営業文書もAIで時短!ChatGPTで作るメール・提案書・FAQのコツ
売り方(海外販路)が決まり、バイヤーの候補も見えてきたら、次に大切なのは「伝え方」です。どんなに良い商品でも、うまく伝わらなければ売れません。
営業では、いろいろな文書が必要になります。たとえば、営業メール、商品説明、提案書、FAQ、レビュー文などです。それぞれの目的に合わせた文章づくりが求められます。
こうした文書作成の時間を短くし、仕事の流れをスムーズにするのにChatGPTはとても役立ちます。記事では、ChatGPTを使ってこれらの文書をどう作ればよいか、具体的な質問例(プロンプト)と出力例を紹介します。
営業メールの初稿を作る
海外バイヤーへの初回接触では、簡潔で失礼のない文体が必要です。フォーマル度合いや表現方法は、ターゲット国やバイヤー属性に応じて変えるべきです。
プロンプト例:
「日本製のBPAフリー保存容器を紹介する営業メールを、フォーマル・カジュアル・簡潔の3パターンで作成してください」
出力サンプル:
- 丁寧形式:Dear Sir/Madam, We are a Japanese manufacturer offering BPA-free containers…
- カジュアル形式:Hi there! We’d love to share a new product from Japan…
- 簡潔形式:This is a quick introduction to our BPA-free container, ideal for modern kitchens.
※英語表現は、国ごとの文化差や敬語感覚にも注意が必要です。
商品説明は使う場面で書き方を変えよう
商品説明は、使う場所(ECサイト、提案書、SNSなど)によって書き方が変わります。ChatGPTを使えば、それぞれに合った言い方で説明文を作ることができます。
プロンプト例:
「キッチン用品(BPAフリー容器)のEC用英語説明文を生成してください」
出力サンプル:
- “Keep it fresh, keep it safe—Made in Japan quality!”
- “Your everyday kitchen hero—now BPA-free.”
SNSではより感情に訴えるコピーを、ECでは具体的なスペックや使用場面を重視しましょう。
提案書の構成と本文を自動化する
提案書は商談の場面で重要な資料です。特に海外取引先には、構成と見せ方が論理的で明確であることが求められます。
プロンプト例:
「BPAフリー容器の商品提案書を英語で構成してください。各パートの文案も含めてください」
出力サンプル:
- 表紙(Product Name + Tagline)
- 商品特長(耐熱、軽量、安全性など)
- 使用シーン(家庭用、オフィス用)
- 条件提示(MOQ、単価、納期)
- 問い合わせ先(担当者情報)
※出力された文案は、最終的に社内での確認・修正が必要です。
FAQやレビュー文もあらかじめ用意しよう
販売ページや提案資料に必要な「よくある質問(FAQ)」や「レビューの例文」も、ChatGPTを使えばあらかじめ準備できます。これにより、手間を減らして効率よく対応できます。
プロンプト例:
「キッチン用品に関するFAQ(英語)と、レビューの良し悪し両方の例文を出力してください」
出力サンプル(FAQ):
- Q: Is it microwave safe? A: Yes, up to 140°C. Perfect for reheating meals.
- Q: What does BPA-free mean? A: It means the product is free from bisphenol-A, a chemical found in some plastics.
出力サンプル(レビュー):
- ポジティブ:「Seals tightly and feels durable. Very sleek design.」
- 中立:「Product is good, but delivery took longer than expected.」
- 改善希望:「Lid is hard to open. Otherwise, quality is decent.」
レビュー文は、バイヤーの立場になってあらかじめ想定しておくことで、販売準備や改善策に役立ちます。
この後の流れと具体的な進め方
販路(売り方)が決まったら、次は実際の行動に移ります。以下のステップで進めていきましょう。
初回連絡(メールやDM)を送る
見つけた候補には、まず自己紹介と商品提案を送ります。このときのポイントは「簡潔で丁寧な英語」「商品の強みを伝えること」です。
件名例:Business Inquiry – Japanese BPA-Free Food Containers
内容例:
- 自社紹介(会社名、国、事業内容)
- 商品概要(特徴・価格帯・ターゲット)
- なぜその相手に声をかけたのか
- カタログPDFやWebリンクの添付
ChatGPT活用例(プロンプト例)
「BPAフリー保存容器を現地バイヤーに紹介する英文メールを作ってください」と入力すれば、すぐにひな形が得られます。
条件の相談・交渉を行う
相手が興味を示したら、次は取引条件について話し合います。
交渉項目の例
- 最低注文数(MOQ)
- 卸売価格と支払い条件
- 納期と納品方法(FOB、CIFなど)
- サンプル提供の可否
- 独占販売の有無
ChatGPT活用例(プロンプト例)
「MOQの条件を丁寧に交渉する英文メッセージを作ってください」と聞けば、自然な文面が出せます。
契約書の作成・締結
条件がまとまったら、輸出契約書を取り交わします。海外取引では英文契約書(Sales Agreement)が一般的です。
契約書に入れるべき項目
- 商品名と数量
- 価格・支払方法(T/T、L/Cなど)
- インコタームズ(FOB、CIFなど)
- 納期・検品条件
- クレーム・返品対応
- 紛争時の管轄裁判所(例:東京地裁 など)
ChatGPT活用例(プロンプト例)
「英文で簡易なSales Agreementのテンプレートを作ってください」と頼めば、必要な項目入りの下書きが作れます。
輸送・納品の準備
契約が完了したら、輸送・通関の手配に進みます。
手配の流れ
- フォワーダー(国際輸送会社)に見積を依頼
- 輸出書類(インボイス・パッキングリスト・原産地証明など)を用意
- 通関 → 輸送 → 現地納品
ChatGPT活用例(プロンプト例)
「BtoB輸出で必要な書類の一覧を出してください」と入力すれば、チェックリスト的に整理されます。
Q&A(ChatGPT × 営業文書)
Q1. ChatGPTって、営業メールも書けるんですか?
A1. はい、書けます。「商品の特徴」や「相手の国」などを伝えれば、フォーマル・カジュアルなど文体に合わせてメールのたたき台を作ってくれます。
Q2. 英語が苦手でも、海外向けの提案書を作れますか?
A2. はい、ChatGPTを使えば、英語の提案書の構成と文面の下書きを作ってくれます。あとは内容を確認して調整するだけでOKです。
Q3. FAQやレビューまでAIで作れるって本当?
A3. はい、本当です。「よくある質問」や「バイヤーが言いそうな感想」をあらかじめ準備できるので、商談や販売準備がスムーズになります。
Q4. 出力された文章は、そのまま使っても問題ないですか?
A4. 基本の形としては使えますが、最終的には内容を自分で確認して、相手に合った表現に調整するのが安心です。
Q5. ChatGPTで作った文章って、翻訳とどう違うの?
A5. 翻訳は元の文をそのまま別の言語に変えるものですが、ChatGPTは「相手に伝わる言葉」でゼロから文を作ってくれるのが違いです。だから自然な表現になりやすいです。
補足:AIを使うときの注意点
AIを使うときは、次のことに気をつけましょう。
- 個人情報や社外の秘密は入力しないでください。
- サービスによっては、入力した内容が記録・学習に使われることがあります。
- AIが作った文章には、まちがいや不適切な内容が入っていることもあります。
- 必ず自分で内容を確認して、必要があれば直しましょう。
- 著作権や責任については、使っているAIのルールに従いましょう。
不安なときは、契約内容や利用規約をよく読み、必要があれば専門家に相談しましょう。
まとめ
- ChatGPTは営業メールや提案書のたたき台を作るのに便利です
- 相手や使う場所に合わせて、文のトーンを変えることもできます
- 商品説明やFAQを先に用意しておけば、商談の信頼度も上がります
- 英語の文章は「翻訳」ではなく、「伝わる表現」になっているか必ず確認しましょう
次の記事>>「売れるかどうかは“試して改善”!ChatGPT」
基幹記事
輸出入と国際輸送の手引き
1.取引先を探す。
3.船積み準備
4.法規制
5.国際輸送
関連記事
◆スポンサード広告