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【HUNADE】輸出入と国際輸送ガイド 学習コース

第3回|商標権を守る輸入ビジネス|正規ルートを証明する許諾書・契約・提出書類の整え方

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正規ルートで輸入するために必要な書類と契約の整え方

輸入ビジネスにおいて「正規品」を扱うことは、品質や信頼性の面で大きなメリットがあります。しかし、単に「正規品を買ったから問題ない」という感覚では不十分です。特に商標権に関わる商品を取り扱う場合には、法的・実務的な裏付けが必要です。

商標権者やその正規代理店との法的関係を明確にし、それを証明する契約書や書類が整備されていなければ、税関で貨物が差し止められたり、ECプラットフォームから販売停止処分を受けたりするリスクがあります。さらに、消費者とのトラブルやブランド側からの法的クレームに発展する可能性も否定できません。

この記事では、輸入業者が税関や販売プラットフォームに対して「このルートは正規である」と自信を持って主張するために必要な書類、契約の準備について詳しく解説していきます。特に初めてブランド品を輸入する事業者や、書類不備によるトラブルを避けたい方にとって、実践的な手引きとなる内容を目指します。

商標権者との「輸入許諾書」とは?(雛形構成含む)

「輸入許諾書」とは、商標権者が輸入者に対し、一定の条件下で商標付き商品の輸入・販売を許可することを明記した文書です。これがあれば、税関や販売プラットフォームに対しても、正当なルートであることを説明しやすくなります。

輸入許諾書の基本構成例

  • 書類のタイトル(Import Authorization Letter など)
  • 商標権者の名称・所在地
  • 輸入者(被許諾者)の名称・所在地
  • 許諾対象の商標名および登録番号
  • 商品の種類および分類(例:衣類、雑貨など)
  • 許諾の範囲(国、期間、数量)
  • 許諾の条件(品質保持義務、表記ルールなど)
  • 商標権者の署名・捺印

署名入りのPDFファイル、会社のレターヘッド入り文書など、公的な形式が求められます。単なるメールの文面では証拠力が弱く、認められない場合もあります。

OEM契約書/代理店契約書の構造と注意点

OEM契約や販売代理店契約を締結している場合も、商標権の使用に関する明記が重要です。単に「製造していい」という契約ではなく、以下のような内容が含まれているか確認が必要です。

チェックするべき項目

  • 商標の使用が許諾されていること
  • 許諾された使用方法(パッケージ、ラベル、広告等)
  • 許諾の範囲(国・期間・販売チャネル)
  • 品質保持義務・検品体制
  • 再販許可(他者への再販売を許すか否か)

英文契約の場合は意味を取り違えやすいため、専門家のレビューを受けることを強く推奨します。また、有効期限が切れた契約を放置して取引を続けることは、無許可扱いになるため注意が必要です。

工場からの直接仕入れだけでは不十分な理由

輸入ビジネスの初心者が陥りやすいのが、「海外の大手工場から直接仕入れたから大丈夫」と思い込むことです。たとえ工場がブランド商品の製造元でも、その工場に日本で販売する権限がなければ、商標権侵害になります。

多くのブランドは「製造」と「流通管理」を分けています。製造だけを委託されているOEM先は、販売の権限を持たないことがほとんどです。したがって、工場がブランドロゴ付きの商品を販売する行為そのものが契約違反であり、それを輸入すれば輸入者も連帯責任を問われる可能性があります。


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加えて、通関上の手続きにも注意が必要です。

例えば、「輸入許可通知書」は税関が貨物の輸入を正式に認めた証明書であり、この書類がなければ国内での販売は法的に認められません。「ライセンス(輸入承認)」が必要な特定商品についても、経済産業省などの担当省庁からの事前承認が必要な場合があります。これらの行政手続きと、契約上の正当性をあわせて整備することが実務では重要です。

インボイス・ラベル等の不備が招くリスクと対応策

輸入実務の現場では、書類やラベルの不備がトラブルの原因になるケースが非常に多いです。

よくあるトラブル例:

  • インボイスにブランド名や型番が記載されていない → 税関で「正規ルートの証明が不十分」と判断され、貨物が保留
  • 商品やパッケージにブランド名が印字されていない → 税関が判別できず、追加照会が必要に
  • ラベルにブランドロゴがなく、無地の商品に見える → 偽物と区別がつかず、差止対象と誤認

対応策:

  • インボイスにはブランド名、型番、商標記載を明記する
  • 商品写真(ラベル・タグ・化粧箱)を事前に用意し、必要に応じて税関に提出
  • サンプル商品を事前に確認・記録しておき、証明資料として活用できるよう準備
  • 可能であれば、商品にブランドロゴが表示される位置を示した資料を添付

「商品が無地」「記載が曖昧」「書類に詳細がない」といった要素が重なると、差止リスクが極めて高くなります。事前準備を徹底しましょう。

書類の保存・管理ノウハウQ&A

Q1. 証拠書類はどの程度の期間、保管すべき?

→ 少なくとも販売期間中+2年間は保存しておきましょう。商標に関する問い合わせは、輸入から1年以上経って届くこともあります。

Q2. PDFの契約書や許諾書でも証拠力はありますか?

→ 署名・社印付きPDFであれば有効です。ただし、捺印のないWordファイルやメールのキャプチャは証拠力が弱いので注意。

Q3. クラウド保存でも大丈夫?

→ 大丈夫ですが、保存日や改ざんがないことを確認できる管理方法(ログ履歴やバックアップなど)を併用するとベターです。

Q4. 書類は日本語で用意すべき?

→ 英文のみでも問題ありませんが、税関やプラットフォームに提出する場合は日本語訳の添付が望ましいです。翻訳ミスに注意。

正規仕入先の見極め方(誰から買えば安心か)

正規ルートで仕入れるためには、以下の確認をしましょう。

  • ブランドの公式サイトで「正規代理店一覧」を確認する
  • 取引先から「商標使用許諾書」「販売許諾証明書」などの提出を求める
  • 企業情報を調べて、商標権者やその関連会社かどうかを確認する
  • 国際的なB2Bプラットフォームでは、企業の実績やレビューも参考にする

また、契約交渉時には「支払条件」「返品可否」「納期保証」など商流に関するリスクも把握しておくと、万が一書類に問題が生じた際の被害を最小限に抑えられます。

税関やプラットフォームに提出する書類一式

正規輸入者としての立場を明確にするには、以下の書類を整えておきましょう。

  • 輸入許諾書(上記構成)
  • OEM契約書または代理店契約書(該当する場合)
  • インボイス(ブランド名・型番の記載があること)
  • 取引先とのやりとり記録(Eメール、発注書など)
  • 商品写真、パッケージの写真
  • 商標登録情報(J-PlatPat検索結果のPDFなど)
  • 輸入許可通知書(通関時に取得)
  • 必要に応じてライセンスコピー(該当商品が規制対象の場合)

Amazonや楽天などのプラットフォームでは、商品削除・アカウント停止を避けるためにも、上記のような証明書類を提出できるようにします。

書類が不十分なときに起こるトラブル例

  • 税関で貨物が差し止められ、許諾証明が出せずに廃棄または再輸出を余儀なくされる
  • ECプラットフォームから「真贋調査」の依頼を受け、書類が不足して販売停止に
  • ブランド側から商標権侵害の申し立てを受け、損害賠償や訴訟に発展
  • 消費者から偽物疑惑を持たれ、レビューや信頼性の低下につながる

仮にトラブルが発生した場合、まずは税関の知的財産調査官、次に弁理士や専門の弁護士に相談することが推奨されます。ブランド権利者との直接交渉に移行する際にも、書類の整備状況が交渉結果を左右することがあります。被害を最小限にとどめるには、早期対応と専門家との連携がカギとなります。

まとめ

商標付き商品を安全に輸入・販売するには、正規の契約と書類が不可欠です。「正規品だから大丈夫」と思わず、書面での証明と信頼できる仕入先との取引を心がけましょう。次回は、輸入差止にあった場合の対応方法について詳しく解説します。

  • 商標権者の「輸入許諾書」が最も重要な証明書
  • OEMや代理店契約には商標使用の明記が必要
  • 工場直仕入れは要注意。販売権があるか確認を
  • 税関・ECで求められる書類に加え、通関書類や行政ライセンスも整理する
  • 契約書の更新・管理、翻訳チェックも実務では重要
  • 書類がなければ差止・削除・損害賠償など深刻なリスク

次の記事:第4回|輸入差止通知が届いたときの正しい対処法

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