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【HUNADE】輸出入と国際輸送ガイド 学習コース

第10回:中国貿易・国際輸送の基礎知識|実務者が押さえるべき決済・規制・契約リスク

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中国貿易の基礎知識:通関・税制・物流を体系的に理解するガイド

中国貿易における基礎知識の重要性

中国との貿易は、日本の中小企業にとっても大きなビジネスチャンスです。

しかし、制度や税制を十分に理解しないまま取引を始めると、予期しないトラブルや余計なコストが発生する可能性があります。

港湾や輸送に関する個別のトラブルを学ぶ前に、まずは「基礎知識」を押さえることが重要です。本ガイドでは、中国貿易における制度、税制、通関、物流ルートに加え、決済や契約上の基本的な注意点まで体系的に整理し、中小企業の実務でも活用できる形で解説します。

中国貿易・国際輸送の基礎知識

中国貿易の基本制度

日中間の取引では、関税を優遇する枠組みとしてEPA(経済連携協定)があります。代表的なものがRCEP(地域的包括的経済連携)です。これを活用することで、特定の品目について関税を削減できます。

ただし、原産地証明書(CO)に不備や記載ミスがあると特恵関税が無効となり、通常税率で課税されてしまうため注意が必要です。

また、中国では一部品目について輸入ライセンスが必要です。鉄鋼屑や医薬品などの規制品目は、輸入許可証を持たずに出荷すると通関できなくなるため、輸入者への確認が必要です。

さらに、中国政府は定期的に「禁止輸入リスト」「禁止輸出リスト」を更新しており、事前にチェックしていないと到着後に貨物が止められるリスクもあります。

関税・税制と外貨決済の仕組み

中国に商品を輸入すると、関税に加えて増値税(VAT)と消費税が課されます。

例えば、ある製品の関税率が10%、VATが13%、消費税が10%の場合、商品価格に対して合計30%近い負担になることもあります。コスト計算では、この「三層構造の課税」を考慮しなければなりません。

輸出免税制度

日本から中国へ輸出する際は、輸出免税の仕組みにより日本側の消費税は免除されます。中国輸出)中国の輸出企業はVAT還付制度を利用でき、輸出時に支払った仕入れVATが還付されます。この制度の活用状況は、中国のサプライヤー選定時における価格競争力に直結します。(中国輸入)

外貨決済とSAFEの規制

中国は外貨決済についてSAFE(国家外為管理局)の規制下にあり、外貨送金の遅延や受領制限が発生する事があります。人民元建て決済(クロスボーダーRMB精算)を利用する選択肢もあり、契約時に「外貨建てか人民元建てか」を確認しておくことも重要です。

通関・規制の基礎知識

中国税関(GACC)は、日本の税関と比較して規制が頻繁に更新されます。特に食品、化粧品、中古機械は、重点検査品目であり、CIQ(検験検疫)により数週間の滞留が発生することもあります。さらに、検査の選定基準は透明性が低く、無作為検査により予期しない遅延が発生することもあります。

CCC認証

中国で流通する電気製品にはCCC認証が必要な場合があります。認証がないと販売不可や再輸出命令となるリスクがあります。加えて、中国独自のGB規格の適合も要チェックです。

輸出梱包

輸出梱包に関しても、木材梱包はISPM15(国際基準)に準拠していないと燻蒸証明不足でトラブルになるため、事前対応が欠かせません。

当然、日本側にも輸入規制あり!

日本側でも食品衛生法や薬機法の規制があり、中国からの輸入時にトラブルとなるケースがあります。規制の対象品目や必要書類は、輸出前・輸入前に必ず最新情報を確認しておきます。

物流ルートの選択肢と特徴

中国との物流では、海運、航空、鉄道が主な輸送手段となります。

  • 海運:上海、寧波、深圳、青島などが主要港となります。コスト効率は高い一方、繁忙期には混雑による遅延リスクがあります。
  • 航空:中国国際航空(CA)や中国南方航空(CZ)を中心に直行便が豊富です。高額品や短納期品に向いています。
  • 鉄道:中欧班列を使った鉄道輸送が、中国内陸部から欧州への輸送に利用されますが、日本発着との組み合わせは限定的です。ただし、内陸都市向けでは検討の余地があり

日本側では横浜、神戸、名古屋などが中国向け輸出入で利用される代表的な港です。各港には得意とする貨物や航路があるため、商材や顧客地域に応じて選定します。

中国内陸部への配送

中国内陸部への配送では、鉄道やトラック輸送に道路規制や重量制限がかかることがあり、特殊車両申請が必要となるケースがあります。港湾から内陸までの物流設計も基礎知識として押さえておくといいでしょう。

決済条件とインコタームズの関係

輸出入契約では、FOBやCIFなどのインコタームズ条件に加え、決済条件(TT前払い、L/C、OAなど)もリスクと関係します。

TT前払いは輸入者側に資金負担リスクが大きく、OA(後払い)は輸出者に債権回収リスクを伴います。インコタームズと決済条件を組み合わせて理解し、取引条件を設計することが基本です。

契約・法務の基本的な注意点

中国企業との契約では、準拠法を中国法にするか日本法にするかで紛争時の対応が大きく変わります。また、仲裁地の設定も重要で、CIETAC(中国国際経済貿易仲裁委員会)や日本商事仲裁協会を利用するかによって、解決コストやスピードに差が出ます。

契約段階でこれらを曖昧にすると、後々大きなリスクとなるため、基礎知識として押さえておく必要があります。

実務フローの整理:発注から納品まで

中国貿易の流れは以下のように整理できます。

  1. 発注(契約条件・インコタームズ・決済条件を明記)
  2. 輸出通関(日本側でのHSコード分類、書類確認)
  3. 国際輸送(船・航空・鉄道の選定、ブッキング、電子データ送信)
  4. 輸入通関(中国側での税関申告、検疫・認証確認)
  5. 配送(内陸輸送のトラック・鉄道、特殊車両申請)

発注段階では契約条件、インコタームズ、決済条件を明記します。輸出通関では日本側でのHSコード分類と書類確認を行います。国際輸送では船舶、航空、鉄道の選定、ブッキング、電子データ送信を実施します。

輸入通関では中国側での税関申告、検疫・認証確認を行います。配送段階では内陸輸送のトラックや鉄道、特殊車両申請が必要となります。

それぞれの工程で起きやすいリスクを事前に把握することで、トラブルを未然に防ぐことができます。輸入通関での書類不備や、配送段階での道路規制違反は典型的な事例です。これらは「出荷前チェックリスト」によって管理すると効果的です。

まとめと実務への提案

中国との貿易を安定させるには、基礎知識として「制度(FTA・規制)」「税制(三層課税・還付・外貨規制)」「物流ルート」「決済条件」「契約法務」「実務フロー」を理解しておきます。

本ガイドを社内教育用に活用し、取引開始前の勉強会や新人研修に組み込むことをお勧めします。さらに、制度改正や規制変更に合わせて定期的にアップデートする仕組みを作れば、中小企業でも大企業に劣らないリスク管理体制を構築することができます。

基礎知識をしっかりと身につけることで、個別のトラブル事例への対応力も自然と向上し、より安定した中国貿易を実現することが可能になります。

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