米韓FTA大筋合意!アメリカのゴリ押しが実現。日本は拒否

米韓FTATPP/日欧/日米協定
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韓国は、アメリカの鉄鋼輸入制限からの除外を受けるために、アメリカとの自由貿易協定(米韓FTA)の再交渉に惨敗しました。その結果、韓国からアメリカの輸出数量を15~17年べースの7割に減少させる上に、すでに決まっていた「関税の削減時期を遅らせること」でも合意した模様です。アメリカの思惑通りに、自国に有利となる貿易条件に変えてしまったのです。やはり、世界最大の経済大国は、世界最大級の「ジャイアン」です。

米韓FTA

韓国惨敗!米韓FTAの再交渉は、一方的な譲り合い

今年の一月から交渉していた米韓FTAは、以下の内容で大筋合意しました。韓国と米国側の妥結内容は、次の通りです。

韓国は…..

  • 2015年~2017年をベースにした鉄鋼輸出数量の7割まで少なくする。
  • アメリカ側で課されているピックアップトラックに関する関税の撤廃時期を2021年から2041年へ延長する
  • 米国の安全基準を満たした車であれば、そのまま韓国の安全基準を満たしていると認める

米国側は…..

  • 鉄鋼輸入制限の発動から韓国製を除外する

この大筋内容をご覧になればわかる通り、交渉というより、韓国は、一方的にやられたという方が正しいです。鉄鋼輸入制限の発動除外というエサにつられてしまい、関税の撤廃時期の延長、自国の安全基準をアメリカ基準にされたのは大きな痛手です。特に自国の車に対する安全基準を米国基準と同一視する時点で、自国が管理する分野を米国に開放してしまった事と同じです。

日本は、アメリカとの二国間FTAは避けるべき!

韓国のFTA再交渉の惨敗ぶりを見ると、いかにアメリカという国が交渉力が強いのかがわかります。もちろん、韓国での出来事は、対岸の火事ではありません。当然、アメリカは、この二国間FTAの締結を日本にも迫ってきます。もちろん、二国間FTAといっても、アメリカの利益が最大になる不平等協定です。しかも、一度、合意した内容であっても「再交渉ルール」を最大限に活用してくる国です。

*FTAの協定書の中には「再交渉」のルールが規定されています。もちろん、TPPなど、その他の協定の中でも、この再交渉ルールは、しっかりと明記されています。

仮にアメリカ側の立場で、日本との二国間FTAを考えるのであれば、最初は、日本にとって、大きなダメージがある内容を避けて合意しておきます。数年後、FTAの再交渉ルールを使って、さらに踏み込んだ交渉する流れを作ると思います。

日本に限らず、何かの新しい協定を結ぶときは、両国ともに大きな注目を浴びます。そのため、両政府とも、そこまで目立つことを避けることが多いです。しかし、一度、結ばれた協定を「再交渉」していけば、世間からそこまでの注目を浴びずに行うことができます。

再交渉という名の強要。それがアメリカであり、今回の一連の鉄鋼輸入制限の狙いだと思います。日本は、アメリカとの間では、絶対に二国間FTAを結んではいけません。必ずTPP11のように、複数国との間で結ぶ協定の中に、アメリカを引きずりこまなくてはなりません。複数の国が協定に参加しているほど、ジャイアンの横暴は阻止できるからです。

日本と中国は奥の手がある。

あまりにもアメリカ側の横暴がひどいときは、日本と中国には、超奥の手があります。それが「所有しているアメリカ国債の売り浴びせ」です。実は、日本と中国は、世界最大級のアメリカ国債の所有国でもあります。もし、両国が力を合わせて、所有しているアメリカ国債を一斉に売れば、アメリカの金利は急上昇します。

アメリカの金利が上昇すると、ドル高になり、アメリカ企業からの輸出は、非常に不利です。もちろん、日本はアメリカに防衛部分を頼っているため、このようなことは現実的には難しいです。しかし、経済的な仕組みとしては、十分に行えます。特に中国の場合は、所有する大量のアメリカ国債の売り浴びせが大きな武器です。

では、日本側でできるアメリカへの圧力は何があるのでしょうか? そのヒントは、アメリカ側が日本市場に売りたい分野の商品の関税引き下げにあります。

例えば、その中には、牛肉があります。日本は、輸入牛肉に対して、およそ40%ほどの関税をかけています。日本市場に入ってくる輸入牛肉の内訳をみるとアメリカ産、カナダ産、オーストラリア産などがあります。つまり、アメリカ側にとっては、このオーストラリアとカナダがライバル関係です。。

しかし、今は、この競争の中でアメリカ産の牛肉だけが大きな不利になっています。その要因が「日豪EPA」や「TPP11」です。日豪EPAとは、日本とオーストラリアとの間で結ばれている自由貿易協定です。TPP11は、オーストラリア、カナダを含めた自由貿易協定です。

実は、日本は、これら自由貿易協定を結んだ国の牛肉の関税をどんどんと引き下げているのです。つまり、オーストラリアとカナダ産の牛肉の関税が引き下げられていく一方、アメリカ産の牛肉だけは、以前と同じ高水準の関税がかけられたままです。よって、輸入コストが年々と開いていき、日本市場におけるアメリカ産牛肉のシェアが下がっていきます。

ここにアメリカへの圧力のヒントがあります。

日本は、アメリカを抜きにしたEPAを積極的に結んでいきます。同時に、アメリカ側が日本に売り込みたい分野の商品に対して「EPA適用国」と「アメリカ」との間に、決定的な関税差が生まれるようにするのです。このようにすれば、アメリカの産業界が黙っているはずはありません。これにより、アメリカは横暴な二国間FTAにこだわるわけではなく、少し態度を軟化させた多国間FTAを受け入れるのではないかと考えています。

アメリカは、とことん商売の国です。であれば、こちらもとことんアメリカの「いやがる所」を攻めていき、少しでも交渉上、有利になるようにしていくべきです。

まとめ

アメリカ(ジャイアン)と二国間FTAを結ぶことは非常に危険です。これは、今回の鉄鋼輸入制限発動をエサにした米韓FTAの再交渉の状況を見ても明らかです。日本政府は、先人たちの強い意志の下、強国、アメリカに屈服しないようしていただきたいと切に願います。

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