もちろん、これは、あなたと通関業者の関係によりますが、通関業者は、輸入者の関税や商品税を一旦、立て替えるところが多いです。しかも、数週間も無利子で立て替えるところもあります。つまり、これは、銀行から「無料の融資」を受けていることと同じです。通関業者を使わないときは「無利子で関税を立て替えてくれるメリット」を受けるのが難しいです。

それでは、自社通関のメリット、デメリットがわかった所で、次は自社通関を具体的に説明していきます!

自社通関/輸入の流れ

自社通関で「輸入」するときの流れを確認していきましょう!

  1. 事前に輸入相談をする。ミプロや税関など
  2. 最寄りの税関官署に出向きナックスで輸入申告する。
  3. アライバルノーティスに記載のチャージの支払いとD/Oを処理する。
  4. 混載会社やドレー会社にD/O(処理済みの紙)と許可書を渡す。
    →少量であれば、自分で取れる。
  5. 指定の場所へ納品してもらう。
    →コンテナ納品の場合は、コンテナが付いてから2時間以内にデバンを終える。
  6. 輸入商品の受け取り完了

1.事前に輸入相談をする。ミプロや税関など

輸入するときは、日本での関税率、輸入規制を確認します。輸入規制や関税率は、税関に相談できます。「関連:事前教示制度」もし、相談の幅を広げたいときは「ミプロ」を利用します。

2.最寄りの税関官署に出向きナックスで輸入申告する。

輸入する商品の保税地を管理する税関官署を訪ねます。例えば、あなたが名古屋港に輸入される物を申告するときは、名古屋税関「○○出張所」などに申告をします。もし、申告先がわからないときは、最寄りの税関に電話をして「申告先」を聞いてみましょう!

税関官署には輸出入申告をするための機械「ナックス(端末)」があります。わからないことがあるときは、税関職員に尋ねながら操作もできます。

申告に必要な書類:インボイスパッキングリストアライバルノーティス船荷証券(B/L)、イラスト(カタログなど商品詳細がわかる物)など。

3.A/Nに記載のチャージの支払いとD/Oを処理!

届いたアライバルノーティスに記載されている諸チャージを支払います。このとき、B/Lがサレンダー等でないときは、B/Lオリジナルが必要です。チャージとB/Lの差し入れ先は、アライバルノーティスに記載の「代理店」です。

アライバル 代理店2

この代理店に対して、アライバルノーティスの請求額を支払います。

振込先は、こちらに記載されています。

アライバルノーティスの振込先

 

チャージの支払いが終わったら、振込書などをFAXしたり、電話をしたりして入金した旨を伝えます。その後、「D/O」の処理が終わると、終貨物受取書のような紙がもらえます。(ファックスやEメールなど)その後、この引換書を運送会社に渡します。運送会社は、このD/Oと輸入許可書によって、貨物をピックアップできる仕組みです。

4.混載会社やドレー会社にD/Oと許可書を渡す。

運送会社に頼まないときは、輸入許可書とD/O(貨物引換書のような紙)さえ持っていけば、自分でも引き取れます。なお、貨物の保管倉庫は、アライバルノーティスの「搬入先」に記載されています。

アライバルノーティスの搬入先

5.指定の場所へ納品してもらう。

指定の納品先へ貨物を届けてもらいます。このとき、コンテナ未満の貨物(LCL)の場合は「混載業者」を利用して輸送します。FCLの場合(コンテナ)は、ドレー会社に依頼します。

LCLの場合は、配送されてくる時点ですでに「貨物の状態」になっていますが、FCLの場合は、コンテナで到着するため、コンテナ出し作業(デバン作業)が必要です。デバンは、原則2時間以内に終えないと「待機料」がかかる点にも留意します。

以上が自社通関の輸入の流れです。

自社通関 輸出の流れ

次に自社通関で輸出するときの流れを確認していきましょう!

