この記事は「EW GO DOWN(倉庫渡し)」について説明をしています。
最小のリスクで輸出をしたければ、売主にとって責任が小さい取引条件を選びます。貿易における取引条件を「インコタームズ」といいます。インコタームズは、輸出者と輸入者の費用負担と責任を明確にするための取り決めです。
インコタームズの内、輸出者側のリスクが最も小さいのは「EX-Works(EXW)」です。輸出者(売主)は、自社の倉庫の指定場所に貨物を置くだけで貿易取引が完了するからです。つまり、そこから先の貨物の受け取り、輸出国側配送、通関、などは、すべて輸入者が行います。輸出者にとって非常に有利な取引です。。
さて、そんなEX-worksと似た名称に「Ex-godown」があります。同じく頭にEXが付いているため、何となく輸出国側が有利な取引条件であることがわかります。そこでこの記事では、Ex-worksとEx-Godownの違いについてご紹介していきます。
Ex-Godownとは?
EX-WorksやEx-Godownなどは、輸出者と輸入者の責任と費用負担を明確にするインコタームズの一種です。インコタームズ2020では、FOBなど、11種類の貿易条件の型を定義しています。この型は、世界で共通であるため、輸出者と輸入者が貿易条件を決めるときの基準にしています。
例えば、輸出者(輸入者)との商談の中で、CIF TOKYOで取引すると決めれば、輸出者は、自動的に輸出港から東京港までの船代金と海上保険代金を負担する前提で見積もりをしなければなりません。逆に、FOB TOKYOであれば、輸出者は、東京港に停泊する本船に積み込むまでの費用を負担すればいいとわかります。
このように、世界共通で定義されているインコタームズを選ぶだけで、輸出者と輸入者の「すべきこと」または「負担すべき費用」が明確になる。これがインコタームズの役割です。さて、先ほどからご紹介しているEx-Worksも、インコタームズの一つです。貨物の引き渡しは、売主の倉庫で行い、そこから先の費用は、すべて買主が負担します。では、もう一方のEx-godownは、どのような取引なのでしょうか?
Ex-godown
Ex-godownの「godown」とは、倉庫を指します。この場合の倉庫とは、売主が所有する倉庫ではなく、買主が指定する輸出国にある倉庫です。
例えば、Ex-godown Nagoyaであれば、名古屋港の近くにある買主指定の倉庫で商品の受け渡しをします。売主は、買主指定の倉庫まで責任を持ちます。買主は、そこから先のすべての費用を負担します。この費用には…
- 輸出国側の倉庫から輸出国の輸送費用
- 輸出通関費用
- 輸出港から輸入港までの輸送費用
- 輸入通関
- 輸入通関後の国内費用
などがあります。ex-godownの輸出者と輸入者の費用と責任をまとめると、次の通りです。
費用 | 輸送責任 | |
輸出者 | 買主指定の輸出国倉庫までの運送費用 | 買主指定の倉庫につけるまで |
輸入者 | 自らが指定する倉庫から先のすべての費用 | 自らが指定する倉庫から搬出した時点から先 |
EX-WorksやEx-Godownの違いとは?
EX-WorksとEx-Godownの違いは、商品の受け渡し場所が「輸出者の自社倉庫なのか」それとも「買主指定の倉庫なのか」です。あなたが輸出者であれば、間違いなくEX-Worksの方がリスクも費用も小さいです。また、リスクや費用負担以外の理由でもEX-Worksを選んだ方が無難です。
実は、インコタームズ2020には、EXWだけしか定義されていません。そのため、貿易取引を「EX-Godown」などで設定してしまうと、何かしらのトラブルが発生したときに、輸出者と輸入者の責任範囲が不明瞭になり、もめる可能性が高いです。(自分と相手が考えている費用や責任の転換点があいまいになるためです。)
まとめ
- EXWは、輸出者側の費用と責任が最も小さい取引
- EX-Godownは、買主が指定する輸出国側の倉庫で引き渡す取引
- EX-worksとEX-Godownの違いは、売り手側の自社倉庫か買主指定の倉庫で物品を受け渡すこと
- 実際の貿易取引では、インコタームズで定義されているEX-Worksが理想
【図解!インコタームズ入門・2020年版】どんな条件で貿易をする?
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