タイ バンコクの市場でいろんな商品を見ていると“こんなデザインのTシャツがあれば売れそうだなあ”と思うときがあります。
そこで、今回は、タイでオリジナルオーダーの商品(アパレル)、OEM/ODMの成功のポイントと注意点をご紹介していきます。
タイでオリジナル製品を製造!(ODM)
以前よりも、クオリティがアップしている
バンコクでオリジナルオーダーをする場合、メリットはありますが、リスクももちろんあります。メリットは日本よりも安く作れることです。リスクは質です。プリントがきれいでない。刺繍が雑。ひどいモノでは、首回りが小さくて首が入りきらない。そんなことがこれまでにありました。それでもお店選びやオーダーの仕方を間違えなければ、失敗するリスクは減ります。
最近は、プリントや刺繍の質が格段に良くなっています。新しいお店も増えており、以前にはなかった刺繍の機械を導入しているのが目に付きます。
Tシャツをオーダーするときの流れ
ここでは、オリジナルTシャツをオーダーすると仮定して進めていきます。お店へ行く前に用意するものは、オリジナルデザインのデータです。出来ればイラストレーターで作成したものをUSBに入れてください。それをお店へ渡します。これが基本です。
オーダーの手順
- Tシャツの枚数、色、サイズを決める
- デザインの位置や大きさ、色などを決める
- 見積書を作成してもらい、納期を決める
- 総額の50%程の前金を払う
一番大切なのは、サンプルを1枚作ってもらい確認することです。これを言わないと、ほとんどのお店はサンプルを作らず作業を進めます。出来上がったものが、自分のイメージと違っていてもやり直してくれません。日本の常識で仕事を依頼しては絶対にダメです。失敗しないためにもサンプルは必要です。
お店が“ノー”と言うなら、別のお店へ行きましょう。出来上がったサンプルを見て、修正する箇所があればタイ人にメモをとらすか、修正箇所を英語で紙に書いて渡しましょう。渡す前に写真も撮ります。後で、そんな紙もらってないと言われないようにするためです。初めは、なにかと気苦労が多いですががんばりましょう。
オーダーするときの枚数や金額
格安のTシャツを作成したいなら、ボーベー市場がおすすめです。無地のTシャツを扱っているお店が10店舗以上あります。詳しくは、ボーベー市場の項目を参照してください。
オーダーの枚数
50‐100枚単位で引き受けます。Tシャツの色、サイズは自由です。10枚とか少数を希望の場合は、他の場所を探すしかありません。ほとんどの日本人が行かない場所に何軒かあります。
Tシャツ
基本的には、オーダーするお店のTシャツを選ぶことになります。しかし、お店によって生地の厚さや同じMサイズなのに着丈や身幅が違うこともあります。オーダーする前に、いろんなお店を見て自分の好むTシャツを決めましょう。
型代
Tシャツにプリントするデザインの型を作ります。初めは、この費用がかかります。デザインの数や何色にするかによって価格が違ってきます。2つのデザインor2色なら、型を2つ作成。型の大きさによって金額も変わります。
スクリーンプリント
Tシャツに擦るときの金額です。これもデザインの数と何色かによって価格が違います。
見積もり例
Tシャツ(白) | Mサイズ25枚×55B=1,375B Lサイズ25枚×60B=1,500B |
型代1デザイン | 250B |
スクリーンプリント代1色 | Tシャツ50枚×25B=1,250B |
合計 | 4375B |
一枚当たりのTシャツ代 | 4,375B÷50枚=87.5B 87.5B×3.5円=306.25円(1B=3.5円で計算) |
*100枚以上ならもう少しTシャツは安くなる。
*次回、同じデザインをオーダーするときは型台不要。Tシャツ代+プリント代のみ。
*2色にする場合は、新たな型代とスクリーンプリント代がかかる。また、型はお店にあずけておきましょう。
こんな商品もオーダーできる
Tシャツ以外にもいろんな商品のオーダーが出来ます。これもタイの強みです。
- デザインTシャツ
- 女性アパレル
- シルバー
- サンダル
- サッカーユニ・チームおーダー
1.デザインTシャツ
例えば、お店のデザインTシャツは黒しかない。その他の色は製作していない場合、希望すれば製作してくれます。この場合、10枚とか少量でも大丈夫です。ただし、製作するかどうかはお店によります。
2.女性アパレル
私は、これまでブラウスやスカートなどのオリジナルオーダーを受けたことがありません。買い付けたTシャツやジーンズにビーズを付けたり、刺繍を入れたりなどしたことはあります。これも、そのような作業をしてくれる所があります。女性モノだけに、総じてお客は出来上がりにシビアです。
3.シルバー
Tシャツと違って価格が価格だけに、オーダーの個数は少量でも可能です。5個から引き受けてくれたお店もありました。パラディウムセンターのB1Fにシルバー店がたくさんあります。興味のある方は、覗いてみてください。
4.サンダル
暑い国だけに、サンダルは豊富で価格も安いです。100足以上からのオーダーになります。サンペーン市場にサンダル店がかなりあり、ここでオーダー出来ます。私は、サンダルのオーダーを受けたことはありませんが、知人のバイヤーが一時期流行った“怪獣サンダル”の新バージョンをかなりオーダーしていました。タイでは“毎日履く必需品”だけに、意外にも質はしっかりしています。
5.サッカーユニ・チームオーダー
既存のユニフォームにネーム&ナンバーを付ける。もしくは、既存のユニを“原型”にして、自分のチームのロゴやデザイン、ネーム&ナンバーを加える。この2つが可能です。原型とは、例えばレアルマドリードのユニならクラブロゴと胸のスポンサーがない、何もない状態のユニのことです。これを買い付けて、自分のサッカーチームのオーダーをすることは可能です。ネーム&ナンバーのみを好きなフォントでデザインして、圧着してくれるお店もあります。その場合は、1枚からOK。サッカーユニのオーダーは、かなり依頼がありました。もともとサッカー好きなので、お客さんからユニやデザインの相談を受けることは多いです。日本よりもはるかに安く作成可能。ユニの質もいいです。
MBKでは、観光客がオリジナルオーダーをしている
サイアム駅から歩いて行ける老舗百貨店「MBK」の中に、Tシャツや帽子を作成するお店が何軒かあります。少量から引き受けてくれます。日本と比べたら安いですが、ボーベーよりもかなり割高のため、使いたくても使えません。ここは、印刷したラバー素材をTシャツに圧着します。
通常、Tシャツは、スクリーンプリントのものが多いですが、ラバー素材はスクリーンよりもつるつるしています。サッカーユニの胸の所に企業名(スポンサー)が入っていますが、それに使われている素材と同じです。帽子の刺繍はかなりクオリティがいいです。自分で着用するならMBKで作成するのもいいですが、売り用にとなると価格が合わないと思います。主に観光客がオーダーしに来ています。
買い付けるのと違い、オリジナルオーダーをする場合、もっと踏み込んでタイ人と話をしなければなりません。外国人に慣れているお店でも、初めてオーダーをする場合はやはり不安です。“OK、OKしか言ってないけど、大丈夫かこの店?”そんな気持ちになるものです。オリジナルオーダーをするなら、まずは、タイの市場を歩いて商品を見ることから始めてみてはどうでしょう。
まとめ
- タイなら、日本よりも安くオリジナルオーダーが出来る。
- 以前に比べて、プリントや刺繍の質がアップしている。
- Tシャツのオーダーは、50‐100枚が基本。ボーベー市場で格安でつくれる。
- Tシャツ以外にも、いろんな商品のオーダーが可能。
- MBKには、オリジナル作成のお店が増えている。質はいいが割高。