  1. 事前に輸出相談をする(ジェトロなど)
  2. フォワーダー等に予約する。
    コンテナの場合
    指定の場所に空のコンテナが到着。その中に貨物をつめる(バンヅメ)
    コンテナ未満の場合
    フォワーダー等に指定される保税倉庫に貨物を送る。
  3. 搬入予定日を確認
  4. その後、税関官署へ出向き、ナックスにより輸出申告

1.事前に輸出相談をする(ジェトロなど)

日本からの輸出禁止品目でないのか? 特に機械製品の輸出は「輸出貿易管理令」が関係するため注意が必要です。輸出貿易管理令は、経済産業省に相談ができます。また、その他、相手国の輸入規制、輸出全体の質問は、ジェトロさんなどが便利です。

2.フォワーダー等に予約&輸出貨物を送る。

輸入者(相手国)とのインコタームズによりますが、日本から海外までの輸送ルートを構築します。海外との輸送は、船会社への直接依頼とフォワーダーなどに依頼する方法の2つがあります。また、この他、貨物をコンテナ単位で輸出するのか?それともコンテナ未満で輸出するのか?も重要です。

コンテナ(FCL)、コンテナ未満(LCL)の場合の貨物の搬入方法は、次の通りです。

輸送単位 意味
コンテナ輸送の場合 指定の場所に空コンテナが到着する。その中に貨物をつめる(バンヅメ)
コンテナ未満の場合 フォワーダー等に指定される保税倉庫に貨物を送る。どこ?→フォワーダー名+搬入先で検索をしよう!

コンテナ、コンテナ未満ともに「カット日」に気を付けましょう!

輸出貨物を送る方法

コンテナ輸送の場合は、自社の倉庫に空コンテナが届き、その中に貨物を詰めるだけです。バンニング後のコンテナは、港に向かいターミナルに搬入されます。一方、コンテナ未満のときは、フォワーダーなどが指定する搬入先倉庫に何らかの形で貨物を届けます。輸送方法は、自社トラック、専門業者など様々です。ただし、この搬入便の確保が非常に難しい状況にあります。

実は、倉庫に搬入するためのトラックは、横づけをすれば、すぐに荷物を下ろせるわけではなく、長い車列の果てにようやくできるという状況です。そのため、基本的には、ヤマト運輸などの宅配業者は搬入輸送を受けてくれない可能性が高いです(特に都市部)もちろん、搬入するための輸送を専門にしている会社もありますが、スペースの関係上、長年の取引先を優遇して、新規荷主は受けてくれないことが多いです、つまり、船の予約を完了しているのに、貨物を倉庫に預けられない状況なのです。

上記のことを踏まえると、新規荷主の方で混載輸送(LCL)を使いたいときは、次のいずれかの方法で搬入便を確保する必要があります。

  1. 自社でトラックを確保して輸送する。
  2. 赤帽などのチャーター車を確保する。
  3. 先輩の輸入者からの紹介を受ける

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3.搬入予定日を確認(入庫票をもらう)

コンテナ単位の場合は、コンテナターミナル。コンテナ未満のときは、指定の倉庫に保管されます。この保管のことを「搬入」と言います。原則、税関への輸出申告は、この搬入の後におこないます。そのため、輸出申告をするときは、この搬入日を確認します。

4.税関官署へ出向き、ナックスにより輸出申告

搬入の確認ができたら、税関官署にいき、輸出申告します。

5.輸出完了

よくある疑問

Q.自社通関に通関士はいる?

自社の社員(個人事業主含む)が自社の貨物について申告する場合は、通関士等の資格は一切不要です。通関士の資格は、他社(他人)の貨物を代理で申告するときに必要です。

Q.自社通関/NACCSは?

輸出入申告が頻繁なときは、自社内に「ネットナックス」の導入もできます。

Q.自社通関のとき英語は必要?

通関というと、英語が必要だと考えます。もちろん、読めたことに越したことはありませんが、通関自体は、英語が苦手でも十分にできます。インボイスやアライバルなどの貿易資料なども決まった英語しか使わないため、特に難しいこともありません。

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まとめ

  • 個人事業主や貿易が初めての法人は、通関業者などに相手にされないことが多い。
  • 相手にされないときは「自社通関」で実績を積む。
  • 自社通関には、メリット・デメリットがある。
  • デメリットでも「貿易を学べる」意味ではメリットと考えられる。
  • 具体的なステップ等は、税関などでも相談に応じてくれる。

 

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