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【HUNADE】輸出入と国際輸送ガイド 学習コース

第1回:中国輸入の費用と日数を徹底比較|海上輸送と航空輸送の実務ポイント

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中国輸入の基本コスト構造:経営者・実務者のための完全解説ガイド

中国輸入で直面する「費用と日数」の全体像

中国から日本への輸入において最も関心が高いのは「どのくらいの費用と日数がかかるのか」です。しかし、実は、表面的な海上・航空運賃だけを見ても、コスト全体像を把握することは難しいです。

なぜなら….

実際には港湾費用、通関費、検査費、燃油サーチャージ、日本側の輸入消費税(JCT)など、純粋な輸送費以外にかかるものが多数あるからです。当然、この中には、港湾の混雑や旧正月・台風などの季節的な要因へ対処するための費用も含まれます。

輸入コストを把握するためには「輸送全体」を俯瞰して理解することが必要です。

中国輸入の費用と日数

輸送フロー全体の流れと費用発生ポイント

輸入業務は以下の通りです。

各段階において諸費用が発生し、この合計額が「商品代」あるいは「輸送費」としてかかります。具体的に言いますと、シッパー(販売者)が発行する商品の見積もり書や日本側に貨物が到着した際に発行されるアライバルノーティスと呼ばれる書類に諸費用が記載されています。

1. 中国国内での作業

  • 工場からの引き取り費用
  • 港までのトラック輸送費用
  • 保税区への搬入費用
  • 書類作成費・B/L発行料:数千円~1万円

2. 中国側港湾での作業

  • 港湾費用
  • バンニング(コンテナ積み込み)費用
  • 港湾混雑によるリスクヘッジ費用
  • 中国側諸費用:港湾費、内陸トラック費用、保税区搬入料など

3. 国際輸送

  • 海上運賃または航空運賃
  • 燃油・為替サーチャージ:市況変動により毎月変動

4. 日本側港湾での作業

  • THC(ターミナルハンドリングチャージ):20ft=34,000円前後、40ft=51,000円前後
  • 通関費用:1件あたり8,000~15,000円
  • 検査費用:食品・化粧品など規制貨物は3~5万円超
  • 書類作成費用

THCまでの費用がアライバルノーティスに記載されています。

5. 国内配送

  • トラック輸送費
  • 再梱包・ラベル費用
  • 倉庫費用

6. 税金関連

  • 関税
  • 輸入消費税(CIF価格+関税×税率で計算)

輸入消費税は、以下の計算式で求められます。

例えば….

商品代金100万円+運賃20万円+保険1万円+関税5万円

=課税標準(課税価格)126万円 → 消費税12.6万円

このように、基本的な商品代金以外に相当な金額の税金が課される点も重要です。

一連の流れにおいて、どの段階でコストが発生するかを整理しておくことで、見積書の内訳を理解しやすくなります。

海上輸送と航空輸送の全体比較

ここでは、中国から日本の代表的な輸送方法を比較してみましょう!

海上輸送(FCL・LCL)の特徴

海上輸送は、国際輸送の中心的な存在です。縦横無尽、24時間、飛行機が飛んでいても、国際輸送に占める海上輸送は、圧倒的です。

海上輸送は、重い貨物を。大量に。かつ、価格を安くして運びたいときに利用します。

  • 日数:出港から日本到着まで3~7日、混雑や通関手続きを含めると7~14日程度
  • 費用:FCLで数十万円、LCLはW/M課金(1CBMあたり数千円~1万円)
  • リスク:連れ検査、港湾混雑、旧正月・台風など季節要因による遅延
東京大阪&名古屋
上海7日前後→
フェリーなら3日
7日前後
深圳12日前後12日前後
大連、天津、青島7-117-11
蘇州、船山7日前後7日前後
厦門、営口10日前後10日前後
広州12日前後12日前後
寧波7日前後→
フェリーなら5日
7日前後
香港14日前後14日前後

航空輸送の特徴

航空輸送は、高単価の貨物を。最短で輸送したいときに利用します。海上輸送と比較して圧倒的に短い時間で輸送できます。欠点は、海上輸送と比較して、圧倒的な価格差(高い)があります。

  • 日数:出荷から通関手続きを含めて2~3日程度
  • 費用:体積重量課金(1CBM=167kg換算)で1kg数百円~千円超
  • リスク:燃油高騰、繁忙期のスペース不足

