個人輸入の費用について
アメリカの通販サイトで「これ欲しい!」と思っても、「全部でいくらかかるの?」と不安になる人は多いです。実は、商品代だけでなく、送料・関税・通関手数料などもかかるため、思ったより高くなることがあります。
とくに初めて個人輸入する人にとっては、見えにくい費用が多くて心配になるのも当然です。
この記事では、アメリカから商品を取り寄せるときにかかる主な費用について、できるだけわかりやすく説明します。
「こんなに高いなんて知らなかった……」と後悔しないように、どんなお金が必要かを事前にチェックしておきましょう。やり方によっては、意外とお得に買い物できることもあります。
個人輸入にかかる費用の全体像
アメリカの通販で商品を購入し、日本に届けてもらうまでにかかる費用は、大きく以下の4つに分類できます。
- 商品代金(アメリカの通販サイトで表示される価格)
- アメリカ国内送料(通販サイトから転送業者の倉庫まで)
- 国際送料(アメリカ→日本)
- 関税・消費税・通関手数料(日本での輸入時にかかる費用)
このうち、商品代金以外は日本国内の通販ではあまり意識しない部分です。そのため、「こんなにかかるとは思わなかった」と感じる人も少なくありません。それぞれの費用について詳しく見ていきましょう。
アメリカ国内の送料について
アメリカの通販サイトでは、多くの場合、アメリカ国内の送料は無料かとても安いです。
でも、次のような場合は送料がかかることがあります。
- 離島や一部の州に送るとき
- セール品やアウトレット商品を買ったとき
- 大きくて重い商品(スピーカーや家具など)
また、「○○ドル以上買うと送料無料」や「会員登録が必要」といった条件付きの場合もあるので、送料ルールは事前に確認するのが安心です。
さらに、転送業者の住所がある州によってはアメリカの消費税(セールスタックス)がかかることもあります。
たとえば、
- オレゴン州:税金なし
- カリフォルニア州:最大約10%の税金
このように、どこに送るか・どこで買うかによって送料や税金が変わるので注意しましょう。
アメリカから日本への送料はどう決まる?
転送サービスを使うと、アメリカから日本への送料(国際送料)がかかります。この送料は、次のような条件で変わります。
- 重さ(kg単位):荷物が重いほど、送料は高くなります。
- 大きさ(箱のサイズ):軽くても大きいと、送料が高くなることがあります(体積で計算されることも)。
- 配送会社の種類:FedEx、DHL、UPS、USPSなど、会社によって料金が違います。
- 配送スピード:早く届くサービスほど、料金も高くなります(エコノミー、スタンダード、エクスプレスなど)。
たとえば、Tシャツ数枚(1kg以内)なら30〜50ドルくらいです。でも、靴箱や精密機器のように大きい物は、80ドル以上かかることもあります。
もし複数のショップで買い物をしたなら、「まとめ梱包」サービスを使って1つの箱にまとめると、送料が安くなることがあります。
関税や消費税はいつ、いくらかかるの?
アメリカから商品が届いたとき、合計金額が一定以上になると税金(関税や消費税)がかかることがあります。
どれくらいの税金がかかるかは、以下の条件で決まります。
商品の種類によって、かかる税金の割合(関税率)が変わります。
例)洋服:約10%、靴:約30%、時計:約5%、化粧品:約0〜3%
計算の基準は、次の合計です。
→「商品代金×0.6」=個人使用目的限定
この合計が16,666円を超えると税金の対象です。※円での金額は、そのときの為替レートで変わります。さらに、消費税(10%)も別にかかります。これらの税金は、たいていの場合、配達業者が代わりに支払い、商品を受け取るときに請求されます。
通関手数料も見落とせない!
輸入通関を代行してくれる業者(配送会社)によっては、関税とは別に「通関手数料」が請求されることがあります。これは以下の費用です。
- 手数料の相場:300円〜1000円程度
- 請求タイミング:商品配達時、または事前決済時
- 業者例:DHL、ヤマト運輸、佐川急便など
一部の転送サービスでは、こうした手数料を含んだ “オールインワン価格” を提示している場合もあります。見積時には必ず手数料の有無を確認しておきましょう。
実際によくある誤解とトラブル事例
アメリカの通販サイトを初めて使う方や、個人輸入に慣れていない方が最も驚くポイントは「想定外の出費」です。たとえば、以下の体験談が多く見られます。
- 「商品は安かったけど、送料と税金で国内より高くなってしまった」
- 「送料が20ドルと書いてあったのに、最終的に60ドルも請求された」
- 「通関時に思わぬ関税がかかって、代引きで1,500円も取られた」
- 「セールで買ったつもりが、アメリカのSales Taxが加算されてた」
特に注意したいのは、為替レートの変動によって課税額が変わることです。日本の税関では、毎週更新される「通関為替レート」によって円換算されるため、思っていたよりも課税価格が高くなるケースもあります。
さらに、商品ジャンルによっては関税率が非常に高いもの(例:靴・革製品など)もあるため、購入前に「HSコード別の関税率」を一度チェックしておくのがおすすめです。
また、「送料が高すぎる」と感じるケースでは、体積重量による課金が原因となっていることが多いです。Tシャツ1枚でも、箱のサイズによっては実重量より高額になることがあるため、転送サービスに事前に送料見積もりを依頼するのも一つの対策です。

商品のHSコードは、税関に電話すると教えてくれます。
費用のシミュレーション
実際にどれくらいの費用がかかるのか、価格帯ごとにシミュレーションしてみましょう。
例1:化粧品(50ドル相当)
- 商品代金:50ドル
- アメリカ国内送料:無料(条件付き)
- 国際送料:40ドル(1kg想定)
- 関税・消費税:課税対象外(合計が16,666円以下)
- 通関手数料:500円
- → 課税価格は、約50ドルの0.6倍です。
例2:スニーカー(120ドル)
- 商品代金:120ドル
- アメリカ国内送料:10ドル
- 国際送料:60ドル(2kg・箱あり)
- 関税・消費税:約3,000円(関税10%+消費税)
- 通関手数料:500円
- → 課税価格は、約120ドルの0.6倍です。
このように、国際送料と税金を含めた「最終的な支払い額」が思ったより高くなるケースもあるため、事前にシミュレーションすることが大切です。
費用を安くおさえるコツ
個人輸入を安く済ませたいときは、ちょっとした工夫が大切です。
- 軽くて小さい商品を選ぶと、送料が安くなります。
- 関税が高い商品(例:靴・バッグなど)はできるだけ避けると安心です。
- まとめて送ると、送料を節約できます。
- セール時期(例:ブラックフライデー)**を狙えば、本体価格が安くなります。
- 転送サービスの割引キャンペーンをうまく使いましょう(送料割引・手数料無料など)。
- 為替レートも大事です。円安のときは支払う金額が高くなります。
- 保険料や検品・梱包などの追加サービスも費用に含まれることがあります。
- 日本に送れない商品(リチウム電池、スプレー、薬など)は事前に確認しましょう。
まとめ
- 商品代金以外に、アメリカ国内の送料、国際送料、関税・消費税、通関手数料などがかかります。
- 国際送料は、重さ・サイズ・配送方法で金額が変わります。
- 関税や消費税は、商品の種類と金額で決まります。
- 通関手数料やアメリカ国内の税金(セールス税)も忘れずにチェックしましょう。
- 軽くて小さな商品を選び、まとめて送ったりキャンペーンを活用すれば、費用をぐっと減らせます。
- 為替の動きや、オプション料金にも注意して、楽しく個人輸入を始めましょう。
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