中華街 チャイナタウンは旅行者にも有名な観光地です。ここから歩いて行ける市場がいくつかあります。その一つが、前回紹介したサンペーン市場。今回は、もっとローカルな場所です。今回のテーマは「布・花・泥棒」です。
泥棒市場で有名!パフラット市場とクロントム市場
パフラット市場は、リトル・インディア
バンコク 中華街の大通りを突き進み、通りを渡るとアーケード商店街のヤワラート市場です。この狭い路地を抜けると、リトル・インディアとも呼ばれているパフラット市場があります。市場の入口には、インドの象徴ガーネーシャ(象のような姿の神様)像がどんと構えて立っています。そこからつづく細い路地には生地、アクセサリー、グルメ、お香、スパイス、タイ衣装などのお店がずらりと並んでいます。
ヒンズー語が飛び交い、インドの音楽がかかっていて喧騒な空気感はありますが、それがまた新鮮に感じます。買い物をする場合は、片言の英語でOK。ここで買い物をすると“ユー・ジャパン?”とよく言われました。デザインが豊富で、良質な生地がたくさんあるので世界各国のバイヤーがよく買い付けに来ています。
生地はインドからの直輸入で価格も安く、それもまた人気の秘密です。ただしインド人の場合、タイ人と違って買わないとしつこく食い下がってきます。これがやっかいですが、まあ、楽しんで交渉してみてください。
どこのお店も布ばかりのめずらしい百貨店
この市場には、路地のお店以外にもインド式の百貨店があります。それがインディア・エンポリアムです。ちなみに、プロンポン駅にある高級百貨店「エンポリアム」とは関係はありません。
館内にはインド料理がメインのフードコートもありますが、数多くあるのはインドの衣装や生地店です。見渡す限り布、布、布。同じデザインの布を探すのが難しいくらい色やデザインが豊富です。また、場所は忘れましたが仕立てをしてくれるお店もあり、忙しくないときはだいたい1日で仕上げてくれます。
その他100均のような日用品や化粧品、インド食材などが豊富に売られています。お客もインド人の割合が多いです。百貨店と言うよりも、インド人のローカルな生活用品店という感じがします。バンコクで、服やカーテンの生地を探しに行くならパフラット市場は絶対です。プラトゥーナームにも多少ありますが、種類と豊富さ、安さには勝てません。
完全ローカルなこの場所に、なぜか観光客が押しかける
パフラット市場のもう一つの楽しみは、カレーです。老舗の「ロイヤル・インディア」店は観光客にも有名で、確かにおいしいです。しかし、買い付けでたまにしか行きませんが、私のおすすめは「トニーズ・レストラン」です。運河沿いにある地元密着のお店で、リーズナブルなカレーを味わえます。本来は観光客が行くようなお店ではありませんでしたが、フードブログ「The Roaming Cook」にお店が掲載されたことで、足を運ぶ観光客が多くなりました。
欧米人客が多いですが、日本人にも違和感のないカレーだと思います。メニューにある100Bの料理は2品だけで、50B前後でカレーやおかずが食べられます。料理の写真がなく文字だけのメニューで、お世辞にもきれいとは言えない小さな運河の横にあるローカルなお店ですが、行って損はありません。カレー好きなら、ぜひご賞味してください。
バンコク中心部の高級インド料理店のカレーにはさすがに負けますが、マレーシアのペナンで食べたカレーよりも断然おいしいです。百貨店 インディア・エンポリアムから徒歩5分程です。“生地を買いに行くもよし、カレーを食べに行くもよし”それがパフラット市場です。
パフラット市場の行き方・営業時間・地図
- 営業時間:9時又は10時から、17時~18時前後
- BTS シーロムライン/Saphan Taksin Stationの2番出口
- 又は、MRT Hua Lamphong Stationの4番出口
- 地図はバンコクマップでご確認をお願いします。