航空輸送 海上輸送

フェリー輸送

大阪・神戸と上海を結ぶフェリーがあります。フェリーを使えば、コンテナ等で輸送するよりも圧倒的に日数を短縮できます。かつ、航空輸送よりも圧倒的に費用が安いです。

  • 日数:中国の主要港(上海・寧波など)から日本全国の玄関先(大阪・神戸・博多など)まで、出荷から通関を含めて 最短3日程度。
  • 費用:LCL(混載)やFCL(コンテナ単位)での課金が中心。1CBMあたり数千円程度で、航空輸送に比べて 1/5~1/10のコスト水準。
  • リスク:気象(台風・濃霧)による遅延、港湾混雑による停泊待ち、通関書類不備による滞留。繁忙期はフェリースペース不足により積み残しの可能性もある。

フェリー輸送

フェリー、コンテナ、航空輸送の違いと優位性(魅力)

航空輸送リードタイム●●●
コスト●●●●●●●
輸送品質●●●
フェリー輸送リードタイム●●●●
コスト●●●●
輸送品質●●●●●●●

資料の引用元:関光汽船株式会社作成の資料

フェリー船とコンテナ船との比較

フェリー比較ポイントコンテナ
入港当日搬入日基本は入港日翌日
定期航路・定期搬送
速い船速普通
少し割高料金大量の物を割安に運ぶ。
料金のわかりやすさ不明確な部分が多い。

フェリー?航空便?コンテナ船?の基準例

  1. 一回の輸送が100KG~×最速で輸送したいなら航空便
  2. 一回の輸送が100KG~×ある程度の速度で良いならコンテナ船
  3. 一回の輸送が100KG~超えた場合×航空機並みの速さを求めるならフェリー船

フェリー輸送をさらに最適化し、航空輸送並みの速さを実現しているのがDIGISHIPです。上海から日本全国の玄関先に最短3日間~で到着します。

ここでは、「輸送モードの全体的な違い」を把握しましょう!

国内側コストと為替リスクの管理

輸入は、日本国内での配送費も軽視できないです。実務では、これを「ラストワンマイル」とも言います。東京都内であれば3~5万円程度ですが、北海道・九州・離島では10万円を超える場合もあります。FBA納品(Amazon倉庫直送)では再梱包・ラベル費用が追加されるなど、最終配送条件によって大きく変動します。

為替リスク管理も重要

取引通貨がドル建てや人民元建ての場合、為替変動は輸送コスト全体に影響を与えます。為替予約(フォワード契約)や円建て交渉など、リスクヘッジの仕組みも大切です。

実例:輸入1コンテナの総額イメージ

20フィートコンテナ1本を中国から輸入するときの総額を例示します。当然、この費用は、個別の案件、荷主毎、あるいは、フォワーダーとの取引関係により異なります。

「20ftコンテナを上海→東京」のケース

  • 海上運賃:15~25万円
  • THC:34,000円
  • 通関費:10,000円
  • 書類作成費:5,000円
  • 税関検査(発生時):3~5万円
  • 国内配送費(都内):3~5万円

合計:約30~40万円台(航空輸送の場合は100万円近くになる可能性もあります)

季節要因と市況変動の影響

同じ路線、同じ貨物、同じ物量を運ぶ場合でも運賃は変わります。主な変動要因は、以下の通りです。

  • 春節前後:FCL運賃は通常の1.5~2倍、LCLは滞船・積み残しが頻発
  • 航空運賃の変動:通常800~1,200円/kg → 繁忙期は1,500~2,000円/kg
  • 2025年時点の状況:海上運賃が20万円台後半、航空も燃油高で1,200円/kg超の事例あり
  • 追加リスク:米中摩擦による追加関税リスクも存在

港毎の特徴、遅延リスク評価の記事もご覧ください。

HSコードと関税率の目安

実は、輸送と切っても切れない関係がHSコードです。日本側の輸入時の関税率は、このHSコードと深く関係しています。

主要品目の関税率

  • アパレル:約4.7%
  • 雑貨:約3.9%
  • 玩具:約3.9%
  • 健康食品:10%前後
  • 家電:0~3%

財務省の「関税率表」などで自社取扱品目を事前確認することが必須です。

中国輸入の全体像を把握するための重要ポイント

  • 海上輸送は、FCLとLCLの2種類。
  • 輸送コストが航空便の1/5~1/10程度
  • 所要日数は通常4日~10日(港により異なる)
  • 大量の貨物の輸送に適している
  • 天候や港の混雑による遅延リスクがある。
  • 海上輸送:低コストだが遅延リスクあり
  • 航空輸送:短納期に強いが高額
  • 二次費用の考慮:国内配送・ラベル・仕分けなどを忘れず計上
  • 為替リスク対策:予約や交渉でリスクをヘッジ
  • 中国側費用の確認:諸費用やサーチャージを必ず確認
  • 税務の正確な把握:HSコード別の関税率・消費税を正しく理解
  • 全体俯瞰の重要性:季節・市況変動やサプライチェーン全体を見据える

