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【HUNADE】輸出入と国際輸送ガイド 学習コース

第4回:中国輸入で発生する諸費用を徹底解説|見積もりの内訳と確認ポイント

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中国輸入の費用内訳と見積書解読ガイド:実務者が理解すべき重要ポイント

中国輸入見積書が複雑に見える理由

中国からの輸入の見積書は、一見すると「運賃+諸費用」というシンプルな構成です。

しかし実際には、インコタームズ条件や輸送形態によって費用の範囲が大きく変動し、さらに中国側と日本側の費用区分や多様なサーチャージが複雑に絡み合います。まさ”複雑の極み”

中国輸入で発生する諸費用

そのため、中国輸送の実務担当者にとって、見積書を正確に読み解く力は、適切なコスト管理とトラブル回避の重要なカギです。

「見積もり書には何が記載されているのか?」

見積書の構造を理解することで、予期しない追加費用を防ぎ、正確な予算設定が可能です。

インコタームズによる費用範囲の違い

見積書を確認する際の重要なチェックポイントは、インコタームズです。この条件次第で「どこまでが売主負担か」「どこからが買主負担か」が根本的に異なってきます。

FOB上海の場合、本船積み込みまでが売主負担で、それ以降は買主負担となります。CIF東京では、海上運賃と保険料まで売主が負担し、日本到着後は買主負担となります。CFR横浜は運賃込みですが、保険は買主負担となります。

同じ「輸入見積書」でも条件が異なれば全く別のコスト範囲になるため、契約書やインボイスとの照合が必要です。インコタームズの理解が不十分だと後日、コストの相違が生じます。

FCLとLCLで大きく異なる費用構造

輸送形態によっても費用構造は大きく異なります。この場合の輸送形態とは、FCL(コンテナ単位)、LCL(コンテナ未満単位)です。

FCL(フルコンテナ)

THC(20ft=約34,000円/40ft=約51,000円)が主要コストとなり、デマレージやディテンション(無料日数超過で1日数千円~数万円)が大きなコスト要因です。

LCL(混載)

CFSチャージ、最低課金(W/M単位)、ドキュメント費用が中心となります。小口貨物では最低課金により予想以上に割高になるケースもあります。

案件ごとに「FCLとLCLのどちらが有利か」を具体的に試算することが、適切なコスト管理のために不可欠です。

日本側と中国側の費用区分による注意点

見積書によっては「中国側現地費用」が含まれていない場合があり、これが後日の追加請求につながることがあります。代表的な中国側費用には以下があります。

CIC(China Import Service Charge)は1コンテナあたり数千元規模となります。中国港湾費・ターミナル費用、工場から港までの内陸トラック費、バンニング費・CFS搬入費なども含まれます。

これらが「現地払い(Collect)」扱いになると、日本側で予期しない追加請求を受けるため要注意です。見積もり段階でこれらの費用が含まれているかを明確に確認することが重要です。

サーチャージと追加費用の多様化

輸入見積書では、基本運賃以外のサーチャージが多様化しています。主なものには、BAF・FAF(燃油サーチャージ)、PSS(ピークシーズンサーチャージ)、EIS(緊急インフレサーチャージ)、CIC(中国特有チャージ)、DOC fee・Handling feeなどがあります。

フォワーダーや船舶会社によって名称や金額が異なるため、必ず明細を確認し、「その他諸費用」の正体を明らかにすることが重要です。不明確な費用項目は後日のトラブルの原因です。

国際輸送費のしくみ完全解説|見積書の読み方・チャージ・交渉の注意点まで

税関通関時のリスクと追加費用

税関での書類不備やHSコード誤りは、リードタイム延長と予期しない追加費用を招きます。

  • 関税評価に差異が生じれば、追加課税のリスクがあります。
  • インボイス不備により差し戻しや再通関が発生すれば数万円の費用が追加されます。
  • CIQ(検疫検査)対象となる食品や化粧品では数日間の停滞と追加費用が発生します。

これらのリスクを減らすためには「事前教示制度」を活用し、HSコードや関税率を事前に明確にしておくことが重要です。

税関の事前教示制度とは?税関にHSコードを問い合わせられる!

航空輸入における特殊な費用体系

航空輸入は、海上輸送とは異なる課金体系です。

  • FSC(燃油特別付加運賃)
  • セキュリティーチャージ
  • Handling Fee(混載手数料)
  • 体積重量課金(1CBM=167kg換算)

などが主要な費用項目となります。国際宅配便(クーリエ便)は最低課金があり、スピードを重視する場合には有効ですが、高コストになりやすい特徴があります。緊急性と費用のバランスを慎重に検討する必要があります。

実際の見積比較による理解

具体的な見積比較例を通じて費用構造の違いを理解しましょう。

FOB上海→東京港 FCL20ft

  • 海上運賃:200,000円
  • THC:34,000円
  • 通関費:10,000円
  • D&D:無料日数超過で1日10,000円

CIF寧波→横浜 LCL 5CBM

  • 海上運賃:5CBM×8,000円=40,000円
  • CFSチャージ:15,000円
  • 書類費:5,000円
  • CIC:数千元(現地払い)

貨物量が多ければFCLの方がコストが優位になることが多いです。

見積書確認の実務的手順

実務上、見積書を正確に読み込む為には、以下の手順を確認していくことが重要です。

  1. インコタームズ条件を確認
  2. FCLかLCLかを仕分け
  3. 中国側費用が含まれるかチェック
  4. サーチャージの有無を確認
  5. HSコード・書類精査で税関リスク対策
  6. 複数社から相見積もりを取得

まずインコタームズ条件を確認し、FCLかLCLかの区分を明確にします。中国側費用が含まれているかをチェックし、サーチャージの有無を確認します。

HSコード・書類の精査により税関リスク対策を講じ、複数社から相見積もりを取得することで、適正な価格水準を把握できます。

中国輸入の見積書解読力の重要性

インコタームズの条件を正確に把握し、費用負担範囲を明確化することが基本とです。FCLとLCLでコスト構造が大きく異なることを理解し、中国側費用やサーチャージも確認します。

税関リスクを見込んで書類精度を高め、航空輸入では体積重量課金体系を前提とした比較を行います。この見積書を「内訳ごとに分解し、契約条件と突き合わせる」ことが、予算超過やトラブル防止に有効です。

中国貿易実務で使えるチェックシート

契約条項(SLA)例

  • D&Dフリー:20ft=CY5日/40ft=CY7日を目安、超過は買主負担。
  • CIC・中国側費用:Collect扱いかどうかを必ず確認。
  • 検査費用:通常検査は買主負担、不備起因は当事者負担。
  • サーチャージは明細化を義務付け。
  • 遅延連絡:書類不備時は即報、是正完了まで24時間ごとに進捗通知。

変動要因チェック(○/×)

  • インコタームズ条件の違いで費用負担が変わる
  • FCL/LCLの形態でコスト差発生
  • 中国側費用(CIC・トラック費・CFS搬入料)の有無
  • 燃油・為替の市況変動
  • 税関検査やCIQ検査の追加費用リスク

中小企業向け実務リスト

  • 見積条件(FOB・CIF)を契約書と照合
  • FCL/LCLどちらが有利かを試算
  • 中国側費用が含まれるか必ず確認
  • サーチャージの明細を必ず取得
  • HSコード・書類を事前に整備し追加課税を防止

CICやCollect費用は見積もり後に追加されやすい項目です。こうした不透明コストを防ぐ契約の工夫は、中国貿易リファレンス集に詳しく整理しています。

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