クロントム市場/泥棒市場
その昔、私は中華街を散策していて偶然迷い込みました。このクロントム市場は、別名「泥棒市場」とも呼ばれています。タイ人に長く愛されており、マニアな観光客にも有名な市場です。売られているモノが、あまりにも個性的です。実際、初めて行く人はカルチャーショックを受けるかもしれません。悪臭が漂う履き古したスニーカーやサンダル、レンズのないカメラ、かなり使い込まれた電化製品など、あたかも“盗品”のようなモノばかりが並んでいます。
バンコクには、泥棒市場と呼ばれる場所が他にもいくつかありますが、クロントムは隣接していたナコンカーセム市場の流れを汲んでいます。市場を歩きながら、売られているモノを見ていると“一体、誰がこんなモノ買うんだ?”と正直、疑問が湧いてきます。基本的に中古品ばかりです。間違っても、チャトチャック市場にあるような価値のある中古品はありません。
壊れた動かない有名ブランドの腕時計、大量に積み重ねられたリモコン、扇風機や車のハンドル、中古のプレステや工作用の機械など、よくもまあ集まったなと感心してしまうぐらい“いらないモノ”があふれています。単品のリモコンなんか買って使い道があるのでしょうか?売っている店主たちもかなりいい加減で“それ、今日は50Bでいいよ”とか“これは日本製だ。まだ使えるだろう?”とこんな始末です。
以前は違法DVD、コピーしたDVDがかなり売られていました。現在は少なくなりましたが、まだまだ売られています。店の前を通ると“DVD、DVD”と声をかけられます。おしゃれ度0点、怪しさ満点の裏バンコクとも言えるこの市場、興味のある方はぜひ行ってみてください。
クロントム市場への行き方、営業時間
- 営業時間:毎日9時から17時、ナイトマーケット:土曜日の17時~25時
- 行き方:MRT Wat Mangkon下車、徒歩で向かいます。
- 地図はバンコクマップでご確認をお願いします。
パクローン花市場/とにかく夜が賑わう、バンコク最大の花市場
パクローンは、郊外にある色鮮やかで美しい市場です。バンコクで有名な花の市場「パークロン」は、旧市街のチャオプラヤ川沿いにあります。この市場は、ジャックラペット通りを挟んで南北に広がっています。24時間オープンで、日中よりも夜から深夜にかけて人々が押しかけます。
夜、熱気あふれる市場の中に、花を運んできた車が次々に到着。さらには“すいません、通ります”と言いながらバラを大量に積んだバイクが、人ごみの中を1台、2台、3台、4台と走り抜けていく。夜の花の市場が、こんなにも慌ただしく凄いとは思いもしませんでした。また、かつて一度だけバレンタインデーの前日にこの市場へ行ったとき、さすがに驚きました。こんな時間(22時)で平日なのに、若いタイ人の若者がうじゃうじゃ。
普段は数十バーツで買えるバラの花束が、この日のみは一気に300B程にもなっていました。“もう少しまけてくれ”と言いながらみんな買っていました。歩きながら、いろんな花を見ているだけで目の保養にもなる!?ぜひ、一度足を運んでみてください。
パクローン花市場の行き方
*MRT「サナームチャイ駅」から徒歩5分程。バンコクの中心街から、タクシーで100B程です。市場近くのサパーンプットの橋の麓では、アパレルがメインのナイトマーケットが開催されています。
*花の市場は、他にもあります。火・水・木の3日間、チャトチャック市場のメイン通りにお店が並びます。草花、植木や鉢、樹木、球根、庭のアクセリー品などが豊富に揃っています。*蘭の購入も可能
まとめ
- 中華街から歩いて行けるローカルな市場がいくつかある。観光というより探検な感じ。
- 一歩踏み込めば、そこはインド。質のいい生地とカレーで有名なパフラット市場。
- 色とりどりの鮮やかな中に熱気がムンムン。夜の方が断然楽しい、パークロン市場。
- おしゃれさはまったくなし。怪しくも愉快なバンコクが今もある、クロントム市場。