英語による交渉が怖い。日本人最大の悩み、外国語の壁を乗越える
日本での日常生活においては、外国語を話さねばならない状況にぶつかることは殆どありません。日本語だけで全てが完結する環境下では、外国語アレルギーを持つ方が多くなるのも仕方のないことといえましょう。
しかしながら、あなたがタイ仕入れに赴いたならば、外国語と対峙しなければならない場面が必ずやってきます。
「英語なんて喋れないよ。ましてタイ語なんて無理ムリ! どうすりゃいいの?」
こんな不安が頭をよぎることでしょう。日本語しか話せないあなたは、異国の地でどのように対処すれば良いのでしょうか。大丈夫です。今回、タイで外国語の壁を乗越えるいくつかの方法をご提案いたします。
意外。タイ人は英語を結構話せる
初めに事実関係を整理しておきましょう。あなたは日本語オンリー、ではタイ人はどうでしょうか? タイ語が公用語のタイ人ですが、実は意外にも彼らは英語を結構話せるのです。
なぜなら、環境が日本と正反対だからです。観光大国のタイでは外国人を相手にすることが非常に多いため、門前の小僧よろしく、タイ人は自然と英会話を身につけているのです。私の体感では、むしろ自国語しか話せないタイ人の方が少なく感じます。
あなたが簡単な英語を羅列できれば、大体のケースで最低限の意思疎通ができるでしょう。
タイ人との会話では発音に注意
ただし、タイ・イングリッシュにはご注意を。彼ら特有の発音です。たとえば、Waterは「ウォタァ⤴️」と語尾が上がりますし、Timeは「ターム」と発音します。マクドナルド、と日本語調で言えばもちろん、McDonald、と英語調で言っても伝わらないと思います。
何しろタイ語には声調が5つあります。発音次第で「マー」は馬にも犬にも来るにもなります。微妙な発音を駆使し聞き分ける彼らには、私たちの和風英語が通じないことが多々あります(ちなみに売切れ等の場合、彼らはsold outではなく「ノォーハーブ」と言います)。
「ん、 簡単な英語が通じても和風英語が通じないとは?」
つまり、「彼らは日本人以上に英語を操れるが、発音の関係で突如通じないこともある。そんな時でも焦らず落ち着こう」ということです。己を知り、相手を知る。事実関係を事前に認識しておくことは重要です。さあ、次のステップへ進む準備ができました。
タイの空港でSIMカードを購入しよう
タイで外国語の壁を乗越えるために不可欠なもの、それはスマホです。スマホの力を存分に発揮させるため、空港に到着後、すぐにタイ現地のSIMカードを購入しましょう。たとえば、7日間無制限で使えて千円ほどです。快適速度で使用できます。AIS、TRUE、DTACの3社が代表的ですが、私はAISを選んでいます。
店員が持つ広告板に指差しオーダーすれば、手早くSIMカードを装着・設定してくれます。はい、すぐに現地の電波を拾ってスマホが使用できるようになりました。外国語と戦う賢者の剣を手に入れたようなものです。
どこのブースでどこのキャリアを選んでも、大差はない(写真は数年前のものです)
ところで、もしあなたが日本でahamoを契約中ならば、なんと追加料金なくタイで使い続けることができます。最長15日間、20ギガまでは速度制限なく利用可とのこと。短期滞在なら、そのまま使えるahamoがお得です。
あなたはどれ? タイプ別「外国語攻略法」
タイ仕入れに市場へと向かう日が近づいてきました。しかし、日本語だけで交渉はできません。言葉の不安で胸いっぱいなことでしょう。そんなあなたにタイプ別攻略法をご紹介いたします。
1.資金が潤沢で安心を求めるタイプ
答えは一つです。丸一日または半日のガイド付き通訳を業者に依頼するのみです。ただし、この場合でも注意が必要です。仕入れに不慣れな質の悪い通訳をあてがわれないためにも、信頼できる業者を選ばなくてはなりません。NIPPON47さんが通訳サービスを提供しています。
2.要所では費用をかけつつ節約もしたいバランスタイプ
ガイドを雇うまでの資金はないが仕入れの全てを自分一人でやるのも不安だ、という方なら、ビデオ通話を用いた通訳依頼の方法があります。通称ソーソートーと呼ばれる「泰日経済技術振興協会」には、翻訳・通訳センターがあります。そこではオンライン通訳のサービスを提供しているようなので、問合わせしてみるとよいでしょう。
さぁ、今こそ空港で設定済であろうタイ国内仕様の快速スマホを存分に駆使する時です。ビデオ通話なら擬似face to faceですから、スピーカー通話での通訳以上に意思疎通を図れるメリットがあります。
3.経費は極限まで削減したいタイプ
通訳を雇わず自分一人でやり切る決意をしたのなら、頼るべきはやはりスマホです。Google翻訳アプリを全開で活用します。以前に比べて精度は高まりましたが、タイ語の基本文型であるS+V+Oを意識しないと意味不明な翻訳となることがあります。「私は買いたい、あなたの商品を卸売価格で」等のように入力してみてください。相手方も99.9
%スマホを持っているので、お互いにアプリを通じての交渉ができるはずです。
当たって砕けろ! 難易度とコストはあなた次第。専属通訳を見つける秘技
ここまでは、割とオーソドックスな対処法をお伝えしてまいりました。しかし、せっかく異国の地へ赴いたのならば、知人の一人も作っておきたいもの。そして、その知人が今後も手助けしてくれるなら、これ以上の喜びはないはずです。
以下、なんのツテもなかった私が、日本語を話せるタイ人を探し出した秘技をご紹介。
1.日本語勉強中の学生を見つける
タイは言わずと知れた親日国。日本文化に興味を持った老若男女が日本語を学んでいます。制服姿の学生を見て閃きました。
「そうだ、日本語を話せる学生を探そう」
私は日本語学科がある有名大学へ行き学生に趣旨を話してみたところ、「いるわよ。アタイが連れて行ってあげる」と、いとも簡単にお目当ての学生を紹介してくれました。彼女たちは熱心に語学に取り組んでいると見え、とても流暢な日本語でした。
さて、本題に入ります。学生らは日本語を話してみたい願望があります。勉強の成果を試せるからです。また、学生だけにお金に余裕があるわけではありません。そこで、学生らにアルバイト代を支払い、通訳してもらうという寸法です。いえ、なにも仕入れに付き添ってもらう必要はありません。ビデオ通話での通訳ならOKのハードルもグンと下がります。
2.日本人向け飲み屋で見つける
「学生に声掛けするのは照れ臭い。不審者扱いされるのもイヤ」という向きなら、バンコクにいくらでもある日本人専用の飲み屋に行かれてはどうでしょうか。店員の大部分が日本語を話せますし、アルコールの力を借りることもできます。
この作戦を実行した私は、ママさんに相談しました。結果、幸運にも、欲しかった商材に造詣の深い店員さんが見つかりました。翌日の午後、二人で大量の汗を流しながら市場に行った記憶が残っています。
総括「言葉の壁、恐るるに足らず」
高性能なスマホと電波がある今日、言葉の壁は非常に低くなりました。過度の心配は無用です。我々もバックアップいたします。
以上
ライター:タイ好きライターA氏
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