本当にそれでいいのか? フォワーダーとしての“価値”の問い直し
あなたは、いまのままで本当に大丈夫だと思えていますか? 日々の業務に追われながらも、ふと頭をよぎる疑問——
「うちの仕事、AIでもできるようになるんじゃないか?」
「船社が直接APIで荷主とつながったら、自分たちは不要になるのでは?」
そんな不安を、見て見ぬふりをしていないでしょうか?
業界の変化は、もう始まっている
事実、フォワーダーを取り巻く環境は、確実に変わってきています。
- 船社の直販化(デジタルブッキング、API提供)
- 大手荷主による輸送業務の内製化
- FlexportやFreightosのようなデジタルプラットフォームの台頭
- 業務の定型化により、AIやRPAで代替できる範囲の拡大
単に「運ぶだけ」「伝票を処理するだけ」の役割は、どんどん価値を失っています。
フォワーダーは「物流屋」で終わっていいの?
フォワーダーの本質的な価値は、本来もっと広く深いものです。
- 荷主の商習慣や文化に合わせた最適なルート設計
- 通関、輸送、梱包、保険を総合的に見て判断する力
- 複数国・複数業者を動かす調整力と信頼構築力
- トラブル時の“最後の砦”になる判断力と対応力
しかしそれを、自分自身が“理解して伝えている”でしょうか? もし今、「言われたことを処理するだけ」になっているとしたら、見直すタイミングです。
今から取り組むべきこと:広義のフォワーダーへ進化する
フォワーダーはこれから「ただの物流担当者」ではなく、貿易全体を支える“伴走者”になることが求められます。
「運ぶ」だけでなく、「なぜ・どこに・どうやって運ぶのか?」という上流の意思決定に関与し、荷主のビジネス成功に貢献できる存在を目指すべきです。
その第一歩として、以下のような行動を意識的に取り入れていきましょう!
1ヶ月間チャレンジメニュー(実践型)
週 | 目標 | 具体的なアクション例 |
---|---|---|
1週目 | 情報感度を高める | 海外物流ニュースを1日1本読む/ChatGPTで今週の業界トピックを整理 |
2週目 | 見える化を始める | 対応事例を1件PDF化し、社内で共有 or SNSに投稿 |
3週目 | 知識を深める | EPA・インコタームズ・関税制度などの基礎講座を1テーマ学習 |
4週目 | 提案力を試す | 荷主に対し「納期・コスト・ルート」を踏まえた改善提案を1件作成 |
このチャレンジは、負担を抑えながら「物流屋」から「貿易伴走者」へと自分を少しずつ進化させる仕掛けです。
- 荷主の事業背景・目的まで理解した上での提案型対応(訪問時に「なぜこの輸送を行うのか」までヒアリングする)
- 通関・契約・関税・海外商習慣など“輸送以外”の知識の強化(月1回、業界セミナーや講座を受講する)
- AI・ツールを使った効率化で、「人でしかできない部分」に時間を割く(ChatGPTで提案文を作成、スプレッドシートで案件管理)
- SNSや事例資料で、自分の“判断力・提案力”を見える化する(週1回の事例投稿や成功対応のPDF化など)
価格だけを語る時代は終わった。「戦略的物流担当」への進化
物流は、単なる“コスト”ではありません。商品の最終価格や利益率に直接影響する「戦略領域」です。にもかかわらず、いまだに「安い」「早い」だけをアピールしているとすれば、それはフォワーダーとしての自分の価値を自ら矮小化しているに等しいと言えます。
荷主が本当に求めているのは、価格表の提示ではありません。以下のような“本質的な支援”です。
- なぜこの物流ルートなのか、他に選択肢はない?
- その条件でEPAは適用できるのか
- 月間物流コストをどう抑制できるのか
- 商品ごとに異なる梱包最適化は?
- 海外側の税制や通関要件はクリアできているか?
こうした問いに主体的に関われる力がある人間こそ、これからの時代に求められる「選ばれるフォワーダー」です。逆に、「物流の話しかできない」「それ以外は営業に聞いてくれ」では、近い将来、選ばれなくなる可能性が高まります。
AIやRPAの力を活用しながらも、「自分で考え」「自分で動ける」戦略的物流パートナーとしての立ち位置を確立する——。この視点の転換こそが、キャリアの長さ以上にあなたの“市場価値”を決めていくのです。
そしてもう一つの道:個人フォワーダーという生き方
今、フォワーダーとして「組織の一部で働くだけ」でなく、個人で動く選択肢を選ぶ人も出てきています。
- 担当者が決められないような細かい対応にも柔軟に対応できる
- 荷主ごとに最適な方法を一緒に考え、提案できる
- 荷主にとっては「大手よりも小回りが利く、頼れるパートナー」になる
実際に、個人で荷主案件を紹介し、信頼ベースでリピートを得ることで、安定した副収入や独立への道を歩んでいる人もいます。
最後に:自分の価値を、自分で定義しなおす時代へ
この変化の中で、ただ黙っていてもポジションは守れません。「何ができるか」よりも、「どう価値を伝えられるか」が問われます。
もし、あなたが「物流だけで終わりたくない」と思っているなら——いまこそ、“広義のフォワーダー”としての一歩を踏み出すタイミングです。
もし「もっと自由に、もっと正当に評価されたい」と感じているなら、以下の記事もご覧ください。
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