捨て案件”が収入に変わる
国際物流の現場で働いていると、どうしても“会社としては対応できない案件”に直面することがあります。
- スペースが取れない。
- 社内ルールに合わない。
- 採算が合わない。
そういった案件は、一度は誰しも「もったいない」と思ったことがあるのではないでしょうか?
この記事では、そうした“捨て案件”を副収入に変えるための仕組みをご紹介します。フォワーダーとしての実務経験が、そのまま収益に変わる可能性がある副業です。
なぜ“断る案件”に価値があるのか?
物流業界では、会社が案件を受けるかどうかは、収益性や業務効率によって判断されます。LCL貨物やスポット案件など、売上が小さく工数がかかる案件は、見送られるのが多いです。
しかし、荷主側からすれば「誰かにお願いしたい」という切実なニーズがあります。そのギャップを埋めるのが、フォワーダー個人が副業的に対応する“紹介型モデル”です。
副業モデルの仕組みと収益化の流れ
このモデルは、フォワーダーとしての人脈や知識を活かして、以下のように収益化ができます。
- あなた:社内で正式に断った荷主案件を、副業プラットフォームへ紹介
- プラットフォーム:見積・契約・手配・請求など、実務全般を対応
- 成立時:案件の粗利(GP)から20〜40%が紹介者に還元
報酬例
- 月3件紹介 × GP10万円 × 分配率30% = 月9万円の副収入(※実例/筆者ヒアリング)
- 本業モデル:100万/月超えの方もいらっしゃいます。
あなた自身は実務に関与する必要がなく、ヒアリングと荷主のマッチングを担うことで報酬を得られます。本業コースの場合は、継続的に収益を得られるモデルもございます。
副業モデルが成立する3つの背景
このモデルが成り立つのは、以下の3点が業界構造として存在するからです。
- 本業で扱えない案件が常に一定数存在している(LCL・特殊輸送・緊急系)
- 荷主側には今すぐ相談したい“困りごと”がある
- フォワーダーには業務知識と現場ネットワークがある
つまり、あなたの日常業務で築いた知識と人脈は、すでに“営業資産”となりうるのです。
副業者の成功パターンと実例紹介
以下は、実際に副業モデルで成果を上げている方々の一例です(筆者取材)
- 航空輸送専門の現職者が、海上輸送案件を紹介
- 乙仲勤務者が、海外調達に悩む荷主案件を副業で紹介
- 60代退職者が、旧知のネットワークから月5件の紹介
いずれも「本業で拾えないニーズ」と「過去の経験・ネットワーク」を組み合わせて、現実的な副収入を得ています。
収益だけじゃない「経験資産化」の視点
このモデルは、単なる副収入だけでなく、以下のスキル向上・キャリア形成にもつながります。
- 案件の目利き力(ヒアリング・要件整理)
- 荷主との信頼構築力
- 副業を通じた営業力や提案力の向上
これらの経験は、将来的に独立を目指す場合や、社内評価の材料としても活用できます。
補足:現職とのバッティングは?副業での注意点
副業を始める前に、以下の確認を必ず行ってください。
- 会社の就業規則に副業禁止条項がないか?
- 紹介案件が自社の顧客や契約と競合していないか?
- 守秘義務・競業避止義務に違反しないか?
特に、既存顧客の案件を転用することは絶対にNGです。必ず「自社で断ったもの」「本業では対応できなかった内容」に限定しましょう。
補足:トラブルを防ぐための準備と心構え
副業とはいえ、業務上の責任や税務処理も発生します。
- 事前の契約・NDAの確認
- 報酬受取は自身名義が原則(家族名義・法人利用は税理士に相談を)
- 年間20万円以上の収入は確定申告の対象(雑所得 or 事業所得)
また、万が一のトラブルに備え、プラットフォームのカスタマーサポートや補償制度の有無も事前に確認しておきましょう。
フォワーダー副業は“始めやすく、続けやすい”
副業モデルの魅力は、「専門性を活かして、本業と両立しながら継続できること」。ノルマや営業義務がなく、実務も外部に委ねられるため、時間が限られた中でも取り組みやすい仕組みです。
もし「もっと自由に、もっと正当に評価されたい」と感じているなら、以下の記事もご覧ください。
次の記事「AI時代に選ばれるフォワーダーとは?」
基幹記事
輸出入と国際輸送の手引き
1.取引先を探す。
3.船積み準備
4.法規制
5.国際輸送
関連記事
◆スポンサード広告