海上輸送費のコストは、どのように削減すればいいのでしょうか? この記事では、海上輸送費のコストを削減するための7つのポイントについてご紹介していきます。
海上輸送のコスト減を目指すTips!
1.FOBで見積もりを取ろう。
基本的に海上輸送費は、FOBをベースに見積もりを取る方が良いです。CIF等(買い手が輸入国までの輸送費を負担)にすると、売り手に余分な費用を載せられる可能性が高くなります。
例えば、次の2つのケースを考えてみましょう。
1.売り手からFOB400ドルで見積+別のフォワーダーから200ドルの国際輸送費の見積もり。
2.売り手からCIF700ドルで見積。この場合、売り手が国際輸送費を負担する。
1と2を比べると、600ドルと700ドルとなり、FOBで見積もりを取り、別のフォワーダーに依頼した方が、トータルコストが安いことがわかりますね!もちろん、この逆でCIFにした方が安い場合もあります。大切なことはコミコミプライスは、相手の言い値になりやすいことを知っておくことです。
2.コンテナ積載量を最大化しよう!
コンテナ輸送は、20フィートや40フィート(12m)と定格です。最大積載重量や容積等も決まっています。逆にいうと、これらの基準を下回るように積載をすれば、どれだけ積んでも自由です。
コンテナ輸送は、中に入れる貨物を最大にするほど、貨物あたりの単価が低くなります。
例えば、20フィート1本5万円の輸送費だとしましょう。この中に、貨物を10個詰めれば、一つ5000円の送料です。20個詰めれば、2500円です。中に入れる貨物が多いほど、貨物にかかる送料が低くなり、これがコンテナ輸送の最大のメリットです。
ちなみに、20フィートコンテナと40フィートハイキューブを比べると、海上輸送費は、おおきく変わらないのに、最大積載業が2倍ほど違います。したがって、貨物重量は、そこまで重くないのに、容積が大きい商品を輸送するときに使われることが多いのです。
ポイント:コンテナに積載する量を最大化するべし。最大化がダイレクトにコスト削減につながる。
3.配送の緊急度を確認する。
「その貨物は、本当に急ぎなのか?」を確かめよう! 国際輸送と聞くと、できるだけ早く輸送しなければならないと考えがちです。しかし、これはケースによって異なります。
例えば、日本側の在庫の状況と売れ行き等などから逆算をして、荷物の製造や国際輸送等をしている場合もあります。この場合、計算以上に貨物が遅くなるのは困りますが、逆に早すぎても困るのです。在庫と売れ行きから、配送スピード調整している側面があるからです。
今一度、あなたの輸送を考えてみましょう。そこまで輸送を早くする理由はありますか? あえて船便ではなく、航空便でなければならない理由はございますか? フェリー便等ではだめですか?
「国際輸送は必ず早くするべし」との常識を破り、輸出国や輸入国の行事、相手先(自分)の要望、配送期間、配送料金等のバランスから、適切な輸送方法を選ぶことが重要です。
例えば、中国の場合は、旧正月の前に出荷を急ぐ傾向にあるため、国際輸送費が高くなりやすいです。当然、日本側のターミナルや通関、ドレー等も混雑することにも注意が必要です。
よって、このような季節的な変動要因を考えれば、国際輸送の需要が低い時期を狙って商品を製造、出荷する方が理にかなっていると言えます。
ポイント:季節的な変動要因、料金、緊急性等のトータルで適切な配送を考える。
4.FCL単位(コンテナ)で輸送した方が良い。
FCLは、コンテナ1本を1つの荷主が独占する方法。LCLは、複数の荷主が共有して輸送する方法です。輸送する荷物が絶対的に少ない場合はLCL輸送でも良いです。しかし、ある一定の量を超える場合は、FCL輸送をお勧めします。
基本的にLCLは、送料が割高です。また、日本側に到着したときに、送料とは別に1M3あたり4000円前後のCFSチャージが発生することも覚えておきましょう。
5.船だけ~飛行機だけ~にこだわらない。
A地点からB地点に貨物を移動する場合、必ず「船で輸送する~」「飛行機で輸送する~」と考えるべきではありません。そのルート上で使える、あらゆる輸送手段から、コストと輸送日数等から最適な輸送方法を組み合わせます。
例えば、アメリカの西海岸までは、コンテナで輸送。そこから東海岸までは横断鉄道に積み替えて運ぶなどです。これらの国際輸送は「複合一貫輸送」が得意なフォワーダーに任せれば、すべてコーディネートしてくれます。
6.国際輸送の積み荷を統合するべし。
輸出国側で複数のお店から商品を仕入れているとしましょう。この場合、仕入れ先A、仕入れ先Bから、別々に国際輸送をしてもらうより、専門業者に依頼をして、一つの荷物にまとめて発送してもらった方が送料を圧縮できます。この荷物をまとめる&配送する業者を「コンソリ」と言います。
7.細く長く付き合えるフォワーダーを見つける
海上輸送分野は、他の分野と比べて「スポット的なお客」を嫌います。価格だけを比較し、すぐに他社に乗り換えようとする会社は、長い目で見ると、非常に損をするため、ご注意ください。
まとめ
- FOBで見積もりを取るべし
- コンテナ積載量を最大化しよう
- 配送の緊急度を確認
- できるだけFCL単位で輸送する
- 船だけ~飛行機だけ~にこだわらない。
- 国際輸送の積み荷を統合する。
- 細く長く付き合えるフォワーダーを見つける。


海上輸送の基礎知識
航空輸送の基礎知識
国際輸送の見積もり依頼例
種別 | 積み地 | 揚げ地 | 品目 | 輸送モード |
法人 | 深圳 | 名古屋 | ●●●●●用紙 816トン | 海上輸送 |
法人 | 寧波 | 新潟 | キャンプ用品 | LCL |
法人 | 深圳 | 名古屋 | ●●●●●用紙 816トン | 海上輸送 |
法人 | 寧波 | 新潟 | キャンプ用品 | LCL |