×
国際輸送の見積を希望する方はこちら
HUNADEへのお問合せはこちら
目次アイコン目次
×

目次

【HUNADE】輸出入と国際輸送ガイド 学習コース

日本向けRCEPの適用を“運用資産化”する方法|Form RCEP・PSR・eForm完全ガイド

>>記事の一覧はこちら

もっと見る

Generic selectors
Exact matches only
Search in title
Search in content
Post Type Selectors
"><font style="vertical-align: inherit

「CTRL」+「D」を押すと、HUNADEをブックマークできます!

日本向けRCEPの適用を“運用資産化”する方法|Form RCEP・PSR・eForm完全ガイド

はじめに|制度を“使える輸入者”がコストを制す

RCEPの発効により、中国原産品の日本側関税は段階的に引き下げられています。一方で、証明書不備や判定ミスにより適用できず、せっかくの削減チャンスを逃す企業も少なくありません。

この記事では、中国→日本の輸入に限定し、証明書発給から税関対応までを一気通貫で最適化する実務フローを解説します。RCEPを単なる制度ではなく、継続的なコスト最適化の仕組みとして“運用資産化”することを目的としています。

証明書取得前の事前確認フロー

RCEP適用の成否は、証明書発給前の準備に左右されます。出荷直前に発給エラーが発生すると、輸出スケジュール全体が遅延する可能性があります。

確認ポイント

  • 中国税関またはCCPITの発給対象工場であるか(輸出者登録の有無)
  • HSコード、BOM、インボイス内容の整合性はある?
  • PSR(Product Specific Rules)の充足資料が揃っている?
  • 発給申請に必要な日数と出荷スケジュールの調整
  • 過去に発給拒否があった場合の原因分析

社内では「Form RCEP発給前チェックリスト」を標準化し、調達段階でサプライヤーと確認を済ませることで、輸出時のリスクを最小化できます。

原産地判定と証憑管理を仕組み化する

RCEPでは、原産地規則(PSR)を満たすための要件として、以下のいずれかを採用します。

  • CTC(関税分類変更:CTH/CTSH/CC)
  • RVC(域内付加価値比率)
  • 特定工程(特定の加工が必要な場合)

実務の流れ

  1. CTC判定:BOMをもとにHS4桁(CTH)単位で変更が生じているかを確認します。
  2. RVC判定:サプライヤーからのコスト内訳書に基づき、域内比率を算出します。
  3. 特定工程判定:工程票や作業指示書、写真などで工程証跡を確保します。

証憑セット(保存期間:5年)

  • Form RCEP原本またはe-Form RCEP(署名付きPDF)
  • インボイス・パッキングリスト
  • BOM/工程票/コスト内訳書
  • 製造記録および契約書類

電子証明書の扱い 電子版(e-Form RCEP)はPDF署名を検証後、電子署名の検証ログを保管します。紙出力は不要であり、NACCS入力時は証明書番号と原産地コードを登録します。

部分的適用(混在インボイス)への対応

同一インボイスにRCEP適用品目と非適用品目が混在する場合、申告を行別に分けて処理します。NACCS上では原産地証明番号を該当行のみ入力し、通関業者に「行別適用リスト」を共有して誤入力を防止します。


国際輸送の見積もり依頼

この対応を怠ると、非適用品目にまで誤ってRCEP税率が適用される可能性があり、後日追徴のリスクが高まります。

税関監査・質問票対応のプロトコル

日本税関は、原産地証明書の真否を事後確認する場合があります。質問票が届いた際の標準対応を事前に決めておくことで、慌てず対応できます。

対応の流れ

  1. 質問票を受領 → 社内窓口(通関・貿易管理部門)に集約
  2. 期限を確認し、回答担当を指定
  3. 回答テンプレートをもとに必要資料を整理(証明書写し、製造証跡等)
  4. 提出後は再計算・追徴の有無を経理部門で確認

質問票対応の履歴を残すことで、次回以降のリスク分析にも役立ちます。

RCEP税率スケジュールの進行管理

RCEP税率は多くの品目で段階的に引き下げられます。翌年度適用税率を確実に反映させるには、年度切替時のマスタ更新が必須です。

運用ポイント

  • RCEP関税スケジュール表を年度ごとに更新
  • 経理または貿易管理部門が責任部署としてマスタ登録
  • 新税率を見積・発注システムに自動反映

社内フローの固定化と教育

RCEP適用を継続的に運用するには、属人化を防ぐ仕組みが重要です。

部門別の役割分担例

部門主な業務内容
調達サプライヤー確認Form RCEP発給可否・PSR充足データ入手
物流証憑確認BOM・工程票・証明書受領確認
通関申告NACCS入力・証明書番号登録
経理実績管理削減額・適用率・不備率をモニタリング

教育・再現性確保 担当交替時に30分程度のRCEP運用レクチャーを実施し、社内資料(運用マップ・チェックシート)で再現性を担保します。

ROI(費用対効果)で優先品目を選定

RCEP適用は“全品目対応”よりも、費用対効果の高い品目から始めるのが効率的です。

ROI計算式

ROI = 関税削減額 ÷ 証明書取得コスト

ROIが1.5を超える品目を優先して適用すると、手続きコストを抑えつつ成果を出しやすくなります。上位20品目から対象を拡大する戦略が現実的です。

実務で使えるチェックリストと資料例

  • Form RCEP発給前チェックリスト
  • 品目コード精査フロー図(HS誤判定防止)
  • 事後検証チェックリスト(税関質問票対応)
  • RCEP税率スケジュール表(年度別)
  • 電子証憑承認ルート図(署名検証~保存)
  • 契約書へのRCEP責任条項追記例

まとめ|制度理解より“運用設計”が鍵

  • 日本向けはRCEP一本。Form RCEP以外(Form E/AJ等)は対象外です。
  • PSR(CTC/RVC/特定工程)を品目ごとに判定し、証憑を5年間保管します。
  • NACCS入力・監査対応・マスタ更新までを一連の仕組みとして運用化します。
  • 「知識」よりも「仕組み化」。これが継続的なコスト最適化の決め手

関税の“概算額”を知りたい方はこちら(RCEP対応・関税計算ツール)

中国輸送の最適化

中国輸送の基本コース

FavoriteLoadingこの記事を登録

輸送相談・見積もりのご依頼はこちらです。

国際輸送の見積もり依頼
国際輸送の見積もり依頼
 

国際輸送の基幹記事

海上輸送ガイド

海上輸送ガイド

海上輸送ガイド

海上輸送ガイド

小口輸送の最適化ガイド

国際輸送の学習コース

 

国際輸送の基礎ガイド

 

その他のカテゴリ


コース内容

貿易マインドセット(3記事)

国際輸送コース(17記事)

中国輸送コース(基本)(11記事)

中国輸送(速度高速化)(6記事)

中国輸送(コスト最適化)(8記事)

国際輸送コース(リーファー)(11記事)

国際輸送(緊急輸送)(5記事)

国際輸送(オーバーゲージ)(8記事)

国際輸送(北米インランドコスト)(3記事)

サプライチェーン再設計・BCP実務(9記事)

輸出コース(10記事)

輸入コース(11記事)

輸入コース(食品)(8記事)

輸入コース(米国通販)(0記事)

記事がありません。

輸入コース(商標関連)(4記事)

タイ貿易(14記事)

需要調査・戦略コース(10記事)

フォワーダー副業コース(6記事)

タイトルとURLをコピーしました
 
国際輸送の
お見積依頼受付中
相談・問い合わせはこちら!