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小口輸入の最適ルートを一発判断 重量・サイズ・納期から選べる“輸送方式チャート”完全版
本記事は「小口輸入の最適化シリーズ」です。第5回です。
このチャートで「小口輸入のモヤモヤ」が整理できる
小口輸入は、方式判断の要素が多いため迷いやすい領域です。宅配便とフォワーダーの違い、航空と海上の使い分け、重量帯ごとの費用構造など、判断材料が複数あります。
この記事では、これまでの4記事の内容を統合し、重量・容積・納期・発地条件の4軸で方式を一発判断できる“完全版チャート” を提示します。方式そのものの構造を理解すると、国別の細かな差よりも実務判断が安定します。
まずは「重量×サイズ」のゾーンを確認する
方式判断の起点は、重量と容積です。
- 40kg以下:宅配便が実用的
- 40〜100kg:宅配便と航空の境界
- 100〜200kg:航空フォワーダーが優位になりやすい
- 200〜300kg:航空と海上の比較ゾーン
- 300kg以上:海上LCLが候補として強くなる
また、重量より容積が大きい場合は海上寄りになります。最初のサイズ測定の誤差は、方式判断の誤りに直結します。
納期の優先度で「方式」が大きく変わる
方式は、距離よりも“納期基準”が決定要素になります。
- 急ぎ → 航空
- 通常 → 航空フォワーダー
- 急がない → 海上LCLが現実的
スピードと費用は常に反対の動きをするため、優先度を明確にすることが大切です。「船は遅い=使えない」という誤解も多いですが、在庫計画が組める商材では海上は十分に有効です。
重量・容積・納期の三要素を整理できたら、あとは実際にチャートで判断してみましょう。
以下の表では、どのような条件でどの方式が現実的になるかを、視覚的に確認できるようになっています。
小口輸入者向け「輸送方式チャート(視覚的判断表)」
以下は本文の中心となる 視覚的チャート(マトリクス表) です。読者が一発で方式を絞り込める構造にしています。
輸送方式は、次の5段階で判断すると整理しやすくなります。
- 重量を確認する
- 容積を確認する
- 納期基準を決める
- 発地側の条件を確認する
- 最終方式を決定する
「輸送方式の選択マトリクス(判断チャート編)
このチャートは「最適方式を決める」のではなく、「候補を絞る」ためのものです。最終判断は、重量・容積・納期・集荷条件を整理した上で、見積比較によって行います。
| 判定軸 | 〜40kg | 80〜150kg | 150〜250kg | 250〜300kg | 300kg〜 |
| 最適方式の傾向 | 宅配便 | 航空中心 | 航空⇔海上比較 | 海上有利 | 海上 |
| 容積比が大きい場合 | 別方式検討 | 海上寄り | 海上寄り強め | 海上確定 | 海上確定 |
| 納期が急ぎの場合 | 宅配便 | 航空 | 航空 | 航空可 | 航空△ |
| 発地側作業が必要な場合 | 航空/宅配 | 航空 | 航空 or 海上 | 海上有利 | 海上 |
| 判断の優先ポイント | 手間 | 費用+速度 | 容積+費用差 | 納期+容積 | 容積 |
判断の前に、方式ごとの性質理解は、国際宅配便・航空フォワーダー・海上LCLの違い(記事2)で整理できます
判断する為の簡易スコアリング
| 重量スコア: |
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| 容積スコア: |
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| 納期スコア: |
|
| 総合: | 上記の合計点を以下に当てはめましょう! 合計3〜5 → 航空寄り |
“5段階判断チャート”(フロー式)
- 重量を確認する(40/100/200/300kgが基準)
- 容積重量を算出し、実重量との比率を見る
- 容積÷実重量が 1.5以上 → 海上寄り
- 納期基準を決める(急ぎ/通常/急がない)
- 発地条件を確認する(EXW/FOBで集荷の有無が異なる)
方式の分岐例
- 40kg以下:宅配便が実用的
- 80〜150kg(容積小):航空フォワーダー
- 150〜250kg:航空と海上の比較が必須
- 250〜300kg(通常納期):海上LCLが強い
- 複数箱で容積が大きい:重量帯に関係なく海上寄り
これは「考え方」を示したものであり、固定値ではありません。
誤判断を避けるために「必ず確認すべき5点」
方式選択の前には、次の5点を確認する必要があります。
- 荷物サイズ(容積重量の計算を含む)
- 発地側条件(工場渡しや現地集荷の有無)
- 商材の通関区分(一般貨物かどうか)
- 在庫の回転速度(納期基準)
- 複数方式の見積比較を行ったか
これらの情報が不明のまま方式を決めると、費用や納期にズレが生じます。
ケーススタディで判断のリアルを理解する
ケース1:8箱/180kg/通常納期
→ 航空フォワーダーと海上LCLの比較が必要
ケース2:5箱/120kg/急ぎ
→ 航空フォワーダーが優位
ケース3:10箱/280kg/在庫に余裕
→ 海上LCLが現実的
方式は「距離」ではなく「重量・容積・納期」で決まります。
「自分で判断しきれない」場合の考え方
中量帯(100〜300kg)は判断の誤差が起きやすく、初回は専門家に相談しながら進めるのが合理的です。
このシリーズ1〜5記事で「費用の仕組み → 方式の違い → 切替方法 → 重量帯 → 最終チャート」という体系が完成するため、基礎判断力は十分身に付きます。
次に進むための行動ステップ(実務版)
以下は、検証結果で求められた「より具体的な行動ステップ」です。
- 重量・サイズを正確に測る
誤差は方式判断の誤りに直結。 - インコタームズを確認する(EXWかFOBか)
発地側費用の有無が決まる。 - 発地側の作業条件(集荷・梱包状態)を整理する
- 航空と海上の両方で見積比較をする
中量帯は比較しないと正解に到達できない。 - フォワーダーに問い合わせる前に依頼範囲を決める
- 輸送のみ、通関まで、国内配送までなど。

どこまで依頼するかで料金体系が変わります。
まとめ
- 重量と容積が方式判断の起点
- 納期基準で方式が大きく変わる
- 方式選択は5段階で整理すると判断しやすい
- 誤判断を防ぐには事前確認が不可欠
- 100〜300kgは比較が特に重要
- 困った場合は専門家に相談するのが合理的
あなたの貨物(重量・サイズ・発地・インコタームズ)を教えていただければ、航空・海上のどちらが合理的か、構造に基づいて解説できます。判断に迷う場合は一度ご相談ください。

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