仕入れ交渉はどうする?ChatGPTの使い方も紹介
欲しい商品が決まったら、次は「仕入れ交渉」と「コストの確認」です。
このタイミングでやること
- 海外の取引先に連絡して条件を聞く
- 商品代・送料・関税・国内の配送料・為替などをふまえて「本当の仕入れコスト」を計算
ここをきちんとおこなわないと
- 原価が思ったより高くて利益が出ない
- 納期や支払いでトラブルになる
- 関税の分類ミスで高い税金を取られる
などの失敗につながります。
この記事では、
- 仕入れ交渉の基本の流れ
- ChatGPTで英文メールを作る方法
- 複数の業者を比較するコツ
- 原価と利益の計算方法
をわかりやすく解説します。
海外の取引先とのやりとりで大切なこと
最初のメールでは「信頼できる相手」だと思ってもらうことが大事です。ただ「安くして」と言うだけでは相手にされません。
メール等には、こんな内容を入れると効果的です。
- あなたの会社やビジネスの内容(例:日本で日用品を販売)
- 商品の使い道(例:日本で販売予定、テスト販売など)
- 最初は少量のテスト仕入れを希望していること
- 長く取引したいと思っていること
- MOQ(最小注文数)、納期、支払い方法など確認したいこと

このやりとりも、ChatGPTに「英語で丁寧に書いて」と頼めば簡単にできます。
プロンプト例1:仕入れ交渉メールの作成
以下の条件で、海外サプライヤーに送る初回の仕入れ交渉メール(英語)を作成してください。
- 日本で日用品を販売している会社です
- 今回の商品は日本市場向け販売用
- 初回は少量でテスト発注を希望
- 長期的な取引関係を前提としたい
- 確認したい項目:MOQ、納期、支払い条件、カスタマイズ可否
プロンプト例2:自作した英文メールの文面チェックと改善
以下の英文メールを読みやすく、より丁寧でビジネス向きの表現に修正してください。
相手は中国の仕入れ業者で、初回の問い合わせです。<ここに自作メール本文を貼り付け>
プロンプト例3:相手から返信がないときの再送・フォローアップメール
以下の内容で、仕入れ問い合わせメールへの再送フォローを作成してください。
- 1週間前に初回の問い合わせをしたが、まだ返信がない
- 急ぎではないが、検討状況を確認したい
- 失礼のないトーンで返信を促したい
輸入原価を正しく計算しよう
海外から仕入れるときは、「商品代」だけを見てはいけません。実際にはいろいろな費用がかかるので、全部を合計して、ちゃんと利益が出るかを確認する必要があります。
主な費用は次の通りです。
- 商品代(FOBやEXW価格)
- 国際輸送費(船や飛行機の送料)
- 輸送保険(CIFで必要なこともあります)
- 関税・消費税(HSコードで変わります)
- 港や空港での通関・国内配送の費用
- 為替の変動や送金手数料
- 倉庫代・検品費・広告費など
これらを全部ふくめて「原価」を出し、きちんと利益が残るかをチェックしましょう。
プロンプト例:仕入れにかかる総コストを一覧化したいとき
以下の条件をもとに、海外仕入れにかかる総コストを一覧表で作成してください。項目ごとの説明と注意点も加えてください。
条件:FOB価格3.5ドル/個、海上輸送、日本の港着、関税5%、消費税10%、通関料1万円、為替:1ドル=145円
利益が出るかを概算したいとき(粗利計算)
以下の条件で、粗利益と利益率を計算してください。商品は1個単位で計算し、コスト要素をすべて含めてください。
条件:FOB価格3.5ドル、輸送費1.2ドル、保険0.1ドル、関税5%、消費税10%、国内費用200円、販売価格1,280円(税込)
関税・消費税を見積もりたいとき(HSコードに基づく)
以下の商品について、想定されるHSコードとその関税率・消費税率を教えてください。
- 商品:シリコン製の密閉保存容器(家庭用)
- 国:中国から輸入、日本で販売
複数条件で原価と利益のシミュレーションをしたいとき
以下の3つの販売価格設定で、それぞれ粗利と利益率を計算してください。原価条件は同一とします。
- 原価条件:FOB3.0ドル、輸送0.8ドル、関税5%、国内費用200円、為替145円/USD
- 販売価格:① 980円 ② 1,280円 ③ 1,480円
実際の進め方
たとえば、Alibabaで10社の仕入れ先に問い合わせて、それぞれの返事(価格・納期・最小注文数・送料など)をGoogleスプレッドシートにまとめます。
そのデータをChatGPTに貼り付けて、「どの会社が一番よさそうか?」と聞けば、メリット・デメリットを表にして比べてくれます。
次に、選んだ1社で仕入れたときのコストを計算し、販売価格と比べて利益が出るかを確認します。もし利益(粗利)が20%以下(商材等により異なる)なら、価格を上げるか、交渉し直す必要があります。
この「比較 → 計算 → 判断」の流れを早く正確に進めることが、成功への近道です。ChatGPTはその作業をサポートしてくれる便利な相棒になります。

条件(例:単価・MOQ・納期など)を明示したうえでChatGPTに評価させると精度が高まります
プロンプト例:複数のサプライヤー情報を比較・評価・利益試算したいとき
##指示
以下のサプライヤー情報をもとに、各社を比較して「最も条件が良い1社」を提案してください。比較項目は【単価・MOQ・納期・送料・支払い条件・OEM可否】とし、それぞれの長所・短所を表形式で整理してください。また、最も条件が良い1社を選び、その仕入れ価格と販売価格をもとに粗利益と利益率を試算してください。
##条件
- 為替:1ドル=145円
- 関税:5%、消費税:10%、通関料:15,000円
- 国内コスト:1個あたり200円
- 国内販売価格:1,480円(税込)
##以下が10社分の情報です。
会社A:単価3.2 USD、MOQ 500、納期25日、送料0.5 USD、T/T、OEM可
会社B:単価2.8 USD、MOQ 1000、納期30日、送料0.8 USD、PayPal、OEM不可
会社C:単価3.5 USD、MOQ 300、納期20日、送料0.6 USD、T/T、OEM可
##出力方式
- 比較表(表形式)
- 長所・短所の分析(コメント付き)
- 最適な1社の選定理由
- その1社で仕入れた場合の粗利と利益率の試算(1個あたり)
英文で仕入れ交渉メールを作りたいとき
以下の条件で、ビジネス英語として丁寧かつ端的な仕入れ交渉メールを作成してください。
- 商品名:lightweight folding umbrella
- MOQ:100個(交渉可能)
- 希望単価:3ドル以下
- 納期:30日以内希望
- 支払い方法:PayPal or T/T
- 初取引のため柔軟な条件を希望
- 使用目的:日本市場向け販売
商品の仕入れコストを円換算で試算したいとき
以下の条件をもとに、輸入時の総コストと1個あたりの原価を日本円で試算してください。出力は表形式でお願いします。
・商品単価:$3.00
・数量:100個
・輸送費:$120
・保険料:$10
・関税率:5%(CIFベース)
・消費税:10%
・国内送料:8,000円
・為替レート:1ドル = 150円
仕入れ条件に応じた最適な販売価格を試算したいとき
以下のコストをもとに、利益率20%、30%、40%を確保するにはそれぞれどの価格で販売すべきかを計算してください。円で出力をお願いします。
・1個あたり原価:870円
・販売手数料:販売価格の15%
英文のやり取りにおける確認・依頼文の定型を作りたいとき
以下の3つの目的に対して、短く丁寧なビジネス英語のフレーズをそれぞれ1文ずつ作ってください。
1. MOQの柔軟対応を依頼したい
2. サンプル送付について確認したい
3. 納期を再確認したい
よくある疑問
仕入れ交渉って何をするの?
仕入れ先に連絡して、価格や納期、最小注文数などの条件を確認します。
英語でメールするのが不安です…
ChatGPTに「丁寧な英文を作って」と頼めばOKです。内容を入力するだけで、ビジネス向けの文にしてくれます。
安くしてほしい時、どう言えばいい?
いきなり「安くして」ではなく、「テスト販売なので少量から始めたい」など理由を伝えると伝わりやすいです。
原価ってどこまで含めるの?
商品代だけでなく、送料・関税・消費税・国内送料・倉庫代など、全部を足して原価を出します。
粗利はどうやって計算するの?
販売価格から原価を引いた金額が粗利です。販売価格に対しての割合(%)もチェックします。
関税はどうやって調べるの?
商品名と素材をもとに「HSコード」を調べて関税率を確認します。ChatGPTに聞くと候補を出してくれます。
MOQって何のこと?
MOQは「最小注文数」のことです。これが少ないと初期リスクが減ります。
取引先から返信がないときは?
ChatGPTに「返信が来ないときの英文メールを作って」と頼めば、丁寧なフォローアップ文が作れます。
コストが高すぎて利益が出ない時は?
価格交渉をしたり、別の業者に変えるか、販売価格を見直す必要があります。
まとめ
仕入れ交渉とコスト計算は、輸入ビジネスにおける「損益の命運を分ける工程」です。感覚や勢いで判断するのではなく、数字と条件に基づいた合理的判断を行うことが求められます。
ChatGPTを使えば、英文メール作成やコスト試算を自動化・テンプレート化できるため、初心者でも短期間でレベルアップが可能です。
次回は、こうして仕入れた商品を「どこで・どう売るか」。ターゲット設定、価格戦略、販路の選定、販売ページの作成など、販売フェーズに突入します。
- 仕入れ交渉は「信頼+具体性」がカギ。ChatGPTで英文テンプレを作成
- 商品価格だけでなく、全体コスト(輸送・関税・為替)を正確に把握する
- ChatGPTに頼めば、試算・比較・判断の補助がスムーズに行える
- 10社以上を比較する場合はChatGPTで要約させると時短になる
- 利益率20%以上を確保できるかどうかが成功の分岐点になる(商材による)
次の記事>>「第4回:AIで作る売れる販売戦略」
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