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【HUNADE】輸出入と国際輸送ガイド 学習コース

補足5:中国貿易における法令・知財リスク対策|禁輸リスト・商標差止め・PIPL対応まで解説

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中国貿易の法規制と知財リスクへの実践的対応ガイド

頻繁な制度改正と規制強化への対応が求められる中国貿易

中国との貿易は巨大な市場規模を誇る一方で、制度の改正や規制の強化が頻繁に行われるという特徴があります。このため、日本企業は常に最新の情報を把握し続ける必要があります。特に禁輸・制限品目、知的財産権、契約準拠法、データ規制といった分野はリスクが高く、現場での対応を一つ誤ると数百万円から数千万円規模の損害につながる事があります。

中国貿易における法令・知財リスク対策

この記事では、中国貿易の実務担当者が実際の業務で活用できる重要なポイントを体系的に整理して解説していきます。

禁輸・制限品目リストの管理と確認体制の構築

中国は環境保護、安全保障、消費者保護を理由として、輸出入の禁止品目や制限品目を頻繁に見直しています。

廃プラスチック規制の変遷

2018年以降、廃プラスチック輸入禁止が開始され、その後対象範囲が段階的に拡大されました。2021年からは原則として固体廃棄物(固废)の輸入が全面的に禁止されています。

実務での対応方法

  • 中国税関総署(GACC)の公告を定期的に確認
  • 日本側の「輸出貿易管理令」との照合
  • フォワーダー任せにせず、自社独自の確認フローを構築

さらに、2020年に施行された「輸出管理法」により、軍民両用技術、暗号技術、希少金属など、中国発の輸出規制も強化されています。日本企業が中国から製品を調達する場合にも影響するため、輸入側の規制だけでなく輸出側の規制にも十分な注意が必要です。

知的財産権トラブル:商標先取り登録による通関差し止めリスク

中国では現地企業による「商標先取り登録」が多発しており、日本企業の商品名がすでに第三者によって登録されているケースが数多く存在します。この場合、輸入時に税関で「商標権侵害」と判断され、貨物が差し止められる事例が発生しています。

効果的な対策方法

  • 事前にCNIPA(商標局)での検索を実施
  • 防御的商標登録の実施
  • 税関の「知的財産権保護備案(IPR Customs Recordal)」を行い、模倣品差し止めを強化
事後対応:

万一登録されていても、「異議申立」「無効審判」により取り消しできる場合があります。実際に食品や化粧品の分野で差し止めに遭遇し、市場投入が半年以上遅れたという事例もあります。

契約準拠法と仲裁機関選択の重要性

契約書に準拠法を明記しない場合、裁判所が「最も密接な関連性を持つ法律」を適用することになります。中国企業を相手とする取引では中国法が適用される可能性が高くなりますが、「自動的に中国法が適用される」と断定するのは正確ではありません。

実務での工夫点

準拠法の指定:

「準拠法=日本法」や「中立法(シンガポール法など)」を明確に指定すること!

仲裁機関の選択:
  • CIETAC、ICC、JCAA、北京国際商事仲裁センター(BIAC)などを事前に合意
  • 仲裁地を第三国に設定することで公平性を確保
契約言語の明確化
  • 中国語版のみが効力を持つとされたトラブルが多いため、正本言語を必ず明記
  • 個人情報保護法(PIPL)とデータ越境移転規制に対応する。

2021年に施行されたPIPL(個人情報保護法)は、中国版GDPRとも呼ばれる制度です。国外へのデータ移転には「認可」以外にも以下の選択肢があります。

データ越境移転の適法ルート

  • 国家安全評価の実施
  • 認証の取得
  • 標準契約書の締結

日本企業が特に注意すべき場面

  • 顧客データの中国国内サーバーでの保存
  • 匿名加工後の国外送信
  • 越境ECや現地従業員データの送信

違反時には制裁金だけでなく、法人代表者や駐在員に刑事責任が及ぶ可能性もあります。

法改正の監視と地域差への対応

中国の法規制は突然改正されることが多く、地方政府による裁量の余地が大きいです。

地域差への対応

  • 上海・天津の自由貿易試験区では独自の優遇制度が存在
  • 全国一律の制度と誤認せず、地域差を前提とした制度設計が重要
  • GACC、MOFCOM、CNIPAの公告を月次で確認

実務チェックリスト

日常業務で活用できる確認項目を以下に示します。

  • 禁輸・制限品目リストを常に最新版で確認
  • 商標登録+税関への知財備案を必ず実施
  • 契約書は準拠法・仲裁地・契約言語を明記
  • データ越境は安全評価・標準契約など合法ルートを確保
  • 法改正速報をカバーする現地パートナーや法律事務所を確保

中国法令リスクを最小化するための基本的な取り組み姿勢

中国との貿易では、物流面での対応だけでなく、法令遵守と知的財産保護が必須です。禁輸リストの確認や知財登録、契約条項の整備、データ規制への対応を軽視すると、ビジネスが一瞬で停止するリスクがあります。

日本企業に求められるのは「規制を後追いで対応するのではなく、事前に備える姿勢」です。経営層と現場担当者が同じ認識を共有することで、長期的かつ安定した中国ビジネスを構築することができます。

継続的な体制整備のポイント

  • 最新の法規制情報を定期的に収集する仕組みの構築
  • 現地パートナーとの密接な連携体制の確立
  • 社内での情報共有と教育体制の整備
  • リスク発生時の迅速な対応手順の策定

これらの取り組みを通じて、中国市場特有のリスクを最小限に抑えながら、ビジネス機会を最大限に活用することができます。

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