全体像を理解したうえで、自社案件に応じた「費用感」を早期に把握することが、輸入コスト管理の第一歩です。

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中国実務で活用できるチェックポイント

契約条項(SLA)の例

  • D&Dフリー:CY5日/DET5日を基準、超過は船会社レートで買主負担
  • CIC・中国側費用:Collectかどうかを契約前に明記
  • 検査費用:書類不備は当事者、通常検査は買主負担
  • キャンセル料:T-3日50%、当日100%。特殊機材は実費全額
  • 遅延連絡:判明から2時間以内に連絡、以降24時間ごとに進捗+代替案提示

検査費用もフリータイム同様に「見積もり後に増加する」典型例です。詳細な検査費用と負担ルールについては、検査費用と負担ルールをご覧ください。

変動要因チェック(○/×形式)

  • 季節要因(春節・台風)による運賃や滞船リスク
  • トラック不足による内陸費用上昇
  • CIQ検査強化による遅延・追加費用
  • 為替・燃油の急激な変動
  • 港湾混雑によるリードタイム悪化
  • ラストマイル(会場・搬入規制)による追加コスト

季節要因や為替変動など、フリータイム以外の変動要素については、体系的な変動要因チェック表が有効です。

中小企業向け実務チェックリスト

  • 契約書/B/Lに出港日・到着予定日が明記されているか確認
  • 見積と請求のTHC・CIC・通関費が一致しているか精査
  • D&D無料日数を必ず事前確認(超過は高額な費用が発生)
  • 検査費用の負担区分を事前に決定
  • 為替・燃油の変動時の追加請求範囲について合意

フリータイムの設定一つで、数万円から数十万円の差が生じることもあります。実際の契約条項サンプルや、その他のコスト要因についても確認したい場合は、包括的な輸送コスト・SLAリファレンス集の活用をお勧めします。

中国の専業フォワーダーが相談にのります。

日本人で中国の大学を卒業し、何十年も中国専業フォワーダーとして生きています。中国輸送の事なら、どんな困難な事でも実現できるよう努力します。

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第1回:中国輸入の費用と日数を徹底比較|海上輸送と航空輸送の実務ポイント第2回:中国向け輸出の輸送方法を徹底比較|FCL・LCL・航空便の実務判断基準第3回:中国との貿易でよく使う港 上海・広州・大連の港比較と遅延リスク等第4回:中国輸入で発生する諸費用を徹底解説|見積もりの内訳と確認ポイント第5回:中国特殊貨物輸送の実務ガイド|冷凍・精密機器・大型機械の費用と方法第6回:中国向け緊急輸送と展示会輸送の実務ガイド|短納期対応と費用の目安第7回:中国向け越境EC・小口配送の比較ガイド|EMS・クーリエ・海上混載の実務ポイント第8回:中国と日本の通関で起きやすいトラブル事例と対策|中小企業向け実務ガイド第9回:中国との国際輸送で起きやすいトラブル事例と対策 現場から学ぶ実務ノウハウ第10回:中国貿易・国際輸送の基礎知識|実務者が押さえるべき決済・規制・契約リスク補足1:中国国内物流の基礎と実務対策|鉄道・トラック・内航船を使い分けるポイント補足2:中国越境ECの最新実務ガイド|課税ルール・倉庫スキーム・主要プラットフォーム比較補足3:中国デジタル通関の最新実務ガイド|Single Window・電子マニフェスト・e-CO対応補足4:特殊貨物輸送の実務ガイド|危険品・冷凍品・重量物・展示品のリスク管理補足5:中国貿易における法令・知財リスク対策|禁輸リスト・商標差止め・PIPL対応まで解説補足6:中国の春節・旧正月はいつ?いつまで休み?国慶節など大型連休の時期と物流リスク補足7:アリババ輸入の送料・関税完全ガイド|商用輸入で失敗しない実務ポイント中国貿易実務者向け輸送コスト・契約リファレンス|中小企業のためのSLAと費用管理中国貿易の輸送料金・日数・見本市一覧|シルクロードカレンダー

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