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【日本】米の関税や調整金 個人と商売目的の違いとは?

 



 

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この記事は、日本に米を輸入するときの関税等を説明しています。

1993年。日本国内で深刻なコメ不足が発生しました。コメの収穫出来高を示す指数もゼロが並び、まさにコメショックです。日本国内にある備蓄米を放出しても想定以上の不作で国内需要を満たせません。そこで行ったのがタイからの輸入です。米品種の違いはあれど、これにより「コメショック」を脱したのでした。

上記のコメショック時を除き、日本は、外国産米に対して高い関税と調整金をかけて農家を保護しています。これは、国家の基礎的な食糧を安定的に確保するには必要不可欠です。とはいえ、あえて外国産米を食べたいと考える方もいるかと思います。そこで、この記事では、外国から米を輸入するときの各種税金を紹介していきます。

米を輸入するときの関税と調整金

東南アジアの市場にいくと、コメの価格が驚くほど安いことに気がつきます。もし、このような安いお米を日本で食べられたら、毎月の食費はぐっと安くなるのに…と考える方も多いでしょう。しかし、たとえ外国で安いお米を見つけたとしても、その価格のまま日本で楽しむのは難しいです。実は、お米は「保護品目」に該当し、日本に入れるときに高い関税率と調整金を課せられます。

米の関税及び調整金の額=1キロあたり49円(関税)+292円(調整金)=341円

この規制は、お米以外にもあり、いわゆる「粉もの」に該当する物は、ほぼすべて同様の規制を受けます。(納めるべき税金は、輸入する品目により細かく決まっています。)ちなみに、HSコードでいうと、10類に該当します。

例:メスリン粉及びライ小麦粉、ライ小麦のひき割りしたもの及びミール、米穀、小麦、大麦、はだか麦又はライ小麦のペレットなど

関連法令は?

米を輸入するときの関連法案は、次の2つです。

1.関税法
2.主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律

関税や調整金を支払うべき基準

外国産米を輸入するときは、原則、関税と調整金の2つを支払います。しかし、この支払いは、個人使用目的、商売目的、輸入数量などによって免除されることもあります。免除基準は次の通りです。個人使用目的かつ、年間の輸入数量が100キロまでであれば、関税や調整金等は免除。他方、商売目的で輸入するときは、その数量が1キロであっても関税や調整金の支払い義務があります。

個人目的 年間100キロまでであれば、関税と調整金を免除で輸入できる。
商売目的 関税+納付金の2つを支払う必要がある。ただし、救援用、学術研究用、標本用、見本用等関税が免除になる場合は、納付金も免除になる。(届け出は必要)

個人使用目的で輸入する場合の支払い方法

では、実際にお米を個人使用目的で輸入する場合は、どのように手続きをすればいいのでしょうか? 外国のスーパーで精米を購入し、航空機などで持ち帰る場合は、空港にある植物検疫カウンターなどで申告をします。免除=無届はダメです。届け出の結果、基準を満たせば免除されます。(届け出は必須)もし、無届で輸入すると、法令により20万円の過料を科せられます。

免除=無届でOKではない。届け出の結果、基準を満たせば免除される。

関税と納付金の計算例

実際にお米を輸入するときに支払うべき関税と納付金を計算してみましょう。計算例は次の通りです。

1.輸入目的:商売目的
2.輸入数量:10キロ

この場合における関税と納付金は、次の通りです。

49円(関税)+292円(納付金)=341円

341円×10キロ=3410円

納付すべき税金は、3410円です。(個人使用目的の輸入であれば免税)

なお、納付金は、輸入品目(米や麦など)によっても変わります。納付金の額は、農林水産省のサイトでご確認ください。

参考情報:2018年・日本に輸入された国の原産国と価格例

財務省統計局

の資料によると、2018年におけるコメの輸入状況は次の通りです。商売目的で米を輸入するときは、関税+調整金の2つが輸入数量に応じて加算されます。いわゆる重量を課税基準にする「従量税」が設定されています。したがって、輸入数量が多い国ほど、CIF価格からの変化率が高くなっています。

トン数CIF価格CIF+関税+調整金単価(CIF+関税+調整金)
/トン数×1000
倍率
アメリカ合衆国210¥130,010¥71,740,010¥342552
ベトナム147¥74,211¥50,201,211¥342676
タイ125¥68,152¥42,693,152¥342626
インド21¥221,667¥7,382,667¥35233
イタリア21¥714,857¥7,875,857¥37511
中華人民共和国7¥414,571¥2,801,571¥4007
バングラデシュ6¥282,500¥2,328,500¥3888
スペイン4¥199,000¥1,563,000¥3918
オーストラリア3¥216,667¥1,239,667¥4136

まとめ

  • 米は保護品目である。
  • 米を個人使用目的で輸入するときは年間100キロまで免税で輸入ができる。
  • 商売目的で輸入するときは、1キロから課税される。
  • 免除対象であっても空港にある検疫カウンターでの届け出は必要
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