この記事は、オンボードクーリエの意味を説明しています。
「海外に緊急搬送したい」「一刻も早く」「お金はいくらかかっても良い」
ビジネスをしていると、経営上の問題から一刻でも早く貨物を送りたいときがあります。このときに役立つのが「国際ハンドキャリーサービス(オンボードクーリエ)」です。国際ハンドキャリーは、手荷物として搭載し、目的地までの輸送を最短、最速で行う輸送サービスの一つです。そこで、この記事では、オンボードクーリエの基本的な知識をご紹介していきます。
オンボードクーリエとは
海外企業との間で取引をしていると、「一刻でも早く貨物や書類を運びたい」ときがあります。
例えば、貨物の輸送時に関係する書類にB/L(船荷証券)があります。B/Lは、船に貨物を積み込むときに船会社(フォワーダー)から発行される貨物の受け取り証です。貨物の受取証であるため、輸出国で受け取ったB/Lを輸入国側で差し出すことで貨物を引き取れます。このB/L原本を入手するために、緊急的に輸送することがあります。
また、ある事例だと、生産に必要な部品の緊急搬送があります。工場の生産で必要な部品が欠品し、生産ができない状況に置かれるなどです。このような緊急事態に対処するための輸送サービスを「国際ハンドキャリー(別称・オンボードクーリエ)」と言います。
オンボードクーリエの特徴
クーリエと聞くと、DHLやフェデックスさんなどが思い浮かびますね。では、これらのクーリエとオンボードクーリエは、どのような点が違うのでしょうか? フェデックスさんの輸送も非常に速いことで有名であるため、別にフェデックスさんなど(一般のクーリエ)でも問題がない気がします。しかしながら、オンボードクーリエには、これら一般クーリエにはない特徴がいくつかあります。それが次の4つです。
- 航空機の搭乗日ギリギリまで対応可能
- 通関が緩めに設定されている。
- 確実に荷物を輸送できる。
- 手荷物の最大重量まで輸送ができる。
1.航空機の搭乗ギリギリまで対応可能
オンボードクーリエは、旅客の手荷物として輸送するため、航空券さえ手に入れば、搭乗時間のギリギリまで荷物の受け取りができます。
2.通関が簡易的に設定されている。
手荷物としての通関であるため、貨物としての通関よりも緩やかな扱いを受けられます。この点は、税関も「成田空港におけるオンボード・クーリエ貨物の旅具通関扱いについて」の中で次のように述べています。
成田空港において旅具通関扱いができるオンボード・クーリエ貨物は、下記2に掲げる「オンボード・クーリエ貨物取扱計画書」を提出したオンボード・クーリエ会社の運送人が、航空旅客として携行することにより運搬が行われる貨物のうち、次に掲げるものとする。
(1) 船積書類、契約書、報告書等無税の書類
(2) その他無税の印刷物、写真、図表及びこれらに類するもの引用元:税関
3.確実に荷物を輸送できる。
航空機は、旅客の手荷物が優先的に搭載されるため、積載容量が一杯でこれ以上、積み込めないときでも「荷物を落とされず」に運べるメリットがあります。航空会社は、貨物室の容量が一杯のときは「貨物」として搭載されている物を次の便に回し、旅客の手荷物を優先的に積み込ためです。
4.手荷物の最大重量まで輸送ができる。
オンボードクーリエは、手荷物として輸送するため、20キロまでの輸送であれば、無料の枠内で輸送ができます。もし、無料枠を超える範囲であっても、超過分の料金を支払えば、問題なく運べる点も大きなメリットです。
以上の四つがオンボードクーリエの特徴です。とにかく、緊急的な輸送であれば、最も確実かつ迅速な方法だといえます。
オンボードクーリエの料金例
オンボードクーリエは、目的地に貨物を輸送する上で最も早く輸送する方法です。では、実際にオンボードクーリエを使ったときは、どのような料金がかかるのでしょうか? オンボードクーリエは、緊急輸送であるため、出発の前日など、ぎりぎりのタイミングで航空券を手配することが多いです。そのため、普段であれば、格安で購入できる航空券も非常に高額になっている可能性が高いです。
ここは気を付けよう!
オンボードクーリエを利用する場合、最も気を付けることは「輸出貿易管理令」です。いわゆる核開発や武器の開発につながる産品は、測定器などの小型の製品から、意外な物まで様々な物が指定されています。特に指定製品をホワイト国以外に持ち出すときは、様々な規制をうける可能性があるため気を付けましょう!規制の有無を知らずに持ち出しても、外為法違反になるため、十分に注意しましょう!
まとめ
- オンボードクーリエは、旅客の手荷物として輸送すること
- 手荷物として運ぶため、荷物を確実に搭載することができる。
- ただし、すべてが緊急であるため、料金等も高くなる。