タイ人は今、タイで外国を冒険している真っ最中です。海外からやって来るモノやサービスに触れ、心地よい時間を楽しんでいます。次は、どんなモノがやってくるのか?タイで流行っているものとビジネスチャンスに迫ります。
タイで流行っているもの
日本の商品はもはや定番です。
タイの首都バンコクには、外国から急激な勢いでモノが流れ込んでいます。中でも日本のモノは、もはやブームではなく“定番”と言ってもよく、タイ人の心をしっかり掴んでいます。人気or不人気はありますが、日本のモノ=良いものという図式がタイ人の中では出来ている気がします。
“次は、どんなモノが日本から来るのだろう?”期待しているタイ人は多く“今、日本で何が流行っているの?”“日本へ遊びに行くけど、スニーカーを買うならアメ横がいいの?”などと良く質問されます。昔からタイ人は、日本のモノに憧れを持っていました。しかし価格が高く、買うことが出来るのは限られた富裕層の人々のみでした。だんだんと国が豊かになってくると、裕福な中間層が増え、多くの人々がその質の良さを実感し出しました。ジャパン・クオリティがある限り、ビジネスチャンスはまだまだあります。
日本食にうるさいタイ人が増えている。
タイには庶民の食として有名な“クイッティオ”というタイ風ラーメンがあります。日本のラーメンとは麺も出汁も違いますが、その味を食べ慣れているタイ人には、ラーメンは特に違和感はないのでしょう。どんなタイ人に聞いても、ラーメンは食べたことがあると答えが返ってきます。そして“おいしい”と。バンコクには有名なラーメン店が数多く進出しています。
価格は、タイ人の一回の食事としてはそれなりに高額です。それでも食べるタイ人が増えています。ただし、ラーメンに限らず日本食に関してタイ人は厳しく、奥深くなっています。“あそこのラーメンは出汁が薄い”“麺が固すぎでまずい”“おいしいけれど、ちょっと高いよね”など。日本のモノだから全て良いではタイ人は判断していません。ラーメンに限らず、タイ人の好む味などお店作りを誤るとタイでは必ず失敗します。
おいしさ以外にタイ人が気にすることは?
おいしいことは言うまでもありませんが、価格設定は特に大事です。バンコクで、タイ人並みに暮らすのであれば、一日200Bもあれば3食可能です。そんな国で、日本より高い値段で提供する日本食をタイ人はもとより日本人でも食べません。一部のタイ人を除いて、一食250Bの日本食なら、安くておいしいカオマンガイを食べて、食後にカフェを楽しむ方が良いです。
流行っている日本の定食はだいたい150B前後です。ボリュームもそれなりにあり、日本の味に限りなく近いです。また店内の演出も大切です。タイ人は「涼しくて快適な空間」が大好き。見た目が普通の椅子やテーブルでは、若いタイ人をひきつけられません。
良いセンスの調度品、照明の明るさなど、食べ物以外にも“味のある”演出が必要なのです。日本人の感覚ですと“さっと日本食でも喰って帰るか”ですが、タイ人の場合は“日本食を食べに行くから、おしゃれしないと”になるのです。タイ人の多い日本の定食屋や居酒屋を見ると、その辺を察知して店内に上手く活かしています。
タイでは、どのようにして火が付くのか?
タイでの流行り方は、日本とは違います。“アメリカで一気に火が付き、日本でも大ブームに”という感覚ではありません。
「もともとタイにあった商品だが、ほとんど知られてなかった。しかし日本の商品ブームに乗って、その商品が広く認知された。」
保守的なタイ人は、積極的に外国の商品に触れようとしませんでした。しかし時代とともに裕福な人々が増えると、外国の商品に触れる機会が多くなってきました。また日本旅行を通して商品の良さを知ったことで、タイにもともとあった日本の商品がどんどん人々へ知れ渡るようになったのです。
結果、一気にブームになります。皆、人と同じような格好をし、ラーメンを食べコーヒーを飲むようになります。ラーメンでも、いろんなお店が進出しているので“今度は、これを食べてみよう”とタイ人はタイにいながら日本を冒険していると言えましょう。最近は、ネットなどを通して気軽に外国のモノを知る機会が多くなったので、一気にブームになることがあります。
タイの企業は、虎視眈々とチャンスを狙っている?
外国の商品が続々と入ってくる現状を、タイの企業はどう思っているのでしょうか?“これはチャンス”と見ているかもしれません。その例がコーヒーとラーメンです。スタバと同じ質の商品やサービスは提供出来ないが、タイ風にアレンジした商品展開を検討するようになったのです。
コーヒーならタイ人が好む甘いメニューを増やし、ラーメンならトムヤングン味のラーメンや、チーズ入りの餃子を提供しています。このタイ風にアレンジされた商品、やはりタイ人には馴染みやすいのでしょう、結構受け入れられています。ただし私は、途中でトムヤングンラーメンを食べるのをやめました。まあ、少数の外国人に拒否されても、大勢のタイ人に受け入れられれば成功!と読んでいる節があります。
*実際「チーズ入りの餃子」は、タイ人に人気です。タイでは、チーズも流行っています。
タイ人がコーヒーを飲み、楽しむようになった!
タイ人の飲むコーヒーは、インスタントでコンデンスミルクを入れた、およそコーヒーとは言えないものでした。それが今や、豆から挽いたコーヒーを提供するお店が増えています。そもそもタイ人は、コーヒーをほとんど飲みません。スタバはありますが、観光客が占めており、一部の富裕層のタイ人が飲むかどうかでした。
スタバは、ホット&アイスのアメリカンで105Bします。一般のタイ人には安くはないので、価格も含めて敬遠されていたのでしょう。しかし今や若い人を中心に、気軽に豆から挽いたコーヒーを飲んでいます。決してホット&アイスのブラックコーヒーは飲みません。ミルクたっぷり、ホイップクリームがのっかっている甘いアイスコーヒーです。
このタイ人の好むコーヒーの傾向を知ってかどうか、タイ企業の「アマゾン」というコーヒー店が人気を博しています。元々はガソリンスタンドの隅に店舗を構えていましたが、スーパーや大衆デパート内にも店舗が増えてきています。特筆すべき点は、価格とメニューです。タイ人の好きな甘いコーヒーのバリエーションが豊富です。一度飲んで見ましたが、スタバの半分の価格の50Bでこの味なら悪くはないです。ただし店内がそんなに広くないのと、観光客が訪れる高級デパート内にないので、外国人客を増やすための今後の戦略が問われるかと思います。
ステーキも食べるようになった!
ステーキを気軽に食べるようになったのも驚きです。「サンタフェ」という、タイに20年以上前からあったお店が人気です。以前は、外国人客ばかりでしたが、今はタイ人が占めるようになっています。本格的なステーキのお店ではありませんが、店内は落ち着いた雰囲気で価格も手頃です。
ステーキ以外にも、スパゲッティや豊富な種類のジュースもあります。メニューの中からステーキ、スープ、サラダ、ソースを選べる「コンボセット」が人気。100B以下の小腹を満たすメニューもあり、いつもにぎわっています。こういう、ステーキ店なのにいろいろある感覚がタイ人の心をくすぐるのかもしれません。あるショッピングセンターの同フロアーに、サンタフェとペッパーランチが入っています。いつ見てもサンタフェの方が客は多いです。
この日本の商品がイチ押し
今後、タイ人の琴線に触れるのでは?と私なりに思っている日本の商品がいくつかあります。
目薬
普通の抗菌目薬はありますが、日本のようなビタミンやスーッとする成分が入っているものはありません。私は、パソコン仕事で疲れた目に目薬をさすのが当たり前なので、日本に帰ったときは大量に買います。友人のタイ人にすすめたとき、スーッとする目薬は好評でした。目が疲れたら水で洗うタイ人が一般的ですが、目薬はいいのではないでしょうか?
弁当箱
タイの弁当箱と言えば、ステンレスの三段重ねが定番です。タイ企業の日本食のお店へ行くと、ごはんとおかずをきれいに小分けした幕ノ内弁当の箱で提供する店が増えています。あるお店に聞いた所、やはり日本から輸入しているそうで、この弁当箱を欲しがるタイ人客が多いそうです。外食文化のタイだから、弁当箱は不要だったのでしょう。しかし今では、屋台で買ったおかずを弁当箱に入れてもらっている若い人々を見かけます。種類豊富な日本の弁当箱は人気が出ると考えます。
プラスチックのナイフ、フォーク、キャップ
ナイフやフォークは固くないので、おかずをつかみにくいです。ペットボトルのキャップは固すぎて開かないことがあります。ぜひ、日本の企業に改善して欲しいです。
カー用品のお店
郊外に専用のショッピングモールはありますが、中心部にはありません。車大国のバンコクには欠かせない商品です。
人気の日本の商品
私がバンコクで見て感じた、人気&定番の日本の商品です。
- 8番ラーメン
- アネロのバッグ
- 居酒屋なぎや
- ココイチカレー
- 鬼塚タイガー
- 無印
- ユニクロ
- Gショック
*逆に不人気というか、あまり知られていないのがSONYのスマホ。持っているタイ人を見たことがありません。
まとめ
- タイでは、日本ブームはこれからも続くであろう。
- 外国の商品を見るタイ人の目は厳しくなってきている。
- もともとタイにあったモノが、いつの間にか流行っていることがある。
- そのままではなく、タイ風にアレンジされたモノを好むタイ人は多い。
- コーヒー&ステーキ、タイ人には考えられなかったモノが、今や人気に。
ライター:Masa